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【RFC42】ユン・ドンシクと対戦、ミノワマン 「近藤選手との試合の先に何があったかを見せたい」

Ikuhisa Minowa【写真】どこがと言わると説明できないのだが、インタビュー中も表情が良かったミノワマン (C)MMAPLANET

23日(土)、韓国チュンジュ市のセゲムスルコンウォン(世界武術公園)で行われるROAD FC42で、ミノワマンがユン・ドンシクと対戦する。

7月の近藤有己戦で足を使い続け、そのまま判定負けで敗れた試合から約3カ月。その近藤戦で掴んだ好感触、また20年振りに昼間に仕事をするようになったミノワマンの身に起こった変化とは。


――本計量、公開計量を終えて体調、そして気持ちの方はいかがでしょうか。

「普通ですね。減量はほとんどなく、通常体重のままで戦っているので。ウェルター級でも、それほど減量は厳しくないですし」

――7月の近藤有己選手との戦いから約3カ月。最後まで前に出なかったという印象が強いですが、あの試合は何が起こっていたのでしょうか。ミノワマンは、近藤戦が何を求められている試合なのか、十分に理解はしていたと思うのですが。

「そうですね。体調的に問題があったわけではなく、あの試合の課題は間合いだったんです。そこを大切にするあまり、最後までそのまま行ってしまい、お客さんや期待してくれていたファンには申し訳ない試合をしてしまいました。

ただ、自分のなかでは手応えはありました。近藤さんに対しては間合いが大切な相手ですし、ただそこに拘りが強すぎて、内容はお客さんには失礼な試合でした」

――攻撃は貰わないことは大切ですが、多少なりとも強引なミノワマンのテイクダウン狙いが判定で負けそうな時にも出なかったのは気になりました。

「もう以前のように強引に攻めていたら、勝てないです。昔の自分という意味でいえば、自分らしい試合ではなかったと思います。ただ、もうそこだけでは通用しないですし。あの試合のような戦いをするということではなく、以前より間合いを大切にする試合をやっていこうと思います。

近藤選手との試合では、攻める機会を待ち過ぎました。行き過ぎから、待ち過ぎになった形ですね。それを確認できた試合でした。あと1Rが3分というのに対応できていなかったです。もっと出ないといけない反面、下手にでることができない相手でもありました。

今、自分が求めている点が未完成で、未熟なスタイルをファンに見せてしまったということですね」

――そのような練習はどこで培っているのですか。

「今、実は昼間は働いているんです」

――えっ……。

「もう1年ぐらいリフォーム関係の仕事をやっています。リフォームといっても、多々仕事はあるのですが、経験を積むために色々なことを現場仕事でさせてもらっています」

――現場で『ミノワマンじゃないですか』ということは?

「なることもあります」

――『もっと重いモノを持てるでしょう』とか。

「そこは率先して重いモノを運ばせてもらっています。それが仕事でもあり、自分のトレーニングにもなっていますから」

――仕事をしながら、練習をする。多くの選手には普通のことですが、ミノワマンが昼に仕事を持つというのは正直、ショックです。

「今からすれば独身の時は、かなり無駄遣いをしていましたね(苦笑)。でも子供も3歳になりますし、将来のことを考えて昼間は働くことにしたんです。お金を貯めてジムをやりたいという気持ちも少しはあります。とにかく生活の土台を作るためですね。

プロだといっても格闘技の試合だけで生活している選手は本当にホンの一握り。ジムでの指導も仕事ですし、僕は今こういうことをやらせてもらっているということです」

――生活のリズムもかなり変化があったのではないですか。

「仕事をして、練習をするというのは20歳の時以来だから20年振りです。結果、早起きをするようになって健康になりました(笑)。仕事をして練習をすると、帰宅するのは夜の10時や11時ですし、もう12時には寝ています」

――いや、実は計量のときに肌艶が良い。変にマッチョじゃなくなったと感じたんです。

Minowaman「そうですかっ!? 実はもうウエイト関係は一切やっていないんです。リフォームでは解体作業で、ハンマーでブロックを壊す仕事もあって。よくタイヤを叩くトレーニングがあるじゃないですか。アレは跳ね返ってきますし、どこを叩いても大丈夫。

でも、解体作業ではここ一点というところに、しっかりと力を伝えないといけないので、まるで違ってきます。『これが本当の体の使い方なんだ。パンチと同じだ』って思うようになりました。

重いモノを持ち上げるにも、最適な距離があります。最適でないところだと無駄な力を使うことになります。これも戦いと同じです」

――他人様の持ち物を取り扱っているので、また慎重にもならないですか。

「ハイ。新築の家で持ち運びをするときに、壁に傷をつけないで運ぶことで体の使い方が分かってきました。そして、ぶつけちゃいけないってことで、精神も鍛えられます。なので僕のなかでは仕事は仕事なのですが、練習だと捉えています」

――その成果をMMA練習で感じることはありますか。

「感じています。痩せたと言われることがあるのですが、体が大きい時と比べても、筋力は落ちていないです」

――夏の現場仕事、そりゃあ絞れますね。

「着替えは1日で6、7枚必要ですね。この夏は現場に2リットルの水を2つ持っていっていました。1つは凍らせて。溶けた分を飲んで、そこにもう一本の水を注いでいく。それもなくなると、もう1本買いに行く(笑)。1日6リットル飲んでいましたね。

現場に比べると、練習はエアコンが聞いていますし。練習では2リットルぐらいですね」

――1日に8リットル、物凄く新陳代謝が上がっているのではないですか。

「今、一番動いているかもしれないです。19歳や20歳の時と同じだけ動いているので」

――では間合いを考えて、攻撃にも転じることができる。そんなミノワマンを期待しています。

「ユン・ドンシク相手ですが、自分がどう戦うことができるのか。全力でやるだけです。近藤選手との試合の先に何があったかを見せたいです。全てをぶつけます、全身全霊――それ以上のモノはないです」

■ Road FC42計量結果

<無差別級選手権試合/5分3R>
アオルコロ: 159.1キロ
増田裕介: 103.3キロ

<ミドル級/5分3R>
ミノワマン: 82.5キロ
ユン・ドンシク: 84.3キロ

<無差別級/5分3R>
キム・チャンヒ: 162.4キロ
シム・ゴンオ: 132.2キロ

<ライト級/5分2R>
シン・ドングク: 70.4キロ
SHUNYA: 70.3キロ

<バンタム級/5分3R>
ジャン・イクファン: 61.9キロ
エミール・アヴァソフ: 61.1キロ

<86キロ契約/5分3R>
キム・ウンス: 86.4キロ
マゴメッド・ムタエフ: 86.0キロ

<女子アトム級/5分2R>
パク・ジョンウン: 48.1キロ
パク・イウ: 48.2キロ

<バンタム契約/5分2R>
シン・スンミン: 61.7キロ
ホー・ジアンウェイ: 62.4キロ→61.9キロ※ファイトマネーの50パーセント没収

<フライ級/5分2R>
キム・ソンジェ: 57.5キロ
パク・スワン: 57.4キロ

<ウェルター級/5分2R>
イム・ビョンファ: 77.3キロ
イム・ヨンジェ: 75.0キロ

<ライト級/5分2R>
チョ・ヨンジュン: 70.4キロ
ジン・テホ: 70.3キロ

<バンタム級/5分2R>
バク・ジン: 61.8キロ
バク・ソンジュン: 61.8キロ

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