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【UFC215】デメトリウス・ジョンソン、アンデウソンを抜きUFC最多王座防衛記録樹立──濃厚な理由

DJ【写真】完全無欠の世界チャンピオン、デメトリウス・ジョンソン(C)Zuffa LLC/Getty Images

9日(土・現地時間)、カナダはアルバータ州エドモントンのロジャース・プレイスでUFC215「Johnson vs Borg」」が開催され、メインでUFC世界フライ級王者デメトリウス・ジョンソンが勝てばアンデウソン・シウバの記録を抜き、UFC最多記録となる11度目の防衛戦をレイ・ボーグ相手に戦う。


2012年9月にジョセフ・ベナビデスを破り初代フライ級王者となったDJは、ジョン・ドッドソン×2、ジョン・モラガ、ベナビデスとの再戦、クリス・カリアソ、アリ・バガウティノフ、堀口恭司、ヘンリー・セフード、ティム・エリオット、そしてウィルソン・ヘイスと10度の防衛を5年で積み重ねてきた。

そんな最強の王者に挑戦するレイ・ボーグはキャリア11勝2敗でUFCでは5勝2敗の戦績を残している。去年の2月にジャスティン・スコッギンスに敗れたものの、その後はルイス・スモルカ、ジュスエ・フォーミガを下し、チャレンジャーとなった。

基本はオーソでやや遠目の距離から鋭い踏み込みを持つボーグは、シングルやダブルで組み付いてからのボディロックが強いファイターだ。その踏み込みも、左の場合は一拍でパンチを打ち込むことができ、蹴りの場合は半拍子をクイックで踏む小刻みなステップを見せることもある。

この勢いある攻撃に下がると、組んでボディロックからテイクダウン。スクランブルにも強く、自らもポジションを許すことはあるが最後は優位なポジションを取るのがボーグの戦い方だ。そのスクランブルでは関節技が織り込まれておりパウンドも重い。関節技は十字、三角からオモプラッタというトランジットになりうる技を駆使しているので、最後はトップからバックを取り切ることが可能となる。この自らの戦いをスクランブルの猛者であるスモルカ、バック奪取&キープの名人フォーミガにやってのけたことからも、ボーグは十分に力のあるファイターと断言できる。

とはいっても、DJは、圧倒的に動きのキレが違う。スピードがあり、瞬発力も兼ね備えている。そして柔軟性がありコアの部分を力点だけでなく、支点として使うことで両手、両足を自在に操り、かつ力が伝達された攻撃を仕掛けることができる。その結果、DJ独有のの無いパーフェクトなMMAが可能になる。

例えばボディロックから上を取ることに長けているボーグだが、その前の動作としてシングルやダブルがあり、第一段階をクリアしても、DJを相手に2つ続けて思ったような動きを完遂させることは非常に困難だ。つまり、容易にボディロックに持ち込むことはできないことが考えられる。

ボーグはスクランブルも得意としているが、動き続けるDJは相手を抑えて、その動きを止めることに長けている。さらにいえば、流れのなかでパウンドやフロントチョーク系の仕掛けで相手を自らの望む方向に移動させることができる。ここも彼の強さの要因となっている。

なんといっても相手の意識外からの仕掛け、虚をつく攻撃をができるのがDJの最大の強味だ。倒された相手が、必死に立ち上がろうとするとすかさずバックを取るというのは当たり前で、それ以前の予備動作でワキを差す、潜るという動きを見せた相手に対し、その動きに集中させておいて、彼はわざとスペースを与えるように移動することでヒジを思い切り入れることに長けている。

スタンドのクリンチでも相手の二の腕の内側に手を置くことで、アンダーフックと打撃への動作を取らせず、そこを攻略しようとむきになるとボディに思い切りヒザを突き刺す。また相手と体が触れるぐらいの距離で、相手の体を軸として円を描くように動くことで、打撃を入れ、組んで崩す動きは誰にも真似できないDJの特徴的な芸当といえよう。

そんな虚を突く攻撃は、見える攻撃と比較して威力は絶大だ。相手の心理、体重移動を読むことに長けているとしか思えないDJの攻撃がある限り、今回のボーグ戦に限らずフライ級で危機に直面するシーンは想像しがたい。強さ過ぎるが故にフライ級の盛り上がりを欠く原因とされるほど──完璧なチャンピオン。UFC最多防衛記録の樹立は、かなり濃厚なデメトリウス・ジョンソンの防衛戦といえるだろう。

■ UFC215対戦カード

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者]レイ・ボーグ(米国)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]アマンダ・ヌネス(ブラジル)
[挑戦者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(ペルー)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー(米国)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリル・ラティフィ(スウェーデン)
タイソン・ペドロ(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス(米国)
ギルバート・メレンデス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
サラ・マクマン(米国)
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ヘンリー・セフード(米国)
ウィルソン・ヘイス(ブラジル)

<女子バンタム級/5分3R>
サラ・モラス(カナダ)
アシュリー・エヴァンズスミス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ギャビン・タッカー(カナダ)
リック・グレン(米国)

<ライト級/5分3R>
ミッチ・クラーク(カナダ)
アレックス・ホワイト(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ルイス・エンヒッキ(ブラジル)
アージャン・ブララ(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ケイジャン・ジョンソン(カナダ)
アドリアーノ・マルチンス(ブラジル)

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