この星の格闘技を追いかける

【Special】月刊、青木真也のこの一番:11月─その弐─アオルコロ×藤田和之―02―「気が違っている」

Kazuyuki Fujita【写真】戦いの部分と、安全性。青木らしい藤田和之論が聞かれた(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ11月の一戦=その壱は11月11日、ROAD FC44から桑原清×マ・アンティン戦に続き、本題となる藤田和之×アオルコロ戦を語らおう。

<青木真也の語ろう――アオルコロ×藤田和之Part.01はコチラから>


――右フック一発に賭けている。そんな風にも感じられました。

「アレは凄いです。そして、アレを貰うと誰もが一応に効いてしまう。藤田さんで面白いのは、レスラーなのに地の強さに頼るというか拘っているというのが凄い話で」

――体調的にも長い時間レスリングをすることは難しいかとも感じました。

「組めないですね、きっと。それにレスリングといってもテイクダウンですから。寝技をするわけではない。あるとすると……テイクダウンしてすぐに極めることができる相手でないと組まないと思います。ということは、それは今のMMAシーンではないから、藤田さんが組みに行くことはない」

――スパーリングで見た藤田選手のシングルからダブルの切り替えとか、凄く鮮やかでした。

Single「日大レスリング部で学生選手権4連覇ですよ。全日本選手権で2度優勝している。そりゃ日本のトップですから。ただ藤田さんは狂っていると思います。

アオルコロの前に大仁田(厚)とプロレスをやって、中国から帰ってきてからもすぐにプロレスをやっているでしょ? そして12月23日にはHEAT。HEATでも戦うことになっているのですよね?」

――HEATに確認したところ、出場するとのことです。

「イ・サンスですよね。アオルコロよりヤバい相手じゃないですか。11月と12月である程度、仕事を固めてやるぞみたいな。あのテンションは凄いです。誰も何も言えないし、気が違っていると思いました。

これも桑原選手と同じで、誰がやっても良いことじゃない。できないし。これだけやることに対して、格闘技的に見たらどうなんだろうっていう意見はあると思います」

――ハイ

「でもある一面から見ると、普通はこんなに詰めてやる状況には耐えられない。それを藤田さんは飛ばないでやってしまう。猪木会長の一言ですぐにヒョードルとやったり、RINGSに出る予定が、PRIDE GPでRIGSオランダのハンス・ナイマンとやってしまったり(笑)。そういう話を聞いていると、もう修羅場に慣れているんですよ。

MMAとプロレスを仕分けていない。きっと感覚として、ルールが違うぐらいの意識でいるんだと思います。場数の違いというのがある。逆に面倒くせぇなぁってぐらいで」

――青木選手はIGFで一緒にプロレスをやっていて、そういう風に感じられるということですね。

「やっぱり新日本プロレス気質というか、ビッグマッチでの燃えようが違います。だからメインというか、ケツというのは意識していて、中国で中国人のアオルコロと戦うという部分での意識も、イベントを形にしようという気持ちは他のMMAファイターとは感覚が違うはずです。それはアオルコロよりあったと思います。

IGFでもミルコと石井(慧)が戦って石井が負けたら、なぜか藤田さんがミルコに突っかかる。IGFというイベントの質を下げられないという衝動に駆られての行動だと思うんです。傍から見るとわけが分からないけど、イベントを成立させる気持ちは人一倍強い人です。

――韓国のプロモーション、中国での試合も北京だったのが石家庄に代わり、二転三転するなかでベテランが苦笑いして5時間のバス移動をちゃくちゃくとこなす。

「そういうことなんですよ。だから僕の目線でいえばアオルコロ×藤田和之は藤田の勝ちだったんです。結局、藤田さんじゃんって。

ただし、ケガだけはしないようにしないといけない。そこは思います。笑い話で済まなくなるリスクもはらんでいるので。11月と12月の連戦に関しても止めることはできないですけど、まぁまぁ皆、ちょっと考えようよということですね」

――規定がないからこそ、プロモーションと本人判断になる。

「そういうこっち側の感覚も一般からすると麻痺しているんですよ。業界のことを考えてしょうがないってなるのも、本当は考えていかないといけない。それが今後への宿題ですよね。そこは忘れてはいけないです」

PR
PR

関連記事

大会予定(現地時間)

Road FC45

HEAT41

Movie