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【UFN122】高度成長経済期の大陸的規模ガラパゴスMMA代表=リー・ジンリャンとイェン・シャオナン

UFN122【写真】個性と自己アピールは日本人選手より上か。リー・ジンリャンとイェン・シャオナン、UFCチャイナの男女エース候補 (C)MMAPLANET

25日(土・現地時間)、中国・上海のメルセデスベンツ・アリーナで開催される中国本土初開催となるUFC =UFN122「Bisping vs Gastelum」。8人の中国人選手が出てくるなかで、リー・ジンリャンがセミを務める。


9月の日本大会は日本時間の午前中スタートでセミはブラジル人女子ストロー級マッチが組まれていたのに対し、中国大会は現地の土曜の夜にイベントが行われ――セミに中国人ファイターを登用された。

より現地仕様のUFCといえる一方で、それだけ市場に期待感を持っているという見方もできる上海大会。今や中国はロシアと並び、どれだけの規模でローカル大会が開催され、どれだけの勢いでファイターが育ってきているのか、把握が難しい――高度経済成長かにあるガラパゴスMMAといえるだろう。

MMAというフォーマットを持ち込んで、そこで中国人ファイターが打撃中心のアグレッシブなファイトを展開する。中国経済をもってすれば格闘技でも一気に世界の情勢を変えてしまうことは、キックボクシング界をみれば明白だ。とはいえキックとMMAの違いは、UFCが存在するか否かにある。旧K-1後のキックには世界を統べるイベントは存在していない。唯一無比のUFCのようなプロモーションがないことで、中国経済は優秀なキックボクサーを自国に招き、その偉大な功績を知ることもない億規模の視聴者が楽しむコンテンツとしてキックボクシングは根付いた。

対して、MMAでは世界のトップの人材が中国大陸に流れることはなく、急激な成長は見られない。それでも日本で把握できないだけのローカル大会やTVコンテンツのイベントが行われ、独自の進化を遂げている。いわば豪州大陸規模のガラパゴス諸島と化しているのが、中国MMA界だ。

そんななかリー・ジンリャンはレスリングと散打ペースに、中国MMA界のパイオニア的大会=Art of Warで初リングを踏み、その後は国内より先に発展したLegend FCをベースにキャリアを積み、UFCとの契約に至る。気持ちが荒くて、ファイトが粗い。そんな印象のリー・ジンリャンだったが、3戦目でTUF準優勝2度という他にない悲劇のキャリアを築くことになるディエゴ・リマに破り、意外といっては失礼だが実力でUFCに残ることに成功した。

一昨年のさいたまスーパーアリーナでは中村K太郎をあわやというところまで追い込み、RNCで逆転負けを喫した試合は日本のファンにも、強く印象に残っている違いない。UFCアジア政策の見直し期間を経て、市場への期待感から有望株は篩落としでなく育てるマッチメイクに変わりつつあるなか、リー・ジンリャンはさらにアグレッシブなファイターとして結果を残してきた。

現在3連勝中のリー・ジンリャンの相手ザク・オットーは、6月にNZでストラッサー起一に判定勝ちをしているファイターだ。リー・ジンリャンとしては、そのアグレッシブな姿勢で崩すことができる一方で、粗さをつかれてテイクダウンから削られる可能性も持っている――そんな勝負論も存在する、上海大会のセミだ。

リー・ジンリャン以外で気になる中国人ファイターは女子のイェン・シャオナンか。遼寧省出身で、13歳の時に現地の武術学校に入学、14歳で散打を始め17歳から中国MMA界の虎の穴=西安体育大学院でトレーニングを積むようになった。

散打では学生選手権で3位入賞、ムエタイで2度の中国王者となっている。当然、打撃中心でサイドキックをジャブのように使いこなすイェン・シャオナンは、雑多なスタイルが見られるMMAにあっても、まだ珍しい部類の中国スタイルの申し子だ。

今日の夜にVV.meiと対戦するジナ・イニオンにも勝利したこともあるイェン・シャオナンだが、ROAD FCとの契約後も含めバッティングでノーコンテストとなった藤野恵実戦以外は、キャリア初戦や2戦目という対戦相手ばかりだったので、その実力は未知数といえる。

今回のケイリン・カーラン戦、UFC初の中国本土大会で真価が問われる――剣が峰に立ったイェン・シャオナンともいえる。

■UFN122対戦カード

<ミドル級/5分5R>
マイケル・ビスピン(英国)
ケルヴィン・ガステラム(米国)

<ウェルター級/5分3R>
リー・ジンリャン(中国)
ザク・オットー(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス(米国)
ワン・グァン(中国)

<ウェルター級/5分3R>
ムスリム・サリコフ(ロシア)
アレックス・ガルシア(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
ザビット・マゴメドシャリポフ(ロシア)
シェイモン・モラエス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ボビー・ナッシュ(米国)
ソン・ケナン(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
ケイリン・カーラン(米国)
イェン・シャオナン(中国)

<バンタム級/5分3R>
バラット・カンダレ(米国)
ソン・ヤードン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
チェイス・シャーマン(米国)
シャミル・アブドゥラヒモフ(ロシア)

<女子バンタム級/5分3R>
ジナ・マザニー(米国)
ウー・ヤナン(中国)

<フェザー級/5分3R>
ロランド・ディ(フィリピン)
ウリジブレン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
シリル・アスカー(フランス)
フ・ヤオゾン(中国)

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