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【HEAT39】ミドル級王者エンリケ・スギモトに挑戦、辰巳豪人<02>「思っていることは現実になる」

Taketo Tatsumi【写真】朴訥というか、何も意に介さずというか。独特のムードを持つ辰巳だ (C)MMAPLANET

19日(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT39で、エンリケ・スギモトの持つ総合ミドル級王座に挑戦する辰巳豪人インタビュー後編。

名古屋勢に苦戦を強いられる首都圏のミドル級ファイターたち。辰巳の練習仲間2人がHEATミドル級王座に挑み、ベルトを巻けなかった。泰然とし、自らの勝利に絶対的な自信を持つようにも見えた彼は「思っていることは現実になる」と断言した。

<辰巳豪人インタビューPart.01はコチラから>


エンリケ・スギモトは2015年3月にBellatorで活躍中の加藤久輝に殴り勝っている(C)MMAPLANET

エンリケ・スギモトは2015年3月にBellatorで活躍中の加藤久輝に殴り勝っている(C)MMAPLANET

──エンリケ・スギモト選手はパンチが当たる距離でガンガン打ち合う印象があります。

「ハイ、僕も進化したシュートボクセのような打撃だと認識しています」

──寝技に関しては?

「映像ではそれほど確認できていないので未知な部分はありますが、柔術をやり込んでいるとは思います。ただ、それがどこまでもモノなのか戦ってみないと分からないですね」

──ここを衝けばという部分はありますか。

「う~ん、僕が基本的に作戦を立てないので。どんなシチュエーショになっても、昨日今日やり始めたことではないし、自分の試合をすればどうにかなるかなと(笑)」

──打撃を支配して、組んで倒すという展開が理想でしょうか。

「それができなくて寝技に持ち込まれても戦えますし、スタンドの局面でもクリンチもあります。色々なことを考えて、いくらでもやりようはあると思っています」

──試合勘という部分で不安はないですか。

「実際にケージやリングに上がっていないので、不安がないとはいえないです。ただ、試合はもう強い方が勝つのでブランクをそれほど気にしていないですし」

──逆にこの間の成長を見せる場でもあると。

「どこが伸びたかというのは、正直ないです(苦笑)。どこかを伸ばそうという風に練習するのではなく、全体的に強くなろうとやってきたので。ただし、しっかりとミドル級の体を創り上げてはきました。

フィジカル・トレはレジェンドFCで戦っている時などは、腰が悪くて重い加重を掛けることが、ほとんどできなかったんですよ。そこがこの間は週に2回ほどですが、後輩でフィジカのトレーナーをしている人間とバディ組んで、やり込んできました」

──MMAトレはGENスポーツアカデミーでの練習が中心ですか。

「はい。今はほぼ毎日、ここでやっています。昔から同じでスパー中心で。この階級の選手が、これだけ集まる環境ですしね。オーソドックスの方が少ないという珍しい状況でもありますけど(笑)。

組みの強さは当然として、打撃が好きな三浦(広光)さんもいますし。それぞれの選手が個々の強さを持っていて総合的な練習ができています」

──練習仲間である新村優貴選手が前王者の加藤久輝に敗れ、前回の坂下選手の敗北と実は首都圏勢が名古屋勢に勝てていません。

「そこは意外というと失礼なのですが、名古屋勢のレベルが高いと思います」

──加藤選手にはフランス、スギモト選手は当然ブラジルの血が流れており、フィジカルの違いなどはあるかもしれないですが。

キャリア11戦中、5試合が海外という辰巳(C)MMAPLANET

キャリア11戦中、5試合が海外という辰巳(C)MMAPLANET

「僕はキャリア半分以上が外国人との対戦ですし、そこは気にしていないです(笑)。普段から岡見選手たちやっていますから」

──落ち着いて、自信に満ち溢れているように見えます。

「自信があるというか……思っていることは現実になるという気持ちでいます。それが節々に出てしまっているのかもしれないです(笑)。

正直なところエンリケ選手と戦うことが第一で、そこにベルトが掛かっているという気持ちだったのですが、周囲はタイトルマッチになると反応が違っていて。そういうこともあってエンリケ選手に勝つのは当然として、ベルトを獲りたいという欲も出てきました」

──良い傾向です(笑)。キャリアの序盤から海外での試合が多かった辰巳選手ですが、ここで国内のベルトを巻いて再び、外に挑戦するという気持ちは?

「海外には出たいです。特にミドル級は世界を動かしているのは海外の選手ですから。ただし今は、そこは全く考えていなくて。エンリケ選手に勝つことだけを考え、次の試合に集中しています。僕のキャリアで1年近くも1人の選手と戦うことを想定してきたことはないので」

──もうスギモト選手の動きは完全に把握していると。

「いえ、映像はあまり見ないので(笑)。デビュー戦の時に映像を見過ぎてしまい、自分のなかでイメージを固め過ぎて──結果、何もできなかった。それからは、あまり映像はチェックしなくなったんです。

試合映像は1度見れば、あとは自分のなかで組み立てていくだけです。それにエンリケ選手も1年振りの試合で、前とは違うだろうし」

──では名古屋でどのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「勝敗がハッキリ分かる試合をする。それがチャンピオンだと思います。ハッキリとした形で勝ちたいです」

■HEAT39対戦カード

<ISKA世界ライト級王座決定戦/3分5R>
皇治(日本)
モハメド・ブールフ(ベルギー)

<HEAT総合ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] エンリケ・スギモト(ブラジル)
[挑戦者] 辰巳豪人(日本)

<HEAT総合ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
アラン・ボドウ(フランス)
増田裕介(日本)

<HEAT総合ライト級T1回戦/5分3R>
岸本泰昭(日本)
トム・サントス(ブラジル)

<HEAT総合ライト級T1回戦/5分3R>
石川英司(日本)
オク・レユン(韓国)

<キック・スーパーヘビー級/3分3R+ExR>
プリンス・アリ(イラン)
笹田勝俊(日本)

<キック・スーパーヘビー級/3分3R+ExR>
トゥファン・ピラーニ(スウェーデン)
山下力也(日本)

<キック・72キロ契約/3分3R+ExR>
田中STRIKE雄基(日本)
Tomo(日本)

<キック・ライト級/3分3R+ExR>
般若HASHIMOTO(日本)
ダイスケ(日本)

<キック・女子57キロ契約/3分3R+ExR>
鈴木万李弥(日本)
キム・ヒジョン(韓国)

<総合・ストロー級/4分2R>
猪原聖太(日本)
岡部克己(日本)

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