この星の格闘技を追いかける

【Interveiw】Bellator08フェザー級T優勝フロド・カズブラエフ

2013.06.05

Frodo Khasbulaev

【写真】後ろ回し蹴りも器用に使いこなす、フロド・カズブラエフ。次戦はパット・カーランへの挑戦か。世界戦を負傷欠場したダニエル・ストラウスの動向も気になる。

昨年来、 Bellator MMAのケージ内を席巻するロシア勢。ミドル級のアレキサンダー・シュレメンコとヘビー級のアレキサンダー・ヴォルコフが世界のベルトを巻き、アンドレイ・コレシュコフ&シャウブラッド・シャムカラエフがシーズン7のウェルター級&フェザー級トーナメントを制している。

そしてシーズン8フェザー級トーナメントで優勝したのが、フロド・カズブラエフだ。ロシア、ダゲスタン共和国出身の26歳のファイターは準決勝でマルロン・サンドロをTKOで下すなど、打撃、組み技、テイクダウンというあらゆる局面で剛の強さを見せつけている。そんなフロドの日本初となるインタビューを試みた。
Text & photo by Keith Mills & Bellator MMA

――ベラトール・シーズン8フェザー級トーナメントで優勝したフロド・カズブラエフです。

トーナメントで優勝できて、とても嬉しかったよ。そして、もの凄く達成感を得ることができた」

――これでMMA戦績21勝5敗とし、このところ9連勝中だね。

「決勝のマイク・リッチマン戦はとてもタフだった。実は1Rに足を負傷してしまい、本来戦おうと思っていた作戦を実行できなくなったんだ。仕方なしにプランBで戦ったけど、リッチマンは強かった」

――ダゲスタン共和国というのは、日本のファンにも馴染みのない国だと思うけど、フロドが3歳にときにソビエト連邦が崩壊し、ロシア共和国になり民主主義国家が生まれたんだよね。

「ソ連時代のことは覚えていないな。余りにも小さすぎて。ただ、ソ連が崩壊して暫くしてから、僕はもうトレーニングを始めていたんだ。毎日、レスリングのジムに通っていた。特に厳しい子供時代を過ごしたわけじゃないし、身内のみんなが、僕がアスリートとして生きていけるように助けてくれた」

――21勝2敗1分のシャミル・ザフロフがお兄さんだったよね。

「そうやって伝わっているようだけど、シャミルは従兄弟だよ。2歳年上で僕のコーチであり、師匠だ。いつも僕を支えてくれているし、冗談でも彼と喧嘩をしたことなんてない。僕の人生のあらゆる点で、助けてくれるんだ」

――フロドはコンバットサンボで世界王者になっているけど、僕のような米国人にはサンボってピンとこないんだよ。サンボはダゲスタンでも人気があるのかい?

「ダゲスタンで、一番人気のあるスポーツはレスリングだ。米国のフットボールのようだよ。柔道とサンボの練習をしている人もとても多い。レスリング、柔道、サンボがダゲスタンの3大スポーツだけど、レスリングが群を抜いているね。

コンバットサンボは、またスポーツサンボとも違うし。サンボジャケットを着たMMAのようなものなんだ。パウンドもあるし、サブミッションもあるから、見ていても面白い格闘技だよ。世界大会では、僕の体重は77キロだったのに