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【WSOF04】エドガー+バルボーザ÷2₌モラエス対ハンプルマン

Moraes

【写真】素早いステップから繰り出される蹴り、その後のステップバックはエドガーともバルボーザとも違う、マルロン・モラエス独自のスタイルだ (C)GONGKAKUTOGI

キックボクシング界の新旧ビッグネーム、タイロン・スポーンとレイ・セフォーが出場するWSOF04「Spong vs Deanda」。10日(土・現地時間)、カリフォルニア州オンタリオのシチズンバンク・アリーナで行われる同大会では、前述したキック界の大物以外にも、JZ・カバウカンチ×タイソン・グリフィン、ジョルジ・サンチアゴ×ジェラルド・ハリスなど、日米メジャー経験者の試合もマッチアップされている。

UFCベテラン、K-1の人気者など格闘技界においてネームバリューのあるファイターの登用と同時に、WSOFが行ってきた人材の発掘&成長という部分で、一番楽しみなのがマルロン・モラエス×ブランドン・ハンプルマンのバンタム級の一戦だ。

ブラジルの国内ムエタイ王者からMMAへ転身、柔術でも茶帯のモラエスは、フロリダのジュピターに移住後、ローカル大会からROCに出場も、フェザー級王者ダヴィダス・タウロセビュチスに肩固めで敗れている。その後、バンタム級に転身し、これまで4連勝中でWSOFでは元WEC世界ミドル級王者ミゲール・トーレス、さらにはブラジルでBellator世界バンタム級王者ドゥドゥ・ダンタスを下したタイソン・ナンを僅か2分55秒でKOしている。

トーレス戦前から、ニュージャージーのヒカルド・アルメイダ柔術でもトレーニングを積むようになり、フランキー・エドガーのボクシングコーチ=マーク・ヘンリーに師事するようになったモラエス。ヘンリーとはUFCライト級戦線で、存在感を増している同朋エジソン・バルボーザもトレーニングを積んでいる。モラエスもバルボーザと同じく蹴りの使い手だが、より出入りの激しいフットワークを伝授されている。いわばエドガーとバルボーザの中間点のような出入りとパワーの入れ方、テイクダウンとの連係がモラエスの戦いでは見られる。

ローを散らして、思い切り踏み込んで近距離のハイキックという動きは、進化の一途にある現代MMAにおいても、なかなか見られない。そんなモラエスと対するハンプルマンは、これがWSOFデビュー戦となる。アイダホ州ボイジー在住のハンプルマン、MMA戦績は9勝1敗で現在6連勝中だ。KOTCでバンタム級王座を獲得しているハンプルマンは、フィジカルを全面に押し出したスタイルの持ち主。特徴は練習に吊り輪やマット運動など、コーディネーションを取り入れていることで磨かれたバランス感覚の良さだ。

フィジカルトレーニングで手にしたパワーも、MMAで使えなければ宝の持ち腐れだ。それをハンプルマンは、体操競技を取り入れることで体に馴染ませている。奪取してパンチを放っても、パンチに力が入らなければ威力は半減だ。ハンプルマンは、動き続けるなかで威力のあるパンチを打ち込むことができる。

それでも前後の動きが多い点が、モラエスとハンプルマンの違い。8の字を描くようなモラエスのステップに、ハンプルマンがどのような仕掛けを見せるか。アグレッシブさが売りのハンプルマンだけに、受動態&カウンターという対抗策のモラエスの新たな一面も見られるかもしれない。

■WSOF04対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
タイロン・スポーン(オランダ)
エンジェル・デアンダ(米国)

<ライト級/5分3R>
タイソン・グリフィン(米国)
JZ・カバウカンチ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
レイ・セフォー(ニュージーランド)
デイブ・ハッカバ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マーロン・モラエス(ブラジル)
ブランドン・ハンプルマン(米国)

<ライト級/5分3R>
キーオン・カルドウェル(米国)
ニック・ニューウェル(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジェラルド・ハリス(米国)
ジョルジ・サンチアゴ(ブラジル)

<ライト級>
アントニオ・マッキー(米国)
ルイス・ゴンザレス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
リュウ・ポリー(米国)
ハンス・ストリンガー(オランダ)

<バンタム級/5分3R>
ジャレッド・パパジアン(米国)
ジョン・ロブルス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アイザック・グティレス(米国)
ビクトー・ヴァレンズエラ(米国)

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