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【IFL】シーズン開幕、ミドル級に努力の新王者誕生

2008.03.01

(C) IFLチーム対抗戦と個人戦が融合したIFL2008年シーズンが開幕。世界3大タイトル戦はライト級王者ライアン・シュルツ、ヘビー級王者ロイ・ネルソンが王座防衛に成功し、ミドル級ではライアン・マクギヴェンが新王者に。ライト級&ヘビー級の世界戦も含まれたチーム対抗戦は、ワールドクラス・ファイトセンターとチーム・クエストが勝利した。

【写真】IFL参戦一戦目で勝利を得たマリオ・スペーヒー (C) IFL

29日(金・現地時間)、ラスベガスのオーリンズ・アリーナで行われたインターナショナル・ファイト・リーグ(IFL)2008年シーズン開幕戦。今年から、チーム対抗戦がジム単位で開かれるようになり、コーチも実際にそのジムで指導する者に限定されることとなった。結果、ジムを持たないビッグネームがIFLから離脱を余儀なくされたが、BTTを離れたマリオ・スペーヒーのように新たに参戦を果たす者も現れた。


ゼ・マリオ率いるワールドクラス・ファイトセンター(WCFC)は、エクストリーム・クートゥアーと対戦。まずはフェザー級の一戦でラファエル・ディアズが、サンティーノ・デフランコからテイクダウンを奪うと、パスを狙いつつギロチンの態勢へ。その後も、アナコンダ、再びギロチンとデフランコを追い込み、最後はバックを奪いチョークでデフランコを完封。2分3秒での一本勝ちで、WCFCにIFL初勝利をもたらした。

対抗戦第2試合ミドル級マッチには、かつてルタリーブリで活躍したレオポルド・セラォンがWCFC代表として出場。プロ修斗に来日経験があり、ガードからの攻撃を得意とするテクニシャンのセラォン。対するジョシュ・ヘインズは立ち技の主体のファイターで、タックルから引き込むセラォンの寝技に付き合わない。

米国のファンは、立ち上がらないセラォンにブーイングを送るが、それでも執拗に引き込みから関節技を狙い続ける。スタンドではタックルにアッパーを合わされるなど、危うい場面も見られたセラォンだが、2Rには足関節から逃れようとしたヘインズのバックを奪取し、チョークで攻め込む。3Rも互いに打撃と寝技を避ける展開が続き、結果、判定3-0でヘインズの判定勝ちとなった。ヘインズに何か効果のある攻撃が見られたわけではないが、スタンド戦を避ける戦いは、米国では一本を極める以外、勝利はまずありえないことが再確認された勝負でもあった。

WCFC×エクストリーム・クートゥアー、チーム戦の勝敗を掛けた戦い。セラォン以上にルタリーブリ色の強いカカレコが、WCFCの大将として出場。勢いのあるフックを放つと、対戦相手のリュー・ポーリーはテイクダウンをしかけくる。ここでカカレコの左腕がしっかりとポーリーの首に巻きつけられた。そのまま飛びつき振り落とされないようにしたカカレコ、その体をコーナーに運んだポーリーが立ったままで気を失う。はまると強い、カカレコのスタートダッシュにより、WCFCがIFL2008シーズン最初の勝利チームとなった。

続いて行われた対抗戦は、マット・リンドランドがコーチのチーム・クエスト×ケン・シャムロックのライオンズ・デン。3試合中2試合が世界戦という、輪と個の戦い。

まずはウェルター級マッチでジェイク・エレンバーガーが、タフなテイクダウン合戦の末、パット・ヘイリーを3-0の判定で下し、クエストが王手をかける。寝技は攻守ともに熟度が足りないエレンバーガーだが、スタンドの打撃とテイクダウンは世界のトップクラスといってもいいキレ味を見せており、今後はウェルター級タイトル戦線に絡んできそうだ。

続いて行われたIFL世界ライト級選手権試合は、クエスト所属の王者ライアン・シュルツに、ジョン・ガンダーソンが挑んだ一戦。肩から上はレスリングのクラウチング、それで腰高の変わった構えの王者は、ガンダーソンのテイクダウン狙いをしっかりと受け止め、反対にテイクダウンを奪うことに成功する。王座を奪取した時にみせたアミール(トップの状態で、右手で相手の首を制して、背中側から左腕を回し、対戦相手の左腕をつかみ、顔面をガラ空きにしてパウンドを落とす)を狙うが、さすがにこれは挑戦者も察知。すると王者はパスガード、最後は自らハーフに戻りパウンドを見せたところで1Rが終了した。

2Rは開始早々、ガンダーソンがテイクダウンを奪う。ここでシュルツがギロチンを仕掛けると、苦しそうな声がこぼしたガンダーソンだが、なんとかエスケープに成功。その後もテイクダウンからコーナーに詰められ、パウンドを許すなど王者が優位に立つ。

3Rもテイクダウンから、パウンドでガンダーソンを攻め続けたシュルツだったが、ここから先に進めずスタミナをロスする。ガンダーソンが反撃に出たのは4R、2度にわたりテイクダウンに成功すると、シュルツのギロチン狙いを封じてパウンドで攻め込んだ。そして迎えた最終ラウンド。逆転を掛けたスタンド戦に挑むガンダーソンに対し、王者は執拗にタックルを繰り出し、テイクダウンを奪うとトップキープで逃げ切りを計る。そのまま試合終了間際にマウントを奪取したシュルツ、その腰に再びベルトが戻ってきた。

エレンバーガーの勝利とシュルツの王座防衛で、チーム戦の勝利を決めたチーム・クエスト。そのまま勢いにのって、新加入したファビアーノ・ペガレヴィ・シャーナーがヘビー級王座奪取に乗り出した。が、ロイ・ネルソンにテイクダウンされると、強烈なパウンドを2発顔面に受けてしまいレフェリーが試合をストップ。3分2秒、ネルソンがTKOで王座防衛に成功した。

2-1でライオンズ・デンを下したチーム・クエスト。メインにはもう一人の世界王者マイク・ホーウィッチが、ミレティッチ・ファイティング・システムのライアン・マクギヴェンを相手に世界ミドル級王座防衛戦に挑んだ。

ADCC世界大会に出場したこともあるグラップラーでありながら、変則的な構えから繰り出すハイキックやミドルで勝機を演出してきた王者ホーウィッチに対し、マクギヴェンは鋭いパンチからテイクダウン狙いで試合をリードする。

要所でミドルやハイをヒットする王者だったが、チャレンジャーは「練習相手の蹴りの方が威力があったので、ダメージはなかった」と試合後に振り返ったように、乱打戦を打ち勝つシーンが多くみられた。唯一のピンチといってもいい、オモプラッタから腕をアームロックのように足で極められたそうになった2R終盤のホーウィッチの攻めをしのぐと、寝技でもパスに2度成功し、アームロックを仕掛けたマクギヴェン。最後まで攻める姿勢を見せ続け、3-0の判定で涙の王座奪取となった。

参謀パット・ミレティッチが、「うちのジムにはライアンより強い選手はいる。でも、ライアン以上に努力する選手はいない」と言う努力の人が、IFLミドル級戦線の頂点に立った。

2008年開幕戦で新王者が誕生したIFL、次回大会は4月4日にニュージャージーで行われ、ライト級の神童クリス・ホロデスキーが、エクストリーム・クートゥアー所属になって初めての試合に挑むことが決定している。

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