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【UFC163】両刃の剣対決、ジョン・リネケル×ジョゼ・マリア

2013.08.02

John Lineker

【写真】ボクシング・テクニックはまさに一級品。UFC全体を見ても、トップ5に入るかと思われるジョン・リネケル (C)MMAPLANET

3日(土・現地時間)、ブラジルはリオデジャネイロのHSBCアリーナで行われるUFC163「Aldo vs Korean Zombie」は、全12試合にブラジル人が出場する。計15名のブラジリアンファイター、プレリミとメイカードでそれぞれ2試合のブラジル人対決が組まれている。

そんなブラジリアン対決のなかで最も注目したいのが、ジョン・リネケルとジョゼ・マリアの対戦だ。王者デメトリウス・ジョンソンの絶対王者化の予兆があるフライ級で、リネケルはその強打が注目されるファイターだ。UFCデビュー戦こそ、打撃で優位に立ちながら一瞬のギロチンでルイス・ゴーディノーに敗れたものの、その後は漆谷康宏、アザマット・ガシモフを下し、2勝1敗と勝ち越している。MMA通算戦線は21勝6敗、ただし6敗中5敗はデビュー11戦目までに喫したライト&フェザー級時代のもの。

ジャングルファイトでベルトを巻いたバンタム級時代になると、UFC初戦を落とした以外、15勝1敗という圧倒的な戦績を誇っている。対するUFC初陣となるジョゼ・マリアはセン・シャンセ(Sem chance)=No Chanceの異名を取り、実に33勝3敗というレコードを持つ。年齢的に8歳年長の32歳、待望のビッグチャンスを手にしたジョゼ・マリアと、リネケルのファイトは両者にとって、両刃の剣的なファイトとなる。

近距離の打ち合いは、MMAでなくボクシングを感じさせるリネケル。石の拳の異名を持ち、パンチの回転数の早さはUFCでも随一といえる。加えて漆谷戦では、間合いをしっかりと図り、カウンター・マスター漆谷に思うような試合をさせなかった。リネケルの戦いで気になるのは、打撃からテイクダウンという流れを見せるファイターと対戦したときだ。ベースはボクシング、寝技もこなすがブラジル時代はガードを強いられる試合も多々見られた。

一方、ルタリーブリの名門ヘナヴァソン・ファイトチーム所属のジョゼ・マリアは、打撃はやや粗いが、打ち合いのなかでテイクダウンを狙っていくスタイルの持ち主。特に打ち合いのなかで、有効なテイクダウンを持っているジョゼ・マリアだが、その打ち合いに関してはリネケルに分がある。下手に接近戦で打撃戦を仕掛けると、テイクダウン狙いは逃げの組みと取られるだけでなく、打ち負ける可能性も決して低くない。

純粋にテイクダウンの攻防に関しては、守勢となるリネケル。ただし、その態勢に入るまでに関所を乗り越えないといけないジョゼ・マリア。後者が絶対に避けないといけないのは、打撃の間合いに入る前の遠い位置からテイクダウン狙いだ。そのまま潰され、引き込むようなことがあれば、まず勝ち目はなくなるだろう。

■UFC163「Aldo vs Korean Zombie」対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
ジョゼ・アルド(ブラジル/王者)
ジョン・チャンソン(韓国/5位)

<ライトヘビー級/5分3R>
リョート・マチダ(ブラジル/1位)
フィル・デイビス(米国/7位)

<ミドル級/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
チアゴ・サントス(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ターレス・レイチ(ブラジル)
トム・ワトソン(英国)

<フライ級/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル/7位)
ジョゼ・マリア(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴィニシウス・マガリャエス(ブラジル)
アンソニー・ペロシュ(豪州)

<女子バンタム級/5分3R>
アマンダ・ヌネス(ブラジル/7位)
シーラ・ガフ(ドイツ/10位)

<ウェルター級/5分3R>
セルジオ・モラエス(ブラジル)
ニール・マグニー(米国)

<フライ級/5分3R>
イアン・マッコール(米国/3位)
イリアルディ・サントス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)
ジョシュ・クロプトン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
エジナウド・オリベイラ(ブラジル)
フランシマール・バローゾ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィスカルディ・アンドレージ(ブラジル)
ブリストル・マルンデ(米国)

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