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【JBJJF】第4回東日本柔術選手権、植松審判部長が語る黒帯フェザー級、KIDs & ペナルティ

Naoya Uematsu【写真】柔術、プロ柔術、MMAと審判として場数を多く踏む植松審判部長。競技執行の門番といえる存在だ (C)MMAPLANET

22日(日)、東京都台東区の台東リバーサイドスポーツセンターにおいて「第4回東日本柔術選手権&第1回東日本キッズ選手権&第5回全日本ノーギ柔術選手権」が開催される。今回は植松直哉・審判部長に大会の見所を語ってもらいつつ、審判からの視点、課題などを挙げてもらった。
Text by Takao Matsui

東日本選手権はキッズ、ノーギも含めると参加人数は300人を越える。今年はノーギのエントリー数も増えており、かなり盛り上がることになりそうだ。とくに注目を集めているのはアダルト黒帯フェザー級で江端講平、大塚博明、平尾悠人、宮本和幸の4名が優勝争いをする。植松審判部長は、彼らを次のように分析する。

「江端選手は、モダンとクラシックの両方の技術を持っており、新しいスタイルを貪欲に取り入れている印象があります。地方のハンデをネット動画などで補っているのだと思いますし、技を追及することにおいては首都圏だから有利というアドバンテージはなくなってきているように思えます。大塚選手も、クラシカルなスタイルにモダンを取り入れているイメージです。黒帯になってから国際大会に出ていないと思いますので、そろそろ本腰を入れて狙っているのではないでしょうか。

平尾選手は若さだけではなく力強さもあり、ADCC世界選手権の日本代表にもなっています。とくに競った試合に強さを発揮する選手ですね。宮本選手はフィジカルが強く、ガード中心のスタイル。地力が強いので、さらに試合をコントロールできるようになると怖い存在になりそうです」

上記の4人の中では、昨年の東日本&ノーギともにアダルト黒帯フェザー級2位に入った江端が、優勝に近い距離にいるのは間違いない。その鍵を握るのは、とくに戦術の部分だと植松審判部長は指摘する。

「柔術は、オリンピックスポーツに比べると戦術が勝敗に大きく影響する競技だと思います。特に先にポイントを取った選手が有利に働くことが多いです。例えばバスケットだと24秒以内にシュートしなければいけないとか、バレーボールならば3回以内に相手コートへ打たなければいけないとか厳しい制限がありますが、柔術は逃げ切り目的で守りに入ったとしても、ペナルティまでの時間が長い印象があります。最初にいかに点をとるか、ここが勝ち抜く上で重要になります」

地方在住の戦略家・江端が結果を残しているのは、日々の研究を怠らないからだろう。江端を中心に、誰が勝ち上がって来るのだろうか。一方で審判の視線から見ると、膠着を誘発しているか偽装攻撃(時間稼ぎ)をしているかの判断も重要になってくる。競技者、審判、観客のそれぞれの立場で温度差が生まれるのも、主にこのペナルティの部分だからだ。

「動いている、止まっているに関わらず、膠着や時間稼ぎをしていると判断されれば反則を取ることはあります。選手の深層心理までは読めませんが、関節技や絞め技で一本を取ることがゴールだとすると、そこへ向かって動いているかどうかが判断基準になります。審判団は、黒帯を取得している先生方が務めていますので、そこを共通認識としてジャッジを下しています」

柔術には引き分けは存在しないため、ルール講習会などで理解をより深めていかないと結果を残し続けるのは難しい。いかにルールを熟知しているかが、勝ち抜くために大切な要素の一つなのだろう。また今大会では、キッズの第1回大会も開催される。子どもの大会は、安全面も含めてより慎重になっているという。

「私も含めて、指導者の責任を重く感じているのがキッズの試合です。大人は問題なくても、子どもは危険なことがあります。ストップのタイミングもそうですし、勝敗ばかり気にしてしまうと燃え尽きてしまうこともあるはずです。そうした心のケアも、これからは大事なことだと考えています。父兄のみなさんには、お子さんを温かい目で見ていただき、ルールは定期的に審判講習会を行なって勉強をしている私たちに任せてほしいですね」

柔術だけではなく国内のMMAイベントでも審判も任される機会が多い植松審判部長は、常に厳格さと公平さを心がけている。日本の柔術をさらに発展させるためにも、グローバルな視点と問題提起を発信できる人材は不可欠だ。

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