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【Interview】堀口恭司(02) 「強くなるためなら、何だってやる」

Kyoji Horiguchi

【写真】堀口恭司、23歳。時代が新しくなったというよりも、強くなる人間は違う――と感心させられる発言が続いた(C)MMAPLANET

10月19日にUFCデビューを鮮烈なパウンドによるKOで飾った堀口恭司インタビュー後編。

UFC初陣でTKO勝ちしながら、将来を見据えて課題の克服に取り掛かる姿勢、強さを求める真摯な姿勢に耳を傾けてほしい。

<堀口恭司インタビュー、Part.01はコチラから>

――レスリングと柔術を伸ばすために、どのような工夫が必要だと考えていますか。

「グランドスラムのプロ練習に参加させてもらいたいと思っています」

――互いに将来性を買われ、ある意味、ライバルでもある田中路教選手が所属するジムでの練習となりますが。

「強くなりたいので、そういうことに拘ることはないです。強くなるためなら、どこにでも足を運びます。そして、僕を強くしてほしいです」

――8月に矢地選手のセコンドで訪れたPXCで見たカイル・アグォン。レスリングとスクランブルの強さを認めていましたが、彼が田中選手に挑戦した試合はチェックされましたか。

「見ていないです(苦笑)。自分、水垣選手の試合もそうですが、どうやって見たら良いのか分からないんです……。動画とか落ちていないと」

――なるほど(笑)。田中選手がシングルをスイッチで切り返されたり、やはりアグオン強かったです。際で取られそうになったり、一瞬は取られて、田中選手が返していくという展開が何度も見られました。セコンドの勝村(周一朗)選手も、『ポジションをキープできる選手と戦うと、あれが通用しなくなる』って課題を見つけていました。

「自分、そういう会話をしたいんですよ。どうやって、修正していくのか――とか。そういうのが、今、自分のジムにはないんです。やっぱり、KRAZY BEEは選手同士なんで、皆が皆、自分中心になってしまうんで。アドバイスはできても、指導ではない。だから、組技に関しても、僕は伸びていない。一時期、植松(直哉)さんが朴(光哲)さんとの関係で来てくれていた時期があったんですが、今は来られていないし……。

ホント、ずっと来てほしかったんです。だから、技術を教えてほしいので立川まで訪ねていって、指導してもらおうかと思っています」

――馬込から立川まで通うということですか。

「時間が勿体ないという考えもありますが、とにかく強くなりたい。そのためには何でも……、ハイ」

――技術を学びたいというのは、田中選手も立ち技に関して言っていました。スパーだけでなく打撃の技術を指導してもらいたいと。

「その通りだと思います」

――グラップリングが堀口選手の強化すべき部分であり、それは田中選手の得意分野です。田中選手の強化すべき点が打撃にあり、堀口選手の得意分野である。田中選手から打撃の練習をしたいという申し出があった場合はどうしますか。

「全然、構わないですよ。僕が役に立てるなら」

――某元UFCファイターが、堀口選手に打撃の指導を受けて、凄く分かりやすく勉強になると言っていました。

「自分の打撃のスタイルしか教えることはできないですけど、そこで何か掴んでもらえるのであれば。人それぞれスタイルっていうものがあると思うので、その人に合った動きというのは教えることはできないのですが、僕がやってきたことで何か勉強にしてもらえるなら、自分の技術を伝えることは問題ないです。それで良ければ……って思っています」

――ちなみに田中選手のことは、おかしな表現になりますが、認めているのですか。

「もちろんですよ。強いッスよ。PXCのチャンピオンですし。あの場で勝てる選手、ベルトを持っているんですから」

――でも、今年の1月にFight&Life誌の取材で、堀内選手、田中選手、佐々木憂流迦選手を一つのレポートで掲載するとき、鼻にもかけていない雰囲気がありましたが……。

「いやいやいや(苦笑)。違いますよ。アレは、ハッキリ言って憂流迦にムカついていたんです。彼はいろいろ、僕のことを言っていたから。『何だよ、コイツ』って思っていて。だから、あのときは憂流迦……佐々木選手に言いたかったことと一緒になってしまったんです。田中選手には、何もなかったです(苦笑)。

