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【UFC FS1 02】日沖発インタビュー(後編)「老獪さとガムシャラさ」

2013.07.03

Hatsu Hioki

【写真】グランドスラムの練習でも下になることは、当然のようにあった日沖。立つケース、写真のように田中路教に対しオモプラッタからトップを取り返すケース、そして腕十字や三角を狙う場面が見られた (C)MMAPLANET

8月28日(水・現地時間)のUFC on Fox Sport1 02「Condit vs Kampmann 2」で、ダレン・エルキンスと対戦する日沖発インタビュー。

前編ではグラウンドスラムでの出稽古を通し、ガムシャラさを思い出す――という『気付き』について日沖は語った。その極めに行く姿勢と、現代MMAの下にならないポイントメイクの狭間で、日沖は如何にダレン・エルキンスと対戦するのか。インタビュー後編では、その辺りの心境を日沖に尋ねた。

――突っ走る気持ちを取り戻そうと思うのは?

「最近、老獪さではないですけど、色々と考え過ぎていたきらいもあるので」

――米国&ブラジル勢とはパワー、フィジカルで真っ向勝負はできないので技巧、上手さを大切にしていたように感じていました。

「それは良い面も悪い面もあって、どうしても結果論になってしまいます。取りに行って疲れてしまうという失敗をしたことがあるので、そこを改善したいと思うようになる。それもキャリアの積み重ね方で、決して悪いことではないはずなんです。ただ、結果的に負けてしまうぐらいだったら、行けるところで行き切るような部分――昔のような気持ちを取り戻したいと、チョット思っています」

――近々の例でいうならば、クレイ・グイダ戦でも下からの仕掛けに躊躇があったということでしょうか。

「なんて言うんですかね……。アレなんかは、本当に立つことと下からの仕掛けのコンビネーションが上手く噛みあっていなかったですね。昔だったから、僕は立ちに行かずに極めに行っていたと思います。ただ、あの試合に向けての練習過程を振り返ると、もう少し立ちに行くこともできたと思うんです。そこの狭間というべき状態に、試合で陥ってしまいました」

――例えば最近のUFCブラジル大会など、ガードワークに持ち込むブラジルの選手が多いです。それがブラジル人同士やレスリングの強い米国人が相手なら、そうはいかないのかもしれないですが、柔術やレスリングの下地のない他の国のファイターはガードから極められる試合も少なくない。それは対戦相手が現代MMAの立つスタイルに特化した練習を行ってきて、寝技の鍛錬をしてこなかったからこそ、起こる現象なのかと思いました。

「知らなくて使えないのと、知っていて使わないのは違います。ただ、知っていてもどのように使っていくかのチョイスは非常に難しくなってきています」

――寝技を知らない、ガードからの仕掛けを知らない方が、思い切った手段を取れるということも考えられますね。

「だから選択肢が増えたことで、それで良かった面とグイダ戦のように悪い面が出てしまうことも出てきます。それこそ、下になったら終わりっていうぐらいで、立つこととテイクダウンを切ることに必死になっているファイターが多いと思いますが、その選択はその選択で良さがあります。

僕もある程度、キャリアを積んできて、色々と仕掛けること――特に練習段階では色々とやれることが増えました。結果、老獪さの方に傾いていた面もあると思います」

――UFCの戦いを考えると、立つことと極めやスイープなどガードからの仕掛けのふり幅として、下になると終るという気持ちで戦うのは、もちろん日沖選手が持ってしかりです。ただ、実際に下になっても終わらないのが日沖選手だから、結局、迷いが生じてしまうのではないでしょうか。

「そうなんですよね。だから、終わるというのはフィニッシュでなく、あくまでもラウンドを失うということなんですよ」

――あぁ、なるほど。

「極められるかどうかでなく、ラウンドを失うということで下にならないように戦っている選手が多いじゃないですか」

――極めへのトライという部分は、常に評価が低いですからね。

「だからといって、そういうことを気にして悔いが残る試合をしてもしょうがないので、行く時は行くという気持ちを持ちたいです。それに下にならずに、極めに行くというシチュエーションもあるので」

――ダレン・エルキンス戦では、そういう昔を思い出した試合になりそうですか。

「……。そうですね……」

Darren Elkins【写真】ダレン・エルキンス、1984年5月18日生まれの29歳。戦績は16勝3敗で、最近の試合ではチャド・メンデスに敗れたが、それまではUFCで5連勝していた。小見川道大、坪井淳浩、パット・カーランらに勝利している(C)GONGKAKUTOGI

――ゴング格闘技のインタビューで、格闘技本来のフィニッシュすることを優先させるのではなく、スコアリングをしてもコンペティションとしてのMMAで勝つ。どんなことをしても勝つという発言をしていたと捉えていたので、驚きました。

「どんなことをしても勝つという気持ちに、嘘はないです。ポイントメイクをした方が勝てるなら、そうします。ただ、ガンガン攻めて、結果的にポイントメイクになる。フィニッシュにいくようにガンガン動いて――とも考えています。

ただし、ガンガン動いていないポイントメイクもあるじゃないですか? ガンガン動いてもフィニッシュできない、危ないなと判断した場合、フィニッシュにいかない方向でポイントメイクをしてでも勝ちます」

――ありがとうございます。次の試合に向けて、本当に日沖選手の覚悟が伝わってくる言葉でした。

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