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【UFC203】左ミドル=腹への攻撃に活路を見出したいアリスター×遠近両用のライトハンド=ミオシッチ

ufc203【写真】距離を踏み込みが勝負のアリスター。左ミドルに気を付けたい王者ミオシッチだ(C)UFC JAPAN PR

10日(土・現地時間)にオハイオ州クリーブランドのクイックオンローンズ・アリーナで開催されるUFC203「Miocic vs Overeem」。メインはイベント名にある通り、スタイプ・ミオシッチの持つUFC世界ヘビー級王座にアリスター・オーフレイムが挑む一戦だ。


オハイオ州はミオシッチが生まれ育ち、今も住んでいる場所で会場のあるクリーブランドは彼がカレッジ生活を送っていたエリー湖畔の都市だ。5月に敵地ブラジルで、ファブリシオ・ヴェウドゥムを破り王座を奪取したミオシッチは、完全ホームで初防衛戦を迎えることとなった。

挑戦者のアリスターは、現在4連勝中でうち3試合=ステファン・シュトルーフ戦ジュニオール・ドスサントス戦、そしてアンドレイ・オルロフスキー戦でTKO、KO勝ちを収めている。ただし、今のアリスターは以前のような猛ラッシュ型のストライカーでなく、ジャクソン・ウィンクルジョンMMAで身に付けた距離とタイミングを大切にするファイターに変身している。

オーソとサウスポーを使い分け、遠い距離からローや飛び込んでのジャブで牽制。近づけば首相撲からのヒザ蹴り、そして強烈なミドルは他の追随を許さない威力を持っている。特にミオシッチのようなオーソドックスのファイターには、サウスポーからの左ミドルは勝負の流れを決めることも考えられるだろう。

気になるのは一発を貰った時。調子の良い時はフルパワー、気持ちも乗ってとてつもない強さを発揮するアリスターだが、一発被弾すると脆いという印象を常に周囲に与えてきた。その後の回復方法をジャクソン&ウィンクルジョンに学んだことで、気持ちが先に切れることは少なくなったとはいえ、オランダ流キックの癖が出てしまうのか、ガードを高く顔面を覆ってディフェンス一辺倒で凌ぐという場面もまだ見られる。

こうなると薄いMMAグローブでのブロッキングは困難で、加えて腹ががら空きで簡単にテイクダウンの餌食になってしまう。もちろん、このような展開にならないよう戦いの術を身に付けてきたアリスター。オルロフスキー戦では左の前蹴りから、そのまま左ストレートという新しい形──そしてMMAらしいフィニッシュも披露している。

対して王者ミオシッチはオーソドックスの構えから、強烈な右を持つ。記憶に新しいヴェウドゥム戦ではケージ際を回りながら右ストレートで前王者を昇天させた。実はこの直前にも、ケージ中央で左リードアッパーを見せておいてから、前に出てくるヴェウドゥムに右ストレートを見事に打ち込んでいる。

つまり誘って、打ち込むカウンターでベルトを手中に収めたことになる。このようにカウンターの一撃を持つミオシッチは、その一発が当たらなくても中間距離で殴り合いができるのが強みだ。オルロフスキー戦では近い距離で右を打ち込み、効いて下がったところで追い打ちの右ストレートを打ち抜いている。ミオシッチが打ち合いに強いのは、ハントとの一戦を見れば明らかだ。

あのハントを相手にミドルレンジの打撃戦を繰り広げられるMMAファイターがどれだけいるだろうか。生来のタフネスさは伺い知るところではないが、それを可能にしているのが、彼のヘッドムーブだ。相手を見て、しっかりと頭を動かすことでパンチを被弾することが極端に少ない。そして頭を動かすといえば、横移動だけでなく縦移動でも最大限の力を発揮している。

そうゴールデングローブの腕前を発揮し、中間距離で打ち合っている最中に今度はD-1レスラーの強味を発揮し、頭の位置を一気に下げてシングルレッグ、ダブルレッグ、そしてハイクロッチでテイクダウンをやすやすと決めてしまう。

一度倒すと、カレッジレスラーと特有のクラッチをせずにホールドできる抑え方で、パウンドを打ち込み続けるミオシッチ。この展開に持ち込まれると、アリスターは気持ちだけでなくスタミナを切らし、勝機を失っていくに違いない。

アリスターに必要なのは、やはり遠い距離の踏み込みからの一発。特に左ミドルとテンカオ風のヒザ蹴り。ミオシッチのレンジ外からの一発が悲願の王座奪取には欠かせない。

■UFC203対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] スタイプ・ミオシッチ(クロアチア)
[挑戦者] アリスター・オーフレイム(オランダ/3位)

<ヘビー級/5分3R>
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/1位)
トラヴィス・ブラウン(米国/7位)

<ウェルター級/5分3R>
CMパンク(米国)
ミッキー・ガウ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ユライア・フェイバー(米国/2位)
ジミー・リベラ(米国/13位)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル/6位)
ジョアン・カルダーウッド(英国/7位)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカ・アイ(米国/10位)
ベチ・コヘイア(ブラジル/11位)

<ライト級/5分3R>
ニック・レンツ(米国)
マイケル・マクブライド(米国)

<ミドル級/5分3R>
カイオ・マガリャエス(ブラジル)
ブラッド・タヴァレス(米国)

<フライ級/5分3R>
イアン・マッコール(米国/5位)
レイ・ボーグ(米国/14位)

<ウェルター級/5分3R>
ヤンシー・メデイロス(米国)
ショーン・スペンサー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
CB・ダラウェイ(米国)
フランシマール・バローゾ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドバー(米国)
ジェイソン・ゴンザレス(米国)

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