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【UFC168】ミーシャのMMA力を寄せ付けない、ロンダの身体能力

Rousey vs Tate

【写真】ロンダの運動神経に、どれだけミーシャが抵抗できるか (C) Photo Courtesy of UFC, Special Thanx to WOWOW

28日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで開催されるUFC168「Weidman vs Silva 2」。メインイベントのUFC世界ミドル選手権試合クリス・ワイドマン×アンデウソン・シウバ戦同様に注目を集めているのが、女子世界バンタム級選手権試合=王者ロンダ・ラウジー×挑戦者ミーシャ・テイトの一戦だ。

UFC史上初となった男女混合TUF=シーズン18のコーチ対決でもある世界戦は、アンデウソン・シウバ×チェール・ソネンやジョン・ジョーンズ×ラシャド・エヴァンス戦を上回るグラッジマッチといえるだろう。2012年3月にミーシャの持つStrikeforce世界女子バンタム級王座に挑戦し、腕十字で王座奪取したロンダ。この試合前から両者はソーシャルネットワークを駆使し、舌戦を繰り返していた。

ロンダはそのままUFC初の女子世界王者に認定され、オクタゴンに女子マッチが持ちこまれると、ミーシャはTUFコーチ対決を賭けてキャット・ジンガーノと対戦。激闘の末、TKO負けを喫した。この敗北で、一度はUFC女子バンタム級戦線のストーリーラインから消えたと思われたミーシャだが、ジンガーノの負傷でTUF18コーチに抜擢されることとなった。

シーズン中、とにかくミーシャに対して憎悪といっても過言でない感情をまき散らしたロンダ。所属チームの選手の試合後に握手を求めたミーシャに対し、中指を突き立てたシーンは見る者を唖然とさせた。エキセントリックな性格にヒール的な立ち位置となったロンダは、ファン受けを考えるよりも、常に自分に正直な言動を見せ続けたといえるだろう。

ロンダの強さは、そのフィジカルの強さが根底にある。北京五輪女子柔道70キロ銅メダリストは、これまでMMAで7試合連続1R腕十字による一本勝ちを続けており、テイクダウンは柔道流、そのために首の後に腕を回すという接近戦が不可欠だ。ゆえに彼女を倒すには、そこまで打撃の展開がキーポイントとなるが、現時点で彼女のフィジカルを抑えてMMAを見せることができる対戦相手は現れていない。

MMAの完成度でいえば、ミーシャはロンダを上回るモノを持っている。打撃、MMA流テイクダウンと応用力の高さは、技の流れでいえば投げから抑え込み、腕十字というロンダのソレを上回る。ただし、先ほどから記しているようにロンダの一点突破のようなMMAを遮断することが可能なファイターは、彼女を含め出ていない。前回の対決から1年9カ月が過ぎようとしており、この間のサラ・カフマン戦、リズ・カモーシェ戦を見る限り、ロンダの戦い方に大きな変化は見られないことが予想される。

当然、戦いの幅を広げていることは間違いないが、自分の一番戦い易い流れで勝てるのだから、戦い方を変える必要もない。ロンダの違う一面が見られるとすれば、この王道スタイルをミーシャが駆逐した時となる。そんな試合ができる可能性が一番高いのもミーシャであることも間違いない。ただし、簡単ではない。シーズン中に見られたボルダリング対決、両者何の予備知識もなく用意されたコーチ対決で、ロンダの素早い判断力と軽やかな動きは、アスリートとしての資質がミーシャとは別モノであることが垣間見られたシーンだった。あの軽やか、そしてパワフルな動きこそロンダの真骨頂、アレを見せられるとUFC史上最大のラバーマッチの行方は自ずと見えてくる、か。

■ UFC168「Weidman vs. Silva 2」対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>

[王者]クリス・ワイドマン(米国)

[挑戦者]アンデウソン・シウバ(ブラジル/1位)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>

[王者]ロンダ・ラウジー(米国)

[挑戦者]ミーシャ・テイト(米国/2位)

<ヘビー級/5分3R>

ジョシュ・バーネット(米国/6位)

トラヴィス・ブラウン(米国/5位)

<ライト級/5分3R>

ジム・ミラー(米国/10位)

ファブリシオ・カモエス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>

ダスティン・ポイエー(米国/6位)

ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>

クリス・レーベン(米国)

ユライア・ホール(米国)

<ライト級/5分3R>

グレイゾン・チバウ(ブラジル)

マイケル・ジョンソン(米国)

<フェザー級/5分3R>

デニス・シヴァー(ドイツ/7位)

マニー・ガンバーリャン(米国)

<ウェルター級/5分3R>

ジョン・ハワード(米国)

シアー・バハドゥルザダ(オランダ)

<ウェルター級/5分3R>

ヴィリアム・パトリーノ(ブラジル)

ボビー・ヴォルカー(米国)

<フェザー級/5分3R>

ロビー・ペラルタ(米国)

エステファン・パーヤン(米国)

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