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【Pancrase X DEEP】受太郎節、炸裂。近藤に勝利、中尾受太郎 「それほど好きじゃない。MMA愛はない」

Jutaro Nakao【写真】短い言葉で、説得力がありまくる受太郎節は健在だった(C)MMAPLANET

24日、兵庫県尼崎市のアルカイックホールで開催されたPancrase vs DEEP対抗戦。その大将戦で中尾受太郎が2年2カ月振りの試合で近藤有己からTKO勝ちを収めた。

プロ修斗デビューは1996年1月の20年選手。修斗で世界王座を桜井マッハ速人と争い、ハワイのスーパーブロウルではUFC世界ライト級(※現ウェルター級)時代のパット・ミレティッチから三角絞めで一本勝ち。その後はズッファ体制となった直後のUFCと契約し、1勝1敗の戦績を残している。

47歳になった今もマッスルボディを維持する受太郎に、そのMMA LIFEを尋ねた。


──また受太郎選手に勝利者インタビューをできる日がやってくるとは思ってもいなかったです。

「ハハハ。いやぁ、金網に入って『あっ、来ているんだ』って僕も思いましたよ(笑)。UFC以来ですよ、きっと話を訊かれるのって(笑)」

──15年振りになるのですね。実は受太郎選手がどういう風に現役生活を続けているのかも把握していなかったです。

「去年は10月に濱村(健)とやる予定だったのが、肋骨を折ってできなくなって。だから去年は1試合もしていない。その前は一昨年の10月に住村(竜市朗)に負けて。2012年から一昨年までは年に1回試合をしてきた感じです。

だから去年もやりたかったのですけど……それがなかったから、今年は何としても1試合はと思っていました。本当は冬、寒い時に試合はしたくなかったんですけど(笑)」

──相変わらずですね(笑)。

「DEEPの大阪大会は常に秋だったから、夏に練習して秋に戦うのが体調的にも良かったのですが、もう12月ですからね。クリスマスだけど、この機会を逃すと2年間試合がないことになるので、今回は戦いました」

──しかし、47歳になってなお受太郎ボディは健在です。

Juta「顔はほうれい線がハッキリとしてきましたけどね(笑)」

──ハハハ。試合に向けての準備というのは?

「自分のスクールとランニングですね」

──かつて桜井マッハ速人選手とプロ修斗のミドル級王座を争ったときも水泳とジョグだけだったことが思い出されます(笑)。

「もう、水泳は辞めたんです。昔は横須賀の山の方を走っていたけど、今は神崎川河川敷を走っています」

──ローカルですね。河口付近は兵庫県と大阪府の境になっている神崎川(笑)。

「僕が走っているのは神崎川ランニングコースなので大阪ですけど(笑)。でも、冬は寒くて走れないんです。冷たすぎて肺をやられて風邪をひいてしまうから。冬の試合は走れないから嫌だったけど、ゴールドジムのランニングマシンでやれば良いって気付いて。今回はランニングマシンで調整しました」

──何を今頃(笑)。ところで近藤選手と戦うということで、何か想うところはありましたか。

「年下だけど僕が修斗を始めた時にパンクラスでチャンピオンだった選手で、しかもあの頃は無差別で船木(誠勝)とかとやっていて。まるで接点がない、交わることは絶対にないと思っていました。近藤はファン的な感じで、一目を置いていました。一時期は日本人最強説のあった選手ですし、火の呼吸とか真似をしてこともあったぐらいで。

だから、濱村と戦うより全然良いですよね(笑)。それにレジェンドマッチで負けてどうこうっていうのがないので、その分試合は楽かなって思っていました。もちろん、いざ試合が始まるとそんなことはないし、昨日の晩は一睡もできなかったんですけど(苦笑)」

──えっ?

「実は怖くて、ビビってしまって。計量が終わって、家に戻って早く寝ようと思ったのに色んなことを考えると目が冴えてしまったんです。結局、朝の4時とか5時になった時点で諦めました。でも、嫁に『ヤバい、一睡もできなかった』って伝えると、『1日ぐらい寝なくても大丈夫でしょ』って言われて(笑)」

──さすがです。

「息子は『経験ないから、そんなこと言えるんだ』って母親に反発していましたよ(笑)」

──天丸君2号が。

「1号ですよ」

──1号は犬じゃないですか。

「あっ、猫です。飼っていた猫が天丸で、妹がその名前を付けてくれたんですけど、格好良くて。だから息子が生まれた時に拝借したんです」

──もう上のやりとりから、天丸君の名前の由来までコメディのホームドラマのようですね、中尾家は。対して、試合自体はかなり積極的に動く試合になりました。

Jutaro vs Kondo「スタミナに自信がなくなったので、もう行くしかないので(笑)」

──セコンドが中蔵(隆志)さんだったのも感慨深いです。それこそ受太郎選手がUFCで戦っていた時、まだアマチュアファイターだった中蔵さんがセコンドでラスベガスまで来ていたことが思い出されました。

「セコンドは常に中蔵です。中蔵にしか頼んだことはないですし。だからといって全く一緒に練習はしていないですけど(笑)。もう恒例行事ですね。普段は全く接点はなくて、試合が決まったら中蔵の耳にも入って、『空けときましょうか』って連絡が来て。で、僕も『よろしく頼む』って感じで」

──そんな受太郎選手ですが、今後はどういうスタンスでMMAと付き合っていこうと考えていますか。

「分からないですね。今回もいっぱいいっぱいですし。気持ち的いも、なかなか続けられないです。体は筋トレを週に一度やると、こんな感じでキープできますけど」

──以前からステロイド疑惑を常に持たれていただけのことはあります。

「本当に(笑)。シューティングジム横浜時代はウェイトを一切やっていなくて、腕立てぐらいしかやっていなかったときにウェイト疑惑があって。大阪にやってきて、ウェイトを始めると今度はステロイド疑惑が起こった。ただ、この筋肉が格闘技に生きるかどうかは別問題ですけね」

──受太郎節、連発ですね(笑)。

「まぁMMAを続けたい気持ちはそれほどないですし、他にやることがないからやっている感じで。MMAに熱くなれる人は羨ましいです。俺はそういう風になれないから」

──なのになぜ続けられるのでしょうか。

「続けていることに、明確な理由はないです。稼げるモノでもないし(笑)。他に仕事があれば、アレですけど……もう他にはないので」

──好きなことを続けられることは幸せだというのが私の持論なのですが……。

「俺はそれほど好きじゃないから(笑)。MMAに愛はないです」

──アハハハ。とにかく今日は素晴らしい勝利でした。が、本音をいえば下になって三角絞めが見たかったです。

「あぁ、なるほど(微笑)。ちょっと冷静さを欠きましたね」

──これが受太郎選手の試合を見る最後の機会になるかもしれないですが、取材ができて良かったです。

「こちらこそ、ありがとうございます。交通費が掛かる東京の大会に呼ばれることもないでしょうしね。体は鍛えているので、声が掛かったらまたその時に考えます」

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