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【AJJC2016】ライト級出場、細川顕<01>「世界選手権出場のポイントを獲得しなければいけない」

Akira Hosokawa【写真】カルペディアム・ホープで指導する細川と杉江。その両者がムンジアルを目指し、アジアに挑む(C)MMAPLANET

10&11日(土・日)に東京都足立区の東京武道館で国際ブラジリアン柔術連盟=IBJJF主催のアジア柔術選手権2016(Asian Jiu-Jitsu Championship 2016)が開催される。

日本国内で開催される柔術トーナメントで、最もコンペティティブなアジア選手権には国内はもとより、アジア在住のブラジリアンやマリアナ諸島の柔術どころグアム、そして北米からも出場選手が集まる。

国内黒帯が勢ぞろいのライトフェザー級と並び、タフなトーナメントになることが予想されるライト級に細川顕がエントリーしている。カルペディエム・ホープの設立のより、昨年はアジアに出ることなく──またワールド・プロ出場により、盟友・杉江アマゾン大輔にムンジアル出場を譲った形となった細川は世界の最高峰での戦いを欲し、アジアに挑む。

そんな彼のアジアに掛ける意気込み、その序章をお送りしたい。


――細川選手にとって、2014年の名古屋大会以来となるアジア選手権が近づいています。

「はい。2014年はライト級の1回戦で負けてしまい、去年はエントリーしなかったので、2年ぶりのアジア選手権になります」

――なぜ去年は出場しなかったのでしょうか。

「去年は7月にジム(カルペディエム・ホープ)がオープンし、アジア選手権は9月開催だったので、とても試合に出るための練習やスケジューリングができるような状況ではなかったんです。そのため、アジア出場は見送りました」

――その後は昨年10月の五味隆典戦以来、今年7月24日に行われた全日本選手権まで、大会出場が続いています。

Hosokawa vs Gomi「そうですね。特に頻繁に試合に出始めたのは今年に入ってからです。ジムの指導をしながら、杉江さん(白木大輔)と話をして、『こういうふうに練習していこう』という方向性が固まってきて。今回のアジア選手権も、最初から年間出場スケジュールに入れていましたから」

――すると今はジムも落ち着き、しっかりと試合に向けた練習ができているということですか。

「落ち着いた……うーん、どうなったらジムが落ち着いたと見るかは、何とも言えないですね。今はまだ指導員も杉江さんと僕の2人で、指導をしながらなんとか試合に向けた練習ができる段階まで持っていくことができた、という表現のほうが正しいかもしれないです」

――そんな今年の活動ですが、4月に初開催となった国際大会、ジャパニーズ・ナショナルに出場し、ライト級で優勝しています。まず初戦の相手ジェイソン・ギャグノンはコブリーニャの黒帯で、強敵でした。

「どういう選手なのか未知数なところもあったので、警戒はしていたんですけど、過去の試合映像を見て、『なんとかなるかな』とは思っていました。でも勝ったとはいえポイントは4-2、圧倒したという内容ではなかったですね」

――細川選手がリバーサルで2Pを得て4-2と差をつけてから、逆転を狙うギャグノンの攻めは凄まじかったです。

「そこで自分も、たまたま良い形に持ち込めて凌げたのかなって思います。ああいう外国人選手が相手でもいけるんだっていう手応えは掴むことができました。あれ? オレって結構いけるじゃんっていう(笑)」

――決勝では高本裕和選手に一本勝ちし、ライト級で優勝。続いてオープンクラスも制したら、今年の世界選手権に出場するためのポイントを獲得できる、という状況でしたが……。

「はい、オープンクラスには出ませんでした。ジムに指導員は僕と杉江さんだけ。杉江さんもフェザー級で優勝し、世界選手権出場を決めていました。そこで2人とも世界選手権に行って、ジムに指導員がいないという状態にすることはできないと思ったんです。僕はワールド・プロに出ることが決まっていましたし、今年の世界選手権はいいかなと」

――ワールド・プロはジャパニーズ・ナショナルの直後に行われました。

「ジャパニーズ・ナショナルは4月16日の土曜日で、翌週の月曜日……4月18日には日本を発ち、アブダビに向かいました」

――その試合スケジュールは、試合に影響しなかったのでしょうか。

「それはないですね。最初からスケジュールは分かっていたし、そういうものだと思って出場を決めたので。試合日程や、飛行機の移動に関しては問題なかったです。強いて言えば……」

――強いて言えば?

「計量が試合の前々日だったことですね(苦笑)」

――確かに、細川選手のSNSを見ていて前々日計量であったことを知った時、私も驚きました。

「もともと前日計量と聞いていて、まさか前々日とは……。おいおい、自分はほぼナチュラルウェイトで来ているんだぞって(苦笑)。他の選手は、2日かけてリカバリーできるわけですよ。だから試合当日は『相手、デカいなぁ』と思いましたね」

――結果は1回戦で、ブラジルのカイオ・シウバに4-2で敗れました。

「でも、ここでも『意外といけるな』と感じましたね」

――というと?

「自分がバックを取れそうな場面が何度もありました。ポイントを奪うまではいかなくても、技のセットアップまではしっかりできていたんです」

――実際、試合では終盤にスイープの2Pで逆転されましたが、そこまで細川選手がアドバンテージ差で上回っていました。

「そうですね。その試合内容だったので、逆に手応えを感じることができました。シウバはそのあとの試合で、エドウィン・ナジミを結構追い詰めていましたし。ナジミって今年の世界選手権、2位ですよ」

――ナジミは今年のパン選手権優勝、世界大会では初の黒帯の部出場にも関わらず2位となっています。

「そのナジミとポイントは2-2、アドバンテージ差で負けたという内容でした。もちろんIBJJFとワールド・プロはルールも違うし、同じ対戦でもIBJJFルールでやったらどうなるか分からないですよ。計量も前々日でしたし。

でも僕にとっては、その試合を見ながら『自分がナジミと対戦しても何とかなるんじゃないか』っていう、自信になりました。その意味ではアブダビまで行った甲斐がありましたね」

――そして6月にはムンジアルが開催されました。

「……ジャパニーズ・ナショナルの時は、自分はワールド・プロに出るから世界選手権はいいや、と思ったと言ったじゃないですか。それが世界選手権の映像を見ていると――」

――違う気持ちが湧きあがってきたのですか。

「はい。やっぱり自分も行きたかったなって(苦笑)」

――カルペディエムのメンバーも多数、出場していましたし。

「そうなんです。みんな出ていたので、自分も行きたかったという気持ちが、ふつふつとわき上がってきました」

――それは、細川選手自身がムンジアルに出ていないという「悔しさ」なのでしょうか。

「いえ、悔しい……っていう感覚じゃないですね。羨ましい、自分もあの場所で戦いたい。ハッキリとそう思ったんです」

――なるほど。選手であれば、そんな気持ちを抱いて当然かもしれませんね。

「今年の世界選手権が終わり、また新しいシーズンが始まりました。世界選手権が終わってから全日本、アジアと獲っていこう。アジアでは世界選手権出場のポイントを獲得しなければいけない、と思ったんです」

<この項、続く>

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