でも、もう今は佐々木選手とだって練習したいです。同じ階級であの長身で、リーチも長い。そして寝技が得意っていう選手、なかなか日本にはいないですし。でも、UFCだと佐々木選手のような体格の選手ばかりになる。ダスティン・ペイグだって、そういう選手だったじゃないですか。だから田中選手だけでなく、佐々木選手とも一緒に練習していきたいです。強くなるためなら、何だってやるんで」

――なるほど、そんな練習が実現すれば、お金を払っても見てみたいですね。ところで打撃に関しては、KRAZY BEEと栃木の一期倶楽部で二瓶弘宇先生以外に指導を受けているのでしょうか。

「ほとんど一期倶楽部です。あと、ボクシングもちょっとやっています。ウィービングしてフックとか、ペイグ戦で使ったのもボクシングの動きでした。ボクシングジムで習ったことは、二瓶先生に伝えて、そこからどう動きたいのかも報告していました。『あのフックは良かったぞ。ちゃんと体重が乗っていた』って言ってもらえました(笑)」

――二瓶先生にセコンドについてほしくは?

「先生はあれでいて、あがり症なんですよ。だから、先生があがっているのを見ると、僕も迷いが生じるので。先生もそこを分かっているんです。でも、常に見ていてくれていますから。先生が見てくれているから、負けられないっていうのが一番です」

――ところで10月の中旬から、続々と日本人選手がUFCと契約をしています。同じバンタム級でも清水俊一選手が参戦することも決りました。負けていられないですね。

「そりゃあ、負ける気はないですよ。アハハハハ。ていうか、負けないですよ。でも、急に日本人選手の契約が増えて不思議ですよね。僕は結構、時間が掛かったのに。何か傍から見ていると、パッパッパッと決まったみたいで。ちょっと納得いかないんですけど、まぁ、自分が結果を残せば良いことなので」

――修斗ではずっとリングで戦っていましたが、VTJでケージを経験しました。VTJに参戦したことは、UFCで戦うときに助けになりましたか。

「VTJで戦うときには、壁を使った練習を続けていたので、ケージに戸惑うことはなかったんです。もう、自分は練習でできていたので。それでも、リングしか経験していないよりも、VTJを経験したことでより動けたと思います」

――対戦相手もTPFバンタム級王者イアン・ラブランド、そしてキング・オブ・パンクラシスト・バンタム級王者の石渡伸太郎選手でした。あの2人と負けられない試合を経験したことも大きくなかったですか。

「負けちゃいけないのは、いつものことで、それは修斗の試合も変わりないです。どの試合だって負けちゃいけない。ただ、ラブランドのように前に出てくる選手、石渡選手に実戦でケージに押し込まれる経験をしたのはデカかったです。

あの経験があったから、押し込まれた時の対処方法も分かってきたし、前に出てくる選手にどうすればカウンターを合わせることができるのかも分かったので。自分が下がりっぱなしじゃダメだっていうのも分かって、良い経験になりました」

――そんな経験を経て上がったオクタゴン、そこから見える光景は今までのキャリアで見られたモノと違ってくるのでしょうか。

「あそこでチャンスを掴めば、そこから先が違ってくるという意味で、全然違いますね。練習に熱も入るし、ほんと内面から変わってきます。UFCで勝っていれば、これ一本で食っていけるので。MMAが仕事になったのはデカいです。やっぱりお金の心配とかしていると、集中できないですから」

――どんどんノックアウト・オブ・ザ・ナイトを獲得してください(笑)。

「そうッスね。あの大会、KOばっかりだったので……。自分は一番最初だったんで、KOしても即ボーナスが貰えるほど甘くなかったですね(笑)」

――ボーナス狙いなら、パンチで効かせたあとに絞めですよ。KOよりサブミッション・オブ・ザ・ナイトは競争率が普通は低いですから。

「なるほど。そういうこともできないと……ですね。極めを磨いていきたいですね。まずはポジションを取って殴ることが先決なんですが、そこができるようになると極めまでできる選手になりたいですね」

――では最後にUFCで勝ったあと、マッチメイカーのショーン・シェルビーから何かお褒めの言葉はもらえましたか。

「いえ、ショーン・シェルビーとは試合後は会わなかったですね」

――そうですか……。

「でも、ダナ・ホワイトに声を掛けてもらえました。『KOできる選手は好きなんだ』って言ってもらえました。嬉しかったです。自分も決めて勝ちたいんで。そういう部分で評価してもらえて良かったです」

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