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【UFC204】圧倒的に強いか、脆いか。ゲガール・ムサシと戦うヴィトー・ベウフォートはどっちだ??

mousasi-vs-vitor【写真】マンチェスターの地で、ヴィトーはムサシを相手に強・弱、どちらの面を見せるのだろうか(C)MMAPLANET

8日(土・現地時間)、英国マンチェスターのマンチェスター・アリーナで開催されるUFC 204「Bisping vs Henderson 2」。メインの世界戦=マイケル・ビスピン×ダン・ヘンダーソンと同様にセミでもミドル級の一戦、ヴィトー・ベウフォート×ゲガール・ムサシが組まれている。


UFC初出場が1997年2月、PRIDEやその他のプロモーションを拠点にしていたこともあるが、今、オクラゴンで見られる最古参のファイターがヴィトーだ。そして、今もPPVイベントのコ・メインに出場する。キャリアの全てがタイトルコンテンダーだったと言っても過言でない39歳。

もともと風来坊的な気質の持ち主が、団体生活に馴染めないのか所属ジムを転々としてきたヴィトーは現在、フロリダ州ボカレイトンに基盤を置いて自らの名を冠にしたベウフォート・トレーニングセンターを拠点にトレーニングしている。柔術コーチはグレゴリー・ロボコップ・ホドリゲス、打撃は極真→K-1のクラウベ・フェイトーザ、タイロン・スポーン、そしてキューバ人のペドロ・ディアスが就いている。

そして、今も昔も強い時と弱い時の差が明白なヴィトーに対し、ムサシがどのように戦うのか。リーチや身長で優るムサシは基本、左ジャブを伸ばし、相手を寄せ付けないファイトから、一気に飛びこんでストレート、近距離ではアッパーを着かえて組み技の展開に持ち込む。

今回の対戦相手であるヴィトーは、サウスポーのためどのように間合いを取るのかが気になる。ヴィトーの踏み込みとパンチの回転数は非常に速い。そして、左ストレート一発でもムサシを倒す力を持っている。ジャブを打って、プレッシャーを掛けることばかりにムサシの頭が行っていると、スッと踏み込まれて一発、もしくは連打の餌食にある可能性も十分にある。

できれば左に回りつつ、ヴィトーの左の拳を正中線から外し、盛ってきたところで右ミドルで序盤にダメージを与えたい。スタミナのキレたヴィトーが、気持ちが持ち直すことは非常に難しい。直近のホナウド・ジャカレ戦もテイクダウンからガードを強いられ、エルボーで出血という中で一度はスクランブルに持ち込んでスタンドに戻ることに成功した。

にも拘わらずヴィトーはケージを背にした状態にも係わらず、自ら引き込み終焉となる幕を自ら引いている。ケージに押し込まれた状態でも、爪先は揃っていえるがカカトが上がり、腰が落とせない。つまりヴィトーはしんどい攻防ができないのではないだろうか。

良い時は良い。悪くなるとそのまま──ヴィトーの派手な勝ち負けは、この困難を避けているからのような気がしてならない。よって、ムサシがすべきは一発を貰わず組んで削る。テイクダウンを奪おうが、奪えないでいようがとにかく押し込んで倒しにかかる。そうすれば引き込んだり、足関節をなって来ることも十分あり得る。

ヴィトーが勝つには、しんどい展開に持ち込ませない。つまり一方的な自らのゲームにおいて、打撃でムサシを仕留めること。そういう戦いをUFCという世界最高峰の場で実行することの難しさは誰も理解できるだろう。ただし、そうやってヴィトーはUFCで足掛け20年も戦ってきたのだ。

■ UFC204対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] マイケル・ビスピン(英国)
[挑戦者] ダン・ヘンダーソン(米国/13位)

<ミドル級/5分3R>
ヴィトー・ベウフォート(ブラジル/5位)
ゲガール・ムサシ(オランダ/9位)

<ライトヘビー級/5分3R>
オヴァンス・サンプレー(ハイチ/5位)
ジミ・マヌワ(英国/8位)

<ヘビー級/5分3R>
ステファン・シュトルーフ(オランダ/12位)
ダニエル・オミランチョク(ポーランド/14位)

<バンタム級/5分3R>
ユーリ・アルカンタラ(ブラジル)
ブラッド・ピケット(英国)

<バンタム級/5分3R>
イアン・エンウィソル(英国)
ロブ・フォント(米国)

<バンタム級/5分3R>
ダミアン・スタシャク(ポーランド)
デイビー・グラント(英国)

<ウェルター級/5分3R>
レオン・エドワーズ(英国)
アルベルト・トメノフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ダニー・ロバーツ(英国)
マイク・ペリー(米国)

<ライト級/5分3R>
レオ・サントス(ブラジル)
アドリアーノ・マルティンス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ルカス・サエウスキ(ポーランド)
マーク・ディアキーズ(英国)

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