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【ONE56】バンタム級王座防衛戦へ、ビビアーノ・フェルナンデス「満ち足りていたら、今ここにいない」

Bibiano【写真】今年の3月で37歳になったビビアーノ。早いもので最後に日本で戦ってから4年と8カ月が過ぎた(C)MMAPLANET

5日(土・現地時間)、中国はマカオ特別行政区のコタイ・アリーナで開催されるONE56「Kings and Conquerors」で、ビビアーノ・フェルナンデスがONE世界バンタム級王座防衛戦をアンドリュー・レオーネを相手に行う。

2013年10月の王座奪取以来、今回で6度目の王座防衛戦となるビビアーノ。かつては柔術界を席巻し、日本のマットで活躍した彼も37歳を迎えた。

そんなビビアーノにレオーネ戦、新計量方法、そしてキャリアの行方を尋ねた。


――ビビアーノ、今のコンディションはいかがですか。

「グレートだよ。しっかりと試合に集中できている。彼はアメリカン・レスリングを武器に、柔術家の僕に挑もうっていうんだから気合も入るよ」

――スクランブル戦で勝つとレオーネは記者会見で言っていました。

「スクランブル戦に持ち込めるようなスペースをレオーネに与えないよ。もし、僕が彼にスペースを与えたらスクランブルゲームに持ち込まれるだろう。でも、そんな風に戦うつもりはない。まぁ、それ以前に重いパンチを打ち込んで驚かせてやるつもりだけどね。

レオーネのパンチは威力がない。だから、ああやってスクランブル戦に持ち込みたがるんだ。それにスクランブル戦になっても遅れを取ることはないし、僕にはフィニッシュというレオーネにない武器がある。

あんな風にスクランブルに自信を持っているようだけど、実際はとても荒いんだ。そして、すぐに疲れていく。対して僕のスクランブルはもっとディティールが細かい。だからこそポジションを取り切ってフィニッシュできるんだ」

――ところで昨年からONEは新しい計量方法を採用しています。バンタム級ですが、145ポンドで戦うようになり何か変化はありますか。

「う~ん、より大変になったよ。普段は68キロや69キロをキープしているけど、3日前から65キロをキープするのは楽じゃない(笑)。ただ、これまで米国人ファイターなんかは減量の幅が大きかったけど、それができなくなったのとは良いことだよ。

僕が北米で戦うなら。また61キロまで体重は落とせるよ。水抜きもするし。でも、ONEのレギュレーションでは水抜きが許されていない。これはファイターの将来にとって、非常に良いことだ。引退後のことを考えると、やはりドライアウトをして脳にダメージでも残ると辛いことになるしね。

つまりアスリートにとって、より健康が考慮された計量方法ということになる。僕にとっても良い減量になったと思うよ」

――新しい減量方法になり、試合当日のパフォーマンスに違いは感じられますか。

「凄く動けるよ。エネルギーを十分に使うことができる。以前の減量はどうしても疲労を伴うものだったから。ただね、他のプロモーションと階級名が同じで体重が違うというのは混乱を招く(笑)。また、この減量方法になって階級を上に寄せるか、下に寄せるのか。普段の体重も気にかける選手が増えたと思うよ。

僕のパフォーマンスでいえば、力やエナジーを感じられるから精神的にもより強さを維持できる。今回のタイトルマッチも絶対の自信を持っているよ」

――その自信はどこから湧いてくるのでしょうか。

「普段の練習さ。ハードトレーニングをして、自分を信じ、コーチを信じている。弱い相手なんていない。だから、自分の技術、自分のハートを信じるんだ。それが自信を与えてくれる」

――柔術で成功し、MMAでも成功し、バンクーバーにはジムもある。ビビアーノは人生に満ち足りてしまうことはないのですか。

「常に自分を律しているよ。もし、自分のやってきたことに満足していたら、今の僕はない。この会話もできない。選択肢はいつも前進すること。もし、歩みを止めるという選択があったのであれば、それはDREAMのチャンピオンになった時に下している。ジムを開き、子供たちとリラックスした時を過ごしていただろう。

でも、それはビビアーノ・フェルナンデスじゃない。アマゾン・ウォリアーは、戦い続けたから今、ここで君と話すことができているんだ。僕には戦士の血が流れているのさ。

39歳、40歳になったときに疲れを感じ、成長できないと思ったらそれは歩みを止める時かもしれない。まだ、分からない。そして、今はそんな気持ちにはなっていない」

――ビビアーノ・フェルナンデス、健在ですね。

「その通り、ところで日本の皆は元気なのかい? 日本が恋しいよ。HERO’S、DREAMがあったから僕は成功を掴むことができた。でも、DREAMが活動停止した時に日本を離れないといけなくなった。

UFCからも声が掛かったけど、それは僕の自尊心を傷つけるようなオファーだった。そしてONEが僕の自尊心を満たしてくれた。この選択は間違っていなかった。チャトリはMMA未開のアジアの国々にこのスポーツを広めている。

誰も成し遂げたことない事業を彼はやり遂げようとしているんだ。なんといっても、ONEにはくだらないトラッシュトークもないし、ファイターはマーシャルアーチストとして尊重されている」

――ビビアーノはトラッシュトークが嫌いですか。

「一人の父親として、子供たちにトラッシュトークが充満したようなコンバット・スポーツを見せたくないんだ」

――ビビアーノ、試合が近い状況でインタビューを受けてくれてありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう。いや、本当に日本が懐かしい。9月にプライベート旅行で日本へ行くんだ。楽しみでしょうがいないよ。また、日本の皆に会える機会があるかもね」

――そうなのですか。次は日本で会えますね。ところで今、日本ではRIZINがバンタム級GPを開催中ですが……。

「ヘイ、マイ・フレンド!! 僕はONEと契約中のチャンピオンなんだ。それを忘れないでくれ(笑)」

■ONE56対戦カード

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]アンドリュー・レオーネ(米国)

<ONE世界フライ級(※61.2キロ)王座決定戦/5分5R>
[王者]カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
[暫定王者]アドリアーノ・モライシュ(スペイン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
安藤晃司(日本)
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
ロブ・リシタ(豪州)

<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
ジョシュア・パシオ(フィリピン)
鈴木隼人(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エリック・ケリー(フィリピン)
朴光哲(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チャン・レイ(中国)
サイフル・メリカン(マレーシア)

<女子アトム級 (※52.2キロ)/5分3R>
リカ・イシゲ(タイ)
ジャマリー・トーレス(フィリピン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エウベウーバーンズ(ブラジル)
マゴメド・イドリソフ(ロシア)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
マルチン・プラチニオ(ポーランド)
ジルベウト・カルバォン(ブラジル)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
レオナルド・アタイジ(ブラジル)
ミカル・パスタルナック(ポーランド)

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