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【ONE62】ジナ・イニオンと対戦、根性論最後の世代=VV.mei「絶対に退かない」

Mei【写真】J-女子MMA界に続エマニュエルが登場。さようならエマニュエルも、もう決定済みだ (C) MMAPLANET

明日24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE62「Immortal Pursuit」で、VV.meiがジナ・イニオンと対戦する。

当初の予定ではアンジェラ・リーとの再戦=ONE世界女子アトム級王座に挑戦する予定だったが、王者の交通事故を理由に世界戦が飛んだ。そして、3年8カ月前にPXCのケージで判定負けを喫したイニオンとの試合が決まった。

タイトル戦消滅から、イニオンとの再戦。そこも気持ちが揺れることなく調整を続けることができたVV.meiがONEという戦いの場で手にしたモノ、そして明日の試合に賭ける気持ちとは。


――いよいよジナ・イニオン戦が明日に迫ってきました。色々な想いがあるとは思いますが、イニオンは一番良い代役ではなかったのかと。

「そうですね、一番戦う意味がある相手ですね。実際に凄く強いですし、生ぬるい選手は当てないというONEの姿勢もあり、面白い相手だと思います」

――アンジェラ・リーが交通事故を理由に欠場、どのように気持ちを持ち直すことができましたか。

「驚きはありましたが、何が起こるか分からないのがこの世界なので。自分のなかでは……正直なことを言うと、試合がなくならないとは限らないという気持ちではいました。事故やケガなんて、いつでも起こりえることだし、どれだけ大きな試合でも絶対に100パーセント行われるということはありえないわけで。

残念でしたけど、そこまで動揺することはなかったです。『しょうがないよね』って感じで。ONEからも絶対に他の選手を用意するという連絡がありました。そこで最初に頭に浮かんだのが、ジナでした。ただ、彼女も11月10日にフィリピンで試合があった。それでもケガがないと彼女は来ると思っていました。実際にONEから名前が挙がったのはイステラ・ヌネスでしたが、あの子は大きいので体重を短期間で落とすことは無理だろうと思っていました」

――ヌルヌル、ツルツルだし(笑)。

「私は何も言っていないですから(笑)。ONEには彼女が体重をオーバーしたら戦わないとは伝えていました。そしてフィリピン大会が終わった後で、ジナになると正式に連絡があったんです。フィリピンの人はハングリーなので、次に勝ったらタイトルと言われているみたいだから、まず受けますよね。予想通りでした」

――2014年3月にPXCのマニラ大会で戦った時、試合を見ていて判定はどちらとも取れる。ただし、mei選手が負けるになるような試合展開でもあったと感じました。本人としては、戦えた感のある試合だったとは思いますが。

mei vs Iniong「そうですね、試合が終わった直後は出し切っているので『勝った』と私も回りも思っていました。

でも、客観的にみるとアウェイなのだからもっと明確なモノが必要だったし、試合を見直すともっと上手く試合を組み立てる必要があったと感じました。最初から判定で勝つことは難しいと分かっていたのだから」

――ユニファイドルール、そしてイニオンのテイクダウンは加算されやすい状況だったのでしょうね。

「その通りだと思います。ホームの選手につきやすいポイントですよね。つまりは私の力不足でした。相手の得意な動きの流れのなかで戦っていたので、判定に不服はありましたが力不足。なので今回は判定になっても試合運びで明確なポイント差をつけることと、できればフィニッシュしたいですね」

――あれから3年8カ月、イニオンも成長していると思います。

「一本勝ちもしているし、寝技も頑張って練習しているなと感じます。フィジカルもフィリピンの人は皆強いので。そこをいかに自分が上回れるかですね」

――フィジカルといえばmei選手も二の腕の太さなど、以前と比べてハッキリと大きくなったことが分かります。

「これは和田(良覚)さんとのトレーニング効果です。もともと体質で筋肉はつきやすいのですが……ジナと試合をした時は、以前お世話なっていたトレーナーの方が数カ月前に倒れてしまい、あの時は何も準備ができなかった時期だったんです。それを言うと言い訳になってしまうのですが。

凄く迷っていた時期だし、フィジカルも落ちていて。あの試合が終わって、和田さんに面倒を見てもらうようになって、またイチからやり直した感じです」

――ここのところ藤野恵実選手、浜崎朱加選手、そしてmei選手から『なにくそ』という想いがヒシヒシと伝わってきます(笑)。

「ハハハハ。そうですね。食らいつきますよね、しぶといですよ。HEARTSとかで40歳近い選手が集まっていて、しぶといです。若い子が嫌がって来なくなるんじゃないかと心配になるくらい(笑)。どうしても、年齢とともに衰えていく部分って絶対にあると思うんです」

――ハイ。

「そこをどこでカバーするのかってなった時に皆、ハートが強いです。負けん気があるし、根性論最後の世代というような……(苦笑)。もう、負けられない人間ばかりが集まっているので命がけですよ」

――そういうキャリアを過ごしてきて、日本と違いONEという場で戦うことで変わった部分はありますか。

「ONEを見ているファンって、まだ新しいファンばかりなんです。『初めて見た、凄い』っていう感想が聞かれて。しかも、色んな国、色んな民族の人が見ていることが面白いですね。会場の雰囲気や熱も違います。テクニックとかまだ分かっていないから、昔のPRIDEのようにガチャガチャでもハートを見せた方がわきます。素直に戦っている姿勢を見せている選手を歓迎してくれて。

その素直な感性で試合を見て、喜んでくれている気持ちなんかが伝わってくるので、格闘技に対してプロ意識も含めて、再度見直すことができたと思います。あの素直な反応が嬉しいから、もっとプロとして魅せたいです」

――そんなファンを前にして、明日はどのような試合を見せたいですか。

「一番は絶対にリベンジしないといけないということです。そして打撃も寝技も磨いてきたので、その部分を自信を持って出せるのか。そこがポイントになると思います。相手は打撃が強いですが、絶対に退かないで前に出られるかどうか。そこが試されます。

絶対に前に出たいです」

■ONE62 対戦カード

<ONE世界ウェルター級(※83.9キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ベン・アスクレン(米国)
[挑戦者]青木真也(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
エイドリアン・パン(豪州)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
キム・デフォン(韓国)

<女子ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
メイ・ウウイ(シンガポール)
ブイー・スレイチャイ(カンボジア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
リー・カイウェン(中国)
アマド・ムスタバ(パキスタン)

<女子ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
ティファニー・テオ(シンガポール)
プジャ・トマール(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
VV.mei(日本)
ジナ・イニオン(フィリピン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アルナウド・ルポン(フランス)
リチャード・コーミナル(フィリピン)

<68キロ契約/5分3R>
ヤン・フェイ(中国)
モハメド・アイマン(マレーシア)

<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
ミャオ・リータオ(中国)
シム・ブンスルン(カンボジア)

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