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【Bu et Sports de combat】ベルトレスリング&クラッシュの日本代表選手選考会が実施される

Belt wrestling & Kurash【写真】ベルトレスリングとクラッシュ、お祭り行事としてだけでなく競技として伝わる2つ伝統格闘技のトーナメントが東京で開催された (C)WATARU MIKI

5月28日(日)東京都大田区の大森学園高等学校レスリング場にて、9月17日から29日までトルクメニスタンのアシガバットで開催される第5回アジアインドア&マーシャルアーツゲームズで実施されるベルトレスリングとクラッシュの2競技の日本代表選手選考会(主催:日本ベルトレスリング連盟・日本クラッシュ協会 後援:日本レスリング協会・日本格闘技連盟)が行われた。


アジアインドア&マーシャルアーツゲームズはアジアオリンピック評議会が(OCA)が主催する大会で、今回の選考会をもって選ばれた選手は日本オリンピック委員会から日本選手団として派遣される。

ベルトレスリングはロシア及び中央アジアで盛んな帯系民族格闘技を近年競技化された。
帯を腰に巻いて投げあう民族格闘技はこの地域だけでなく、日本の相撲に代表されるように世界各地で存在し、その歴史は約4500年と言われている。

競技化されたベルトレスリングは緑と青の胴着(ズボンは白)を着用し、胸に巻いて拳2つを余した状態で結んだ赤い帯を腰に移動。右四つの状態で帯を手首に一周させて持ち合った状態で試合が始め、投げ技を使い、相手を背中から落とす競技だ。

試合場はマットで柔道と同じように、相手を浮かせ背中から投げ落とすと一本、相手が浮かない状態で背中から投げ落とすと2点、肩から落ちるなげだと1点。試合時間は5分×1Rで6点差でテクニカルフォールとなる。足を使わない「クラシックスタイル」と足を使っても良い「フリースタイル」がある。

他方、クラッシュは投げ技だけで行われる、柔道によく似たウズベキスタンの国技だ。現在では中央アジアを中心に盛んに行われており、競技人口は100万人を超え約2500年の歴史があるとされてる。

緑と青の胴着(ズボンは白)を着用し、裸足で行われる。投げ技を使い、相手を背中から落とす競技。下半身同士でコンタクトはできるが、上半身で下半身を攻撃することが禁じられている。相手を投げ、背中から落とす競技。試合場は畳が使用される。

柔道と同じように相手を投げ背中から落とすと一本、投げられた体勢により、有効、技ありがある。背中を畳に着けることが認められないため、巴投げのような捨て身技は無効で、審判のコールはウズベク語で行われる。

<ベルトレスリング>
Belt wrestling【55キロ級&65キロ級】
小泉和希(大阪商業大学)
Def.by 8-2
波多野鉄兵(関西学院大学クラブ

両階級ともに1名ずつのエントリーのため、エキシビジョンマッチが実施された。65キロ級の小泉和希が腰投げ、大内刈りなど豪快な柔道技を多用しテクニカルフォール勝ちした。その一方で、55キロ級の波多野鉄兵も体重差を感じさせないキレのある横捨て身を決め、存在感を示した。

【70キロ級決勝】
黒崎辰馬(大阪体育大学)
Def.by 7-0
大森良太(関西学院大学クラブ)

全日本レスリング選手権で入賞歴のある黒崎辰馬が、低い体勢から素早く相手の懐に潜りこみ、爆発力のある反り投げを連発。試合巧者の大森良太を圧倒した。この後行われた65キロ級の小泉を相手にエキシビジョンマッチでも難なくテクニカルフォール勝ちし、代表入りへ大きくアピールした。

【80キロ級決勝】
芳村凌(大阪商業大学)
Def.by一本
深川大輔(松舘療護園)

2競技を通して最もエントリー数が多かった80キロ級は、レスリング出身の山崎善太(関西学院大学クラブ)を内股による一本で下した芳村凌と、レスリング仕込みの豪快な投げで嶋田元紀(アカデミア・アーザ水道橋)に同じく一本勝ちしたベルトレスリングユニバーシアード代表経験もある深川大輔が決勝を争った。序盤、深川がパワフルな横捨て身で先制。このまま有利に試合を進めるかと思われたが、横に回り込んだ芳村がまたも内股一閃。逆転勝利で優勝を果たした。

<クラッシュ>
Kurash【66キロ級・73キロ級】
黒崎辰馬(大阪体育大学)
Def.by一本
小泉和希(大阪商業大学

立ち技のみの柔道といわれるクラッシュだけに、柔道出身の小泉が有利かと思われたが、黒崎はツーオンワンで小泉の肩・手首をコントロールし投げを次々に決め、最後は横捨て身で一本勝ちし応適応能力の高さを見せつけた。

【81キロ級決勝】
芳村凌(大阪商業大学)
Def.by一本
嶋田元紀(アカデミア・アーザ水道橋)

嶋田がサンボ、芳村が柔道と互いのベース競技の持ち味を存分に発揮し、投げで有効を取り合うが、最後は芳村が技あり2回の合わせ一本で81キロ級を制した。ベルトレスリングでも2勝した芳村が、代表の座を勝ち取ったか。

【81キロ級・100キロ級】
田中幸志(大阪商業大学)
Def.by優勢
芳村凌(大阪商業大学)

100キロ級が1名のみのエントリーのため、81キロ級の芳村とエキシビジョンマッチを実施。芳村がアグレッシブに攻めるが、体重差と連戦の影響もあり次第にスタミナをロス。冷静に裁き、背負い投げなどで有効を取った田中が優勢勝ちを決めた。

田中弘済・日本ベルトレスリング連盟事務局長の総評は以下の通りだ。
「エントリー数が少ないのは残念だったが、無事に日本代表選手選考会が実施できたことを大変嬉しく思う。選手は皆持ち味を発揮し頑張ってくれたが、まだまだ高いレベルにあるとは言えない。本選考会の結果・内容を考慮し日本代表選手を選考するが、選ばれた選手には9月のアジアインドア&マーシャルアーツゲームズまでにしっかりと練習を積んでもらい、今後の日本国内における両競技の発展およびPRのためにも、是非メダルを持ち帰らせたい」

文責:大森良太(民族格闘技研究所・広報担当)

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