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【ONE57】無機質な眼を持ったナシューヒンと対戦、安藤晃司「ジムを開いたことがプラスになった……」

Koji Ando【写真】試合前日、覚悟を決めた安藤の言葉が聞かれた(C)MMAPLANET

5日(土・現地時間)、中国はマカオ特別行政区のコタイ・アリーナでONE57 「Kings and Conquerors」が行われる。そして、安藤晃司が昨年4月のローウェン・タイナネス戦から1年4カ月振りの実戦に挑む。

この間、自らのジム=ネバークィットをオープンし、ジム経営者となった。そんな彼は現王者にTKO勝ちをしているティモフィ・ナシューヒンと戦う。

出稽古なし、全てを自らのジム内でやり切った強豪との対戦を前に、安藤の心境を尋ねた。


――昨年4月以来、同時にジム開設もあり、ついにケージに戻る日がやってきました

「そうですね、ONEにもジム経営があるので試合はオファーから最低でも2カ月はくださいと伝えていて。去年の9月にジムを僕個人で始めて、内装の変更から看板をつけることができたのも今年になってからでした。

この1年、全て自分の責任でやってきたので急なオファーには応えることはできませんでした。だから、なかなか機会はなかったですけど、1週間前のオファーでルイス・サッポとできないとかもあって(笑)」

――1階級上だし、8週間あっても受けられないですよね(笑)。

「そうなんですよ。殺す気かって(笑)。あれだけ安全面に考慮し、計量方法も変えたのに……」

――そこまで来ると微笑ましいです。このファイトウィークの6日間はジムの方はどうしているのですか。

「少し早い盆休みにさせてもらっています。まだ、若い子に指導は代わってもらえたとしても、ジムの管理を頼める状況ではないので。何か起こった時の対応をお願いするのも無理ですからね。

でも、一歩ずつやってきて少しずつ会員の数も増えていますし。本当は、今年中は試合に出ないということも頭にあったんです。でも今回のオファーは相手がティモフィでしたし、これは若い選手たちに自分の背中を見せるのに良い機会かなって思ったんです」

――フェザー級転向に失敗した強豪選手。また安藤選手らしい嫌な相手がやってきました。

「ハイ。そこは僕も思いました(笑)。楽な相手と戦ったことはないMMAファイター人生なので。なんせ現チャンピオンのエドゥアルド・フォラヤンを失神に追い込んでいる相手ですからね。

まぁONE的にはチャンピオンのリベンジになる世界戦を望んでいるんだろうけど、そういうタフな相手ですから僕だって勝ち方次第では、また世界王座に挑戦できる。やはりONEと契約している限り、僕も目指すのはここのライト級チャンピオンですからね」

――今日、エレベーターで一緒になったのですが、黒目がビー玉のように無機質に見えました。

「人を殺めることができるような目をしていますよね(苦笑)。1RでKO勝ちも多い。殴り合うつもりはないですが、向こうの間合いに入らないと僕のパンチも当たらない。テイクダウンもできない。気持ちを強く、前に出ようと思います。

ティモフィは体が頑丈だし、全て全力。それでいてパンチも見切っている。朴光哲選手と自分はタイプは違いますが、それでも去年の試合は参考にさせてもらいました。とにかく5分×3Rを戦い抜くこと、そして最初の数分間をしっかりと戦う。我慢の展開になることもあると思いますが、冷静に戦おうと思います」

――ところで新計量方法になり、モック計量もなくなりました。

「プロとして、ああいうことはプロモーションのためにもやった方が良いと思っています。目立つ、アピールするという面でファイターが揃う機会があった方が良いですよね」

――なるほど、確かに何もないと休めますが、PR活動も大切だと。そんな安藤選手にとってジムを開いて最初の試合、このシチュエーションは人生で一度だけです。

「ある意味、ファイターとして妥協かもしれないのですが、全てをジムで調整してきました。今回の試合で出稽古はしていません。指導もやり、事務仕事も全て1人でやってきました。パーソナルも増えてきたので、週に3日ほどは午前中からジムで指導をしていました。

この間、ジムの若い子、プロ練習に来てくれるメンバーのとの練習、合間にランニングとウェイトというように100パーセント、ネバークィットでやってきたと言えます。本当に8週間、休む暇もなかった。

ファイターとして、それではダメかもしれないですが、今の僕にはやってきたことが力になっていると思います。今後も含め、覚悟をもった試合です。中途半端な相手だったら、こんな風な8週間は過ごせなかったと思います」

――気持ちのこもった試合になりそうです。

「MMA全体が若い選手が出てきた。僕はもう過去のファイターになりつつあるかもしれないです。でも、僕自身は今が全盛期だと思っているし、ジムを始めたことがMMAファイターとしてプラスになった。そういう試合にしたいです。

ジムの子たちにはナーバスになって、イライラした姿も見せてしまっていました。でも、彼らは日本で何十人と集まって、ライブストリーミングを見てくれるようです。ジムの人たち、ONEを見てくれているファンに安藤はまだまだやれるんだって思ってもらえるような戦いをします。そして、ベルトを目指します」

■ONE57対戦カード

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]アンドリュー・レオーネ(米国)

<ONE世界フライ級(※61.2キロ)王座決定戦/5分5R>
[王者]カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
[暫定王者]アドリアーノ・モライシュ(スペイン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
安藤晃司(日本)
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
ラシンダ・シン・ミーナ(インド)

<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
鈴木隼人(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エリック・ケリー(フィリピン)
朴光哲(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チャン・レイ(中国)
サイフル・メリカン(マレーシア)

<女子アトム級 (※52.2キロ)/5分3R>
リカ・イシゲ(タイ)
ジャマリー・トーレス(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
トニ・タウル(フィンランド)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エウベウ・バーンズ(ブラジル)
マゴメド・イドリソフ(ロシア)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
マルチン・プラチニオ(ポーランド)
ジルベウト・カルバォン(ブラジル)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
レオナルド・アタイジ(ブラジル)
ミカル・パスタルナック(ポーランド)

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