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【UFC96】地味強揃いの大会で、ランペイジがメインに

cff825ec3月7日(土・現地時間)、米国オハイオ州コロンバスのネイションワイドアリーナでは、UFC96「Jackson vs Jardine」が開催される。元世界ライトヘビー級王者ランペイジ・ジャクソンと、現チャンピオン=ラシャド・エヴァンスの盟友キース・ジャーディンの一戦がメインとなる同大会。コロンバスでのUFC開催は約1年ぶりとなる。

【写真】好戦績が選手の評価を高くする。大物食いを果たすことがしばしあるジャーディンは、日本では信じられないほどの認知を受けている (C)ZUFFA

常にソールドアウトが続く中西部のイベントだが、今大会のランイナップは、やや弱いという風に見られても仕方ないだろう。PPV大会で世界戦が行われないのは、昨年9月のジョージア大会(メインはチャック・リデル×エヴァンズ戦)以来となる。

逆にいえば世界戦でなくとも、メインを任されるのがライトヘビー級ということになるのかもしれない。UFC参戦以来、フォレスト・グリフィンに王座を明け渡した一戦以外はすべて勝利を収め、4勝1敗の戦績を残すランペイジ。一方、ジャーディンはUFCで6勝3敗という戦績ながら、ランペイジを下したグリフィンをTKOで破り、リデルにも勝利している。


基本はカウンター狙いのジャーディンだが、その変則的な蹴り技でランペイジを幻惑する可能性も決して低くない。ただし、ジャーディンはヴァンダレイ・シウバ戦やヒューストン・アレキサンダー戦で秒殺KO負けしているように、打たれ弱いという見方もあり、ランペイジが試合開始早々に仕掛けることも十分に考えられる。

この一戦の勝者が、エヴァンスの持つベルトに挑戦する有力コンテンダーとなることは間違いないが、一方の選手が王者のチームメイトということでも、その勝敗の行方が話題になっているメインなのだ。

この他の注目したいカードは、PPVの2試合。ライトヘビー級のマット・ハミル×マーク・ムニョス戦、そしてライト級のグレイ・メイナード×ジム・ミラー戦だ。

babead8e【写真】レスリング+パウンド、自分の展開になると圧倒的な強さを誇るムニョスだが、ハミルを相手にどこまで自分のペースで戦うことができるか (C)ZUFFA

サイレント・ファイター=ハミルは、TUFシーズン3の人気者だが、マイケル・ビスピンやリッチ・フランクリンという大物に敗れ、トップとの壁を超えることができていない。

そんなハミルが、WECから移籍してきたフィリピン系レスラーのムニョスを迎え撃つ。オールアメリカン・レスラーから、決して早くないMMA転向を二年前に果たしたムニョスとの一戦は、リストラの強風が吹き荒れるズッファにあって、ハミルの今後に影響を大きく及ぼす一戦になる。一方のムニョスにとっては、UFCデビュー戦がPPVマッチということもあり、飛躍の一戦としたいところだ。

7a53a5ef【写真】グレイ・メイナードと対戦するジム・ミラー、実兄ダン・ミラーは5月23日に岡見勇信との一戦が決定している。柔術ベースのトータルファイター兄弟だ (C)ZUFFA

恐らくはPPV第1試合となるライト級の一戦。ジム・ミラーは、東部MMA界の登竜門的な大会であるリアリティ・ファイティングとケージフューリーFCでライト級王座につき、IFLにはヘンゾ・グレイシー柔術アカデミーから出場。その後、UFCデビューを飾っており、実兄は元IFL世界ミドル級王者のダン・ミラー。柔術茶帯で、アグレッシブなオールラウンダーのジムと対するメイナードは、エクストリーム・クートゥアー所属のレスリング・ベースのファイターだ。

突出したフィジカルの強さ、抜群のトップコントロールとテイクダウン、名コーチ=ショーン・トンプキンスに学び、打撃も成長著しいメイナード。ミラーがキャリア唯一の敗北を喫しているフランク・エドガーにも勝利しており、下馬評では有利と見られている。

MMA無敗のメイナードは、終始圧倒しながら自らのテイクダウンで頭を強打し失神、対戦相手のロブ・エマーソンが脇腹の負傷で同時にタップしたことで、ノーコンテストという裁定が下った珍しいキャリアの持ち主でもある。

数字に表れるMMA戦績ではキャリア14戦のミラーが、メイナードの倍以上の経験を誇るようにも見えるが、その実、メイナードはTUFシーズン5で準決勝まで3試合の実戦をこなしており、10試合のMMA経験を持っている。

ローカル・プロモーションからの叩きあげのミラー、デビュー後から2戦でTUFを経て、UFCデビューを飾った名門の一員メイナード、技術的にも楽しみな顔合わせといえる。

■UFC96『Jackson vs Jardine』全対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
ランペイジ・ジャクソン(米国)
キース・ジャーディン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
シェーン・カーウィン(米国)
ガブリエル・ゴンザガ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ピート・セル(米国)
マット・ブラウン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マット・ハミル(米国)
マーク・ムニョス(米国)

<ライト級/5分3R>
グレイ・メイナード(米国)
ジム・ミラー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
タムダン・マックローリー(米国)
リャン・マディガン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ケンドール・グローブ(米国)
ジェイソン・デイ(カナダ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ティム・ボーテッシュ(米国)
ジェイソン・ブリッツ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ブランドン・ベラ(米国)
ミハエル・パット(米国)

<ライト級/5分3R>
アーロン・ライリー(米国)
シェーン・ネルソン(米国)

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