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【ADWP2017】ワールドプロ柔術 シャオリンがケンフロに一本勝ち。アマウリ&ペジパーノが勝利!!

4月18日(現地時間・火)から22日(同・土)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのザイード・スポーツシティ内のIPICアリーナ行われたアブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2017。

今大会ではブラジリアン柔術界におけるレジェンド達による戦いも多く組まれた。レビュー第6弾はレジェンドマッチの中・重量級3試合の模様をレポートしたい。


<82キロ以下級タイトルマッチ/6分1R>
ヴィトー・シャオリン・ヒベイロ(ブラジル)
Def. by クロックチョーク
ケニー・フロリアン(米国)

試合後、すぐに座ってシッティングガードをとったシャオリンは、左上手から帯を掴んで左足で跳ね上げてのスイープに成功。ケンフロは下になりながらでラヒーバガードを作るが、シャオリンはスタンディングで強固なベースを作り、ケンフロの絡む足を押し下げてフックを解除。そのまま横にパスを仕掛ける。

懸命にハーフで足を絡めたケンフロがスクランブルを試みると、シャオリンは横からがぶるように体重をかけてクロックチョークの体勢に。するとすぐにケンフロの体から力が抜け、試合終了。きわめて精度の高いスイープ、パス、極めを流れるように連携させて圧巻の王座防衛を遂げたシャオリン。レジェンドがまったく衰えぬ力を見せつけた……というより、技の精度はむしろ増しているのではないかと思えるような強さだった。

<90キロ以下級/6分1R>
アマウリ・ビテッチ(ブラジル)
Def. by アドバンテージ 2-1
ホベルト・トラヴェン(ブラジル)

立ち技で優位とみられるビテッチは、開始後どんどん前に出て足を飛ばしてゆくが、逆にトラヴェンの方は露骨に腰を引いた姿勢で下がって回避。場外まで下がろうとするトラヴェンと、そのギを掴んで試合場に引き戻そうとするビテッチによる笑えない綱引きのような場面さえ見られた。

さらに小内や大内を仕掛けるビテッチに対し、トラヴェンは座り込んでガードに。すると次の瞬間ビテッチは凄まじいスピードで横に飛んでのパス! トラヴェンはスクランブルしてポイントは逃れたが、ビテッチにアドバンテージが与えられた。

再びスタンドの攻防に戻ると、トラヴェンはついに引き込んでクローズドガードに。その後、姿勢を正したビテッチとトラヴェンによる、お互いの手首の良い部分を握ろうと争うグリップの攻防がしばらく続き、レフェリーから降着のペナルティが与えられてもあまり事態は進展しない。

トラヴェンの弟子がダミ声で「先生、負けています! お願いですからガードを開けてください、今です!!」と悲痛な叫びを上げるが、師匠は関知せずにガードを閉じたままグリップを探り続ける。

やがてレフェリーが2度目のペナルティを予告すると、ここで動いたのは上のアマウリの方。立ち上がってトラヴェンをリフトし、そのガードを押し下げての解除を狙う。するとトラヴェンもガードを開いて、ついにその渾名の由来であるスパイダーガードへ。

しかし、ビテッチが低く座って守り、トラヴェンの右足をマットに押し付けると、また展開は止まってしまう。再びトラヴェンの弟子から「先生! ニーシールドを使ってください。お願いします!!」との声が上がるなか、動いたのはまたしてもビテッチの方。

トラヴェンの右足を超えてのパスを狙うが、トラヴェンは長い左足でビテッチを浮かせてのスイープのカウンター。重心を低くしたビテッチにそれを防がれると、残り40秒でトラヴェンは再びガードを閉じた。するとすぐさま「ガードを開けてください!」と叫ぶトラヴェンの弟子。

師匠はここもマイペースにガードをキープし、ビテッチの背中越しに帯を掴んで何やら狙う。残り時間が少なくなり、「(ビテッチは)膠着しているぞ!」という弟子のアピールが響くなか、トラヴェンは角度をつけてビテッチの左足を内側から抱えてのスイープ狙い。ビテッチは、スクワット状態でトラヴェンの巨体をリフトする対応でバランスキープ。アドバンテージ一つ差を守りきって勝利した。

展開は少なかったが、すっかりいい年をした風貌のビテッチが要所で見せた凄まじいスピードのパスや、トラヴェンを難なくリフトする怪力ぶり、見た目の悪さや弟子の叫びなどどこ吹く風とばかりに自分のやり方を貫いたトラヴェンの「らしい」戦いぶり等、味わい深い試合だった。

<重量級タイトルマッチ/6分1R>
マーシオ・ペジパーノ・クルーズ(ブラジル)
Def. by 2-0
ガブリエル・ナパォン・ゴンザーガ(ブラジル)

試合開始後すぐに引き込んだペジパーノは、ガードを開いたままゴナパォンの左手と左足を掴む得意の形を作る。この形からオモプラッタと(日本では「ホレッタ」と呼ばれる)横回転スイープのコンビネーションで攻撃するのがペジパーノのパターンだが、ナパォンは低くスクワットする形でベースを作る。

やがてクルーズの右足を抑えて座り込んだナパォンは、上半身を低くし右腕を用いてペジパーノの顔をクロスフェースで圧迫。さらに額を押し当ててプレッシャーをかけたナパォンは、右側に動いてペジパーノの足を超えてのパス狙い。それを嫌ったペジパーノが両ヒザをつくと、ナパォンはすかさず背後に回るが、ここでペジパーノは反転してハーフに戻してみせた。

さらにナパォンは絡まれた足を抜いてパスを仕掛けるも、ペジパーノもすかさずスクランブルして立ちあがる。スタンドに戻ると、再び引き込んで立ってバランスを取るナパォンの左足と左腕をグリップする得意の形を作った。

残り時間が1分半を切ると、ペジパーノは回転してオモプラッタを仕掛ける。前に崩されかけたナパォンだが、バランスを持ち直して腕を抜く。ここまででアドバンテージはナパォンが1つリードしている状況だ。残り時間わずかのところで、ペジパーノはシットアップして右手を伸ばし、ナパォンのギの背中を掴むと、一気に引き寄せて崩すとともに、自らの体の向きを変えて左手でナパォンの帯に手をかける。

帯を掴んで立ち上がったペジパーノは、ナパォンの背中にのしかかる。ナパォンは足を掴んでのたっくるテイクダウンに入ろうとするが、ペジパーノがそれを振りほどいて背中側に回ったところで試合終了。両者が離れた後、レフェリーは最後に上を取ったペジパーノに2点を宣告!! 最後にポジションをひっくり返したペジパーノが逆転で、昨年ホドリゴ・コンプリード・メディロスを倒して獲得したレジェンド重量級タイトルの防衛に成功した。

昨年の4月までUFCの第一線で戦っていたゴンザーガを制したペジパーノ。38歳にしてその独自の戦い方が、全く錆付いていないことを見事に証明してみせた。

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