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【UFC FOX19】対照的な両者、カブ・スワンソン×ハクラン・ディアス。良薬と毒は如何に配合されるか

Hacran Dias【写真】その強さが評価されないハクラン・ディアスだが、カブ・スワンソンに勝つ力は十分に持っている (C)MARCELO ALONSO/PVT

16日(土・現地時間)にフロリダ州タンパのアマリー・アリーナで開催されるUFC FOX 19「Teixeira vs Evans」。リョート・ショックが抜けきらない同大会では、マニア好みのフェザー級ランカー対決が行われる。

それがカブ・スワンソン×ハクラン・ディアスだ。リョート×ダン・ヘンダーソン戦が中止になったことでメインカード入りを果たしたこのカード。スワンソンはジョゼ・アルド政権時代のフェザー級で王座挑戦経験こそなかったが、フランキー・エドガー、チャド・メンデス、リカルド・ラマスと並び下位ランカーの上位進出を跳ね返す、フェザー級無冠の四銃士に3年半もの間君臨していた。

コーチであるグレッグ・ジャクソンが自制を促すほどアグレッシブなスタイルで人気を誇り、一時は6連勝を果たしていたこともあるスワンソン。しかし、コナー・マクレガーの台頭とともに大きな波風が見られるようになった同階級で、一昨年11月に四銃士内対決ともいえるエドガー戦で完敗。さらに昨年4月にはマックス・ホロウェイに敗れるなど、ついには若い選手に壁を崩される事態に至った。

現在のランクは6位、トップ5から陥落した事実が現在のスワンソンの状況を顕著に表している。そんなスワンソンが今大会で対戦するハクラン・ディアスはランク10位、名門ノヴァウニオン所属の31歳だ。通算戦績は23勝3敗1分、UFCでは3勝2敗の戦績を残しているが──そのスタイル故に強いインパクトを残せていない。

というのもディアスのスタイルは徹底してテイクダウンからバック奪取を狙うという、一般受けしないもの。そして、その攻防が強いというプロモーター泣かせのファイターだ。2敗の内の一つ、ラマスに判定負けを喫した一戦など、決して内容的に負けていないばかりか、テイクダウンでは優勢で打撃でもフラッシュダウンを奪っていながら、スプリットにすらならず敗れている。

攻撃の選択肢が、いかなるコンバットスポーツよりも多いMMAだが、ジャッジの判断は受験で英・数・国の配点が社会や理科より大きいのと同様に打撃が組み技を配分的に上回っている。打撃の攻防こそ五分の場合はテイクダウンで是非が問われることもあるが、テイクダウンはあくまでも尻餅をついたかどうか一瞬の攻防。打撃の手数が少なく、組み付いていくスタイルはジャッジに評価されない。加えていえば、柔術のガードワークは特待生レベルの才能を持たない限り、内心書の副教科ほどしか評価されない。

加えて書き記せば、昨年6月のレヴァン・マカシュヴィリ戦のように同じタイプのファイターの試合では、スクランブル&ケージレスリングに於いて非常に力の入った攻防が見られたが、場内は静まり返ってしまうというジレンマを抱えている。正にスワンソンと真逆のファイターであるディアス。そして、スワンソンのような動きのあるファイターの良さを消すことこそが、彼が勝利する近道となる。

【写真】連敗中のスワンソンだが、ファンの支持率は圧倒的にハクランを上回るだろう(C)GONGKAKUTOGI

【写真】連敗中のスワンソンだが、ファンの支持率は圧倒的にハクランを上回るだろう(C)GONGKAKUTOGI

つまりファイティング・エンターテイメントとして、スワンソンは良薬、ハクランは毒になるわけだが──MMAとして高レベルのファイトを提供するのは、上に記したように同じタイプのファイターをぶつけるほうが良案。毒をもって毒を制す──方が、両者にとって動きのある試合になる。

ただし、スワンソン×ディアスではどちらか一方が相手の動きを封じ込める戦いとなる。スワンソンのペースだとファンは大喜び、ディアスの試合となると観客席からブーイング、それが必然の流れとなるマッチアップだ。そして、両者の現状を考えると、ジャッジの判断はともかくとして、毒が良薬を漬ける試合になっても致し方ない。

■ UFC FOX19対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
グローバー・テイシェイラ(ブラジル/4位)
ラシャド・エヴァンス(米国/7位)

<女子ストロー級/5分3R>
ティーシャ・トーレス(米国/4位)
ローズ・ナマジュナス(米国/3位)

<ライト級/5分3R>
カビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア/2位)
ダレル・ホーチャー(米国)

<フェザー級/5分3R>
カブ・スワンソン(米国/6位)
ハクラン・ディアス(ブラジル/10位)

<ライト級/5分3R>
マイケル・キエーザ(米国/14位)
ベニール・ダリューシュ(米国/7位)

<女子バンタム級/5分3R>
ベチ・コヘイア(ブラジル/8位)
ラケル・ペニントン(米国/12位)

<ウェルター級/5分3R>
コート・マクギー(米国)
サンチアゴ・ポンジニビョ(アルゼンチン)

<バンタム級/5分3R>
ジョン・ドッドソン(米国/フライ級3位)
マニー・ガンバーリャン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ランディー・ブラウン(ジャマイカ)
マイク・グレイブス(米国)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドバー(米国)
イスラン・マカチェフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
セザール・フェレイラ(ブラジル)
オルワレ・バンボゼ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
オマリ・アクメドフ(ロシア)
エリゼウ・カポエラ(ブラジル)

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