【Pancrase X DEEP】詳細─02─高橋誠、恐るべき17歳が獅庵を破り対抗戦はDEEPの勝利が確定
【写真】レスリングが強く、打撃にも怯むことがない。末恐ろしい17歳だ (C)MMAPLANET
24日)、兵庫県尼崎市のアルカイックホールで開催されたPancrase vs DEEP。その対抗戦4試合と、HEAT王者としてDEEPに凱旋した赤尾セイジ、7月にウェルター級王者となった住村竜市朗の試合を中心にレポートしたい。第2弾は対抗戦=副将戦、17歳の高橋誠が恐るべきポテンシャルを発揮した試合の模様をお伝えしよう。
<対抗戦・副将戦フライ級/5分3R>
高橋誠(日本)
Def.3-0:30-26.30-27.30-27
獅庵(日本)
17歳、キャリア4勝1分の高橋が、一時はパンクラス・フライ級でトップ戦線にあった獅庵と対戦。空手ベース、組みやスクランブルに課題残る獅庵に対して、高橋がそこを徹底的についていった。高橋の左ハイをブロックした獅庵は右ハイを返し、スピニングバックフィストを見切ると右ストレートを打っていく。素早く組みついた高橋は、シングルレッグからバックに回り込み、座った状態の獅庵の両足をフックさせケージにもたれる形に。
獅庵はすぐに胸を合わせてスクランブルでバックに飛び乗るが、高橋は前方に落として再びバックコントロールを取る。さらに正対した状態で首を抱えると、これを外して座っている獅庵の顔面を蹴りに行く。獅庵もダブルで高橋を倒しに掛かり、スタンドに戻った直後に右ヒザを顔面に突き上げていった。打撃戦のなかで組んでバックを制した高橋がバックマウントを完成させるも、獅庵はここでも胸を合わせつつ立ち上がることに成功し激しい攻防が見られた初回が終わった。
2R、両者が飛びヒザを狙い、着地したところで獅庵が右ハイキック、そして右ストレートを伸ばす。高橋はダブルでケージに押し込みテイクダウン。ネルソンの態勢に入って獅庵を立たせない。ネルソンを引き上げ、獅庵に背中をマットにつかせマウントからバックマウントを取った高橋がRNCを狙う。獅庵は腰を上げても、潰され厳しい状況が続いたが、何とか腰をずらして立ちあがると、サッカーボールキックを見舞っていった。
高橋もここでスタンドに戻り、打撃戦に応じ右ハイキックを喰いそうになる。ならばとの蹴りを掻い潜り、シングルで尻餅をつかせた高橋はスイープ狙いを防御してハーフからパンチを落とす。時間が少なくなるとサッカーボール、正面から前蹴りように顔面を蹴り抜いた高橋が堂々の戦いぶりで2Rも取った。
最終回、振りが大きくなった獅庵をボディロックで捉え、トップを奪取するや思い切りパウンドを打ち込んだ高橋がバックに回ってRNCを仕掛ける。獅庵もここは懸命にディフェンスしスクランブルへ。しかし、左フックが大きくなり空振りした直後に高橋が組んでバックを取る。獅庵の前方回転に合わせてバックを取りいき、ヒザ十字狙いもヒザを引き寄せて回避する。
懸命に足を取りにいった獅庵だが、諦めて立ち上がり際にバックを許しグラウンドへ持ち込まれると万事休す。RNC、マウントからパンチ、そしてバックマウントを取られ最後の最後で腕十字をしのいで上を取った獅庵だが、反撃の時間は残っていなかった。高橋が獅庵を判定で破ったことで、対抗戦はDEEPの勝利が確定した。
切れの良い動き、瞬発力以上に思い切りの良さが目立った高橋──2018年も恐るべきティンエイジャーの試合に要注目だ。