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【UFC168】リベンジ目指すアンデウソン、試合の入り方が重要

Anderson

【写真】試合の入り方が非常に大切になってくるアンデウソン(C)MMAPLANET

28日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで開催されるUFC168「Weidman vs Silva 2」。メインイベントは2013年のUFC33大会、全398試合のおおとりを飾る世界ミドル級選手権試合=王者クリス・ワイドマン×アンデウソン・シウバの一戦だ。

ご存じのように7月6日のUFC162でワイドマンがUFC実働7年間で16連勝、世界戦は11連勝中だった絶対王者アンデウソンを下し、王座奪取している試合の再戦となる。ワイドマンは難関・初防衛戦でリベンジマッチを受けることとなった。前回の試合ではノーガードで挑発するアンデウソンに対し、左フックを打ち込みTKO勝ちを果たしたワイドマンのフィニッシュに注目が集まったが第2戦を占う上で大切になってくるのは、それ以前の攻防だ。

開始早々にダブルレッグでテイクダウンを奪ったワイドマンは、上手くパウンドを纏めてアンデウソンを削ると、パス狙いからヒザ十字を見せた。ヒールに移行した足関節の巧みさ以上にアンデウソンのガードワークを無力化したパウンドとパスのプレッシャー、そして最初の試みでテイクダウンを奪った事実が重要になってくる。序盤の攻防に着眼点を置くと、2度目の対戦もアンデウソンにとってテイクダウンディフェンスは非常に大切になってくることは明らかだ。

第1戦前はアンデウソンのガードワークは固く、下からの仕掛けも有効と見られ、これほど寝技で圧倒されるとは予想もつかなかった。何より、アンデウソンが簡単にテイクダウンを取られることも想定外だった。アンデウソンはケージ際では四つの攻防やダブルに関しては、ヒザ蹴りと首相撲を織り交ぜて戦うことで非常に高い防御力を誇っている。加えて、オクタゴン中央でも対戦相手は打撃のプレッシャーを切り崩すことができずに、遠い距離から腕が伸び切ったような仕掛けになることがほとんどで、ここでも受けの強さを見せつけていた。

一連のチェール・ソネン戦から考察すると、アンデウソンが簡単にテイクダウンを許したケースは2種類。ソネンとの初戦のように予想外の打撃の強さに戦い方を即アレンジすることができなかったケースが第一に挙げられる。2つ目は打撃の攻防を強く意識しテイクダウンへの警戒を怠ったケース――これはソネンとの2戦目に当てはまる。対してワイドマン戦では、強いパンチも貰っておらず、ワイドマンの予想以上の打撃の巧さ、あるいは物怖じしない姿勢に虚を突かれた感が無きにしも有らずだった。要は集中力が欠けていたような印象だ。

終盤のノーガード&挑発は、自分のペースで戦うため。ワイドマンを自分に戦いに持ち込めなかったことで繰り出した動きで、決して油断がなせる行為ではなかった。本当の油断は初回、その序盤の攻防にあったと思われる。よって、この2戦目でアンデウソンが試合の入りから集中力を極限に高めた場合、あのように序盤からテイクダウンを許す展開にはならない。仮にテイクダウンを取られたとしても、もっとタイトなガードワークを仕掛けることが予想される。

アンデウソンのスタンドのプレッシャーに接近することができず、大振りのパンチで前に出るところにパンチを合わされる――そんなファイターが続出したなかで、ワイドマンは自らの間合い、タイミングで接近戦に持ち込むことができた。そこが2RTKO勝利につながったわけだが、果たして今回の試合では余裕が過信になっていないアンデウソンを相手に、同じような入り方ができるか。5Rの長丁場は試合の流れが2度、3度と変わることも大いに考えられるが、まずは最初の打撃戦、そこから続くテイクダウンの攻防で優位になった選手が、試合のイニシアチブを握ることができる。特にアンデウソンにとって、初回の攻防はゲームの流れを決める上でも非常に大切になってくる。

■ UFC168「Weidman vs. Silva 2」対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]クリス・ワイドマン(米国)
[挑戦者]アンデウソン・シウバ(ブラジル/1位)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ロンダ・ラウジー(米国)
[挑戦者]ミーシャ・テイト(米国/2位)

<ヘビー級/5分3R>
ジョシュ・バーネット(米国/6位)
トラヴィス・ブラウン(米国/5位)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国/10位)
ファブリシオ・カモエス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国/6位)
ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
クリス・レーベン(米国)
ユライア・ホール(米国)

<ライト級/5分3R>
グレイゾン・チバウ(ブラジル)
マイケル・ジョンソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
デニス・シヴァー(ドイツ/7位)
マニー・ガンバーリャン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・ハワード(米国)
シアー・バハドゥルザダ(オランダ)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィリアム・パトリーノ(ブラジル)
ボビー・ヴォルカー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ロビー・ペラルタ(米国)
エステファン・パーヤン(米国)

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