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【Pancrase292】久米鷹介との再戦に臨む──徳留一樹─02─「奥さんも実家に帰ってもらっています」

Kazuki Tokudome【写真】決してリラックスした表情を見せないということではないが、直ぐに臨戦態勢に入れそうな雰囲気があった(C)MMAPLANET

12月10日(日・現地時間)、東京都江東区のディファ有明で開催されるPancrase292で久米鷹介の持つライト級KOP王座に挑戦する徳留一樹インタビュー後編。

この一戦に集中するために、婦人と愛息と離れ全ての時間を費やしている。そんな徳留をameba TVが制作する格闘家の1日を追うドキュメンタリー番組=ONEDAYが追った。

戦略的キーポイントは接近戦。そしてパンチを被弾した時の気の持ちようが如何に勝負を左右するのか。既に戦闘モードに入っている徳留の応えは。

<徳留一樹インタビューPart.01はコチラから>


──接近戦でボクシングのような打撃の攻防ができれば素晴らしいことですが、MMAにはMMAならではの選択ができます。

「両方やってきました。久米さんも両方やってきているはずだし、(日沖)発さんもいるし鈴木(陽一)社長も、その辺を絶対に考えているはずですから。発さんは賢いし、自分が思いもしないようなこと考えてくると思います。

そこを如何に思い通りにさせないのか。そのことを考えながら戦いたいですね」

──今も久米選手の背後に日沖選手を感じるものなのですか。

「だって絶対に後ろにいるわけですから。凄く考えていると思うし、久米さん自身もMMAに熱い気持ちを持っているので、あの2人が組んでいるのだから、それは強いです。ただし、その部分を学んで僕も今回は館長と大宮司さん、クリスマンと集まってミーティングをしています。

以前はそんな作戦会議なんてしていなかったのですが、今回はそういうこともやってきたので。全然、その部分でも負けないです」

──昨年の試合は久米選手の方が危機感があったはず。その分、集中力もあった。対して、今回は久米選手は『また戦うのか』という気持ちが少なからずあると思います。そして徳留選手は、とにかく叩き潰すという気持ちになっているのではないかと。

「ずっと久米選手をぶっ潰そうと考えてきました」

──去年は以前に手と手を取り合って……徳留選手をナム・ウィチョルに勝たせようとしていた久米選手との戦いを見るのが辛かったです。でも、もう今回はそれがMMA、それが2人の人生だから、思い切って出し切れという感じで見られることができそうです。

「憎しみまではないですが、思い切りぶっ潰すつもりです。コレを負けたら自分も後がない。久米さんの都合なんて、何も考えずにガムシャラに……ガムシャラのなかに冷静さを持って潰します」

──一番、気を付けないといけない点は?

「近い距離ですね。そこで貰わない。寝技ではバックキープが上手いので、バックを奪われたとしてその対応ですかね」

──バックキープと、その割り切りが久米選手の成長かと思われます。

「クロアチア人選手(マティヤ・ブラジセビッチ)と戦った時も、無理にいかずに丁寧にバックをキープしてコツコツと殴り、隙ができたらチョークに行っていました。あの試合を見ていて、やっぱり強いと思いました」

──先ほどの質問と表裏一体となりますが、徳留選手が必ずやらなければならないことは?

「難しいですね……。全て、見せないといけないです」

──パンチを受けた時、どちらがカッとするのか。それともしないのか。そこに注目しています。そして、それが良い方向に働くのか、いけない方に働くのかを。

「そうですね……冷静にできれば良いです。冷静に戦うことが、よりMMAだと思います。カッとなると、必ず隙ができます。冷静なヤツは、その隙を見逃さない。ただ、気持ちが折れてはいけない。まぁ、気持ちでは負けないつもりです。今、この時点で戦いたいぐらいになっていますから」

──去年の試合前と明らかに表情、雰囲気が違います。

「ホントに1日1日をこの試合のためだけに過ごしているので、気持ちも絶対に違っています。作り込んできているつもりです。一歩ずつ12月10日に向けて、上げていければ良いかと思います」

──家に戻るとリラックスをして、スイッチの入れ替えがあるのでしょうか。

「今はもう奥さんも子供と一緒に実家に戻ってもらっています。1カ月半ぐらい前から、そうしてもらっています」

──エッ……。

「これだけに集中したいから。居る、居ないで何が変わるのか分からないですけど、少しでもこのことを考えられるように実家に帰ってもらっています。

子供をあやすことは楽しいですけど、今は自分のことだけを考えたいので、我儘を通させてもらって……」

──戦える人と、我々はやはり違うことが分かりました。

「それは分からないですけどね(笑)。とにかく、久米さんとの戦いのことだけを考えて過ごしています」

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