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【Interview】流浪のフランス人ファイター、アルナウド・ルポン

2013.08.21

Lepont

【写真】欧州のある程度、年を重ねたファイターのPRIDEへの想いは非常に強い。アルナウド・ルポンもその一人だ(C)MMAPLANET

マレーシアのトップMMAジム=ムエフィット所属のフランス人ファイター、アルナウド・ルポン。インタビュー第2弾は流浪のファイターが、辿りついたマレーシアのMMA事情や将来について語ってもらった。

そして、ルポンは日本のMMAへの強い憧れを語り始めた。

<アルナウド・ルポン インタビューPart.01はコチラから>

※ここで紹介したアルナウド・ルポンが所属するムエフィットを始め、土着武術シラットなどを紹介した「Fight&Life 格闘紀行=KL、マレーシア編」が掲載されているFight&Life Vol.38は23日より全国の書店で発売となります。

――東南アジアのMMAジムといえば、イヴォルブMMAの設備、コーチ陣などは群を抜いていますが、ここムエフィットも相当な設備が整っており、マレーシアのイヴォルブMMAといえそうですね。

「イヴォルブはアジアのベストジムだよ。ベストのコーチがいて、ベストファイターが揃っている。今はイヴォルブのファイターと戦うのが僕の仕事だ。シンヤ(青木真也)には何もさせてもらえなかった。シンヤは僕にとって神様のようなファイターだ。でもエディ(アング)は違う。最後の最後、下らないミスをして敗れた。疲れて、腕を取られたけど勝てた試合だった。

次にOFCで戦う時は、イヴォルブの選手以外と戦いたい。逆にイヴォルブでは出稽古を行いたいと思っている。ファイターがより成長するには出稽古は欠かせない。イヴォルブで練習すれば、僕の打撃ももっと良くなるはずだ。ムエフィットで練習するようになって、随分とスタンドも成長したけどね。そしてグラウンドだ。イヴォルブは立ち技のジムと思われがちだけど、グラウンドが実は凄い。シンヤがいるからね」

――ところでマレーシアのMMAを巡る状況を、MMAが解禁されていないフランスからやってきたアルナウドはどのように感じていますか。

「まだまだ始まったばかりだ。どこの国でも空手、K-1、キックボクシングやムエタイ、立ち技の普及はMMAよりスピーディーだ。でも、打撃だけじゃなくて、組み技の要素も含まれているMMAは、理解されるのに時間が掛かる。マレーシアでもそうだ。可能性は十分にある。2、3年後、マレーシアのMMAがどうなっているのか楽しみにしている」

――ここムエフィットでは、フィリピン人やブラジル人と練習することも少なくないと思いますが、マレーシア人ファイターのポテンシャルをどれほどのものだと考えていますか。

「難しい質問だよ。僕はMMAを始めて14年になる。エリック・ケリー(ムエフィット所属のフィリピン人ファイター)は10年、MMAをやってきた。マレーシア人のMMA歴は本当に浅い。練習していて、寝技のポテンシャルは高いと思うよ。でも、まだまだこれからだ。芽が出るには2、3年は掛かるだろう。

皆、まだ22歳とか23歳の若い選手ばかり。僕はもう33歳だ。何だって成長するには、それなりの過程が必要だろう? 僕はもうフランスに戻ることはない。アジアで生きる。そして、マレーシア人ファイター達の成長を見守っていくことになるだろう。アジアに住んで、僕の中身は変わった。笑顔の無いフランス人のなかで暮らそうとは思わない(笑)。まぁ、僕のこの考えなんてフランス人は理解を示そうともしないだろう。僕はベトナム人の妻を持つ。思考も血もアジアのモノなんだ」

Lepont 02【写真】右の首には『家庭』というタトゥーが……(C)MMAPLANET

――なるほど。もうアルナウドの気質はアジア人のソレなのですね。ではMMAファイターとして、目標はどこに置いていますか。

「ゴール……、若い頃は持っていた。色んな選手に勝って、ナンバーワンファイターになりたかった。今はね……、ファンに喜んでほしい。それがゴールかな。OFCで戦っていても、僕はベストファイターじゃない。でも、ファンに凄く喜んでもらっているはずだ。ファンが喜んでくれる試合がしたい。タイトルを争うからシンヤと戦う機会が与えられたんじゃないことは分かっている。

ファンが喜んでくれるから、シンヤ戦が巡ってきた。OFCのファンにコーテツ・ボク、ジェンス・パルバーと僕の試合が見たいと思ってもらえる――そんなファイターでいたい。僕の試合は戦いだ。ただ、勝とうとしているんじゃない。それが僕にとってMMAなんだ。自分が練習してきたことの成果を試合に出したい。勝つだけの練習なんて、誰もしていないだろう? シンヤとの試合は、本当に素晴らしかった。ケージに入っているのに、まだ感激していたんだ。ケージのなかに入るのは、いつだって楽しい。ケージの中に足を踏み入れることが楽しくてしょうがないんだ」

――そんなアルナウドの夢、日本に来ることが試合で実現することを願っています。

「UFCは本当に大きくなった。でも、日本にはレジェンドがいる。シンヤ・アオキ、カズシ・サクラバ。何カ月か前にOFCの方からカズシ・サクラバと戦えるかもしれないという話をもらったけど、実現しなかった。サクラバと戦えると思っただけで、天にも昇りそうな気持になった。10年前、僕にとって一番大切なモノはPRIDEのDVDだったんだ。日本のMMAは僕にとって手の届かない、遥か彼方にあった。日本で戦うことは、本当に夢なんだ。一度で良いから、誰と戦っても、気が狂いそうになるくらい嬉しくなるに違いないよ(笑)」

<Bio>
Arnaud Lepont
1980年5月13日、フランス出身。
MMA戦績9勝3敗

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