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【Grachan30】阿部右京に勝利、目指すはグラチャン・ライト級王座──長岡弘樹「中年の星になりたい」

Nagaoka【写真】グラチャン初戦で勝利した長岡。キャリア58戦、25勝21敗12分という戦績を誇る。セコンドの松田真吾、石橋幸太と共に──良い笑顔(C)KAORI SUGAWARA

13日(日)、東京都大田区の大田区産業プラザPIOでGRACHAN30×One more chance『1MC vol.4』が開催された。Grachan初参戦の長岡弘樹は約9ヶ月振りの試合で阿部右京を判定3-0で下した。

試合後の控え室にて勝利をした長岡をキャッチし、グラチャン参戦に賭けた思いと、これからの目標について話を訊いた。


──お疲れ様でした。

「今回は初のグラチャンは相手の阿部右京選手も若くて実力のある選手だったんで、凄く気合いを入れて出来る限りの準備をして、試合に臨みました。初参戦でテンションが上がっている部分と、阿部右京選手からの挑発的な煽りがあったので『思いっきり殴ってやろう。舐めんなよ。コノヤロウ!!』という想いがありました」

──この試合までは一度、2月にHEATでの試合をキャンセルしています。

「そうですね。11月にパンクラスでやらせて頂いて、2月にHEATに出る予定だったんですけど、直前で怪我をしてしまい、試合をキャンセルさせて頂きました。怪我を治して新しい気持ちで今回、グラチャンに出させて頂く事になりました。

僕は37歳でベテランなんですけども、まだ上を見てやって行きたくて。今、この勢いのあるグラチャンでタイトルを獲りたいという気持ちがあります。今回、そういう強い覚悟を持って試合に臨んだのでプレッシャーもありましたし、参戦1発目で『こんなもんか』と思われたり、負けたらそのチャンスはないと思っていました。結果的に『圧倒してやる』という気持ちで戦えました」

──怪我の方は試合には影響なかったですか。

「もう、何度もやっている箇所なので上手く付き合いながら戦っています。また怪我をしたらどうしようとか、そういう怖さもありました」

──9カ月振りの試合を勝利で飾ることができました。

「これまで多くの試合をして来ているので、試合間隔が空いて動けなかったという感覚はなかったです。予想以上に阿部選手が強かったので、苦しいと思った部分もありました。でも、自分は粘り強さが売りなので、後半にかけて自分の気持ちが競り勝った。それが僕のスタイルです。

華はないかもしれないですけど、もう10年以上やってきてこれが長岡スタイルなので、そこはもうぶれずに自分を貫き通してタイトル戦を組んでもらえるように、1試合ずつ岩崎社長にアピールをして行きたいです」

──2Rは阿部選手の良い所を消していくようにも見えました。

「そうですね。正直、相手が嫌がっている所を先に動いてパンチやヒジを入れて、パウンドアウトを狙っていました。ただ、後頭部を打たないという注意もあったので、ここは打ったらいけないかなと躊躇した部分もありました。

たらればですけど、もっと行けばよかったなという思いもありますけど、阿部選手もギリギリのレフェリーに止められそうなラインで動いて逃げていました。欲を言えば、パウンドアウトをすれば、プロとして良いものになったのではないかと思っています」

──ラウンドマストでない、試合全体の判断という部分では注意することありましたか。

「全体を通しての判定と言う事以外ではユニファイドルールだったので、パンクラスでずっとやってきたし、特にないです。ヒジも今までで最も多く出せましたし。

若い子達はヒジ有りきのMMAが当然ですけど、自分はヒジなしのキャリアの方が長いんです。2013年までパンクラスではヒジがなかったので、そこから練習をして来たのですが、試合で出す機会もあまりなかった。今日は結構、効果的に出せて相手も嫌がっていたし、試合で出せたのは自信になりました。今後は押さえ込みの強さを活かしてヒジでKOを狙いたいです」

──立ち技に関しては?

「打撃も結構当たりましたし、打撃もレスリングも使って全局面で圧倒できました。今が1番強いと思っています。30代になって成績が上がっています。20代の頃出来なかった自分をコントロールすることや、相手の感情を読んで作戦を変えるなど、状況判断ができるようになりました。加えてフィジカルも今の方が絶対に20代よりは強いです」

──今夜の試合で、実感できたと。

「そうですね。でも絶対に自信のあったレスリングで阿部選手にテイクダウンされたので、『まだまだだな』と反省する点もあります。もう60戦近くやっているんですけど、何度やっても試合は思い通りにいかない。だから緊張するし、怖いです。

ただ、勝った時は最高ですね。仲間がみんな応援に来てくれているので、最高です。1試合ずつ自分なりに頑張ってグラチャンのベルトを巻いてみんなに見せてあげたい。それが僕の格闘技での目標です」

──長岡選手にとってグラチャンのタイトルの意味とは?

「岩崎社長の独特のアプローチと言いますか、常に新しい事を取り入れているし、この会場も凄く良い。30回も続いているし、パッと出来た最近の団体でもない。歴史もあって、どんどん強い選手が来たり、新しい試みもしている。そういう団体のチャンピオンになれたらと思います。そのために与えられた試合を1つずつ勝ち、結果を出していきます」

──では今後、グラチャンでどのような姿を見せていきたいですか。

「若くて華のある選手はスター性があって良いと思うんですけど、自分はそうはなれなかった。ただ、コツコツやっていれば、積み上げたスタイルで30代後半になっても、こう言う風になれるんだぜと言う中年の星になりたいです。若いスターにはなれないですけど、中年のスターになれるように頑張ります」

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