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【WSOF GC02】ギグリオに辛勝、中村優作<01>「2Rに視界が真っ白に。最後の試合になるなと……」

Yuchaku Nakamura【写真】試合後に笑顔を浮かべようとしても、どうしても笑いきれない中村。その心境を物語っているような表情だった (C)MMAPLANET

7日(日)東京都文京区TDCホールで開催されたWSOF-GC02。日本人選手の苦戦が続くなか、辛くも判定勝ちを収めた中村優作もローレンス・ギグリオの前に厳しい戦いを強いられた。

初回、早々にダウンを奪った中村だったが、ギグリオは怯まない。殴られても打ち返し、果敢にテイクダウンを狙っていく。そんな状況で中村の身に重大な危機が迫っていた。記者席や観客席では窺い知ることもできなかった事態に、中村は最後の戦いになる覚悟で最終ラウンドに挑んでいた……。

──とにかく勝利したこと、おめでとうございます。厳しい勝負でした。

「1Rの序盤は良い感じで攻めることはできたんです。ワンツーも入りましたし」

──下がりながらの右で早々にダウンを奪った時は、一気に勝負をつけることができるかなというぐらいに見えました。

「ハイ。それが、その後からいつもなら効かせることができる右が効かない。全然、相手も顔が変らないから焦ってきてしまいました。そこから練習してきたコンビネーションとか出しても、当たらないようになって……。どんどん戸惑いが大きくなってしまったんです。それでもテイクダウンもすぐに立ち上がることができたし、初回は取ったかと思いました」

──1Rは絶対的に中村選手のラウンドでした。ただし、この相手粘るなぁという印象を終盤には持つようになりました。

「戦っていて、僕もそれを感じていたのですが、2Rになると読まれてきたなって思うようになり、またいつものように前に出たいのに出られなくなっていきました。その間にパンチを被弾するようになってしまって……」

──当てているのに下がらない、動揺してしまいましたか。

「いつものようにワンツーでボディとかも入っていたんです。感触もある。でも、効いている感じがない。スパーで倒せたりしているのと同じ感触なのに──『コイツ、ボディも効かんのか』って思うようになって、力むようになってしまいました。

力まないよう心掛けたのですが、向こうが出てくると右を振り回すような感じになり修正できなくなっていったんです」

──前に出られない&振り回す。悪い中村優作が出てきたということですね。

「狙いすぎましたね。一発で効かせたいと思うようになってしまって。どんどん微妙な感じになっていきました」

──私はケージサイドでなく放送ブース前の記者席で見ていたので当たり具合は判別できないのですが、中村選手のパンチの打ち終わりにギグリオが必ず手を出し、その一発が顔面を捉える。攻撃の終わりがギグリオになるので印象点でも厳しいと感じました。

「それも分かっていました。打ってから下がる、距離を取り直すことができるのに──それができなかった。上体が悪い打ち方になっていましたね。打ってからの切り返しができていないまま戦っていました」

──どんどん、重心が前に乗りバックステップできないような打ち方になっています。

「当てたいっていう気持ちが強くなりすぎて、その辺りも疎かになってしまいました。それと2Rの途中でジャブか何か貰った時に、右目の視界が真っ白になって何も見えなくなったんです」

──えっ、そうだったのですか。

「残り1分ぐらいか、1分半の時だったと思います。網膜剥離かな──って頭に過ぎりました。インターバル中も『右目が見えていないです』ってセコンドに伝えて。その言葉を口にした時、自分のなかで『ひょっとして、この試合が俺の最後の試合になるかも。もうこれで選手生命終わりになるかもな。なら、負けてもエェから出し切ってみよう』っていう気持ちなったんです。

それで変に打ち合ったから、パンチを貰ってしまって……。あれでグラついてしまったけど、フラッシュダウンみたいな感じやったので、すぐに戻れたんです」

──いや、あの間にそれだけのことが中村選手の内面では起こっていたのですね……。

「ダウンしたことで、また距離を取って日本拳法のスタイルで行こうって切り替えることができ、そこからローが弱冠走り出しました。でも、パンチを効かされたので3Rは取られたか……、2Rは微妙やけど、これは判定でも待っていかれたかもっていう気持ちで試合後はいました」

<この項、続く>

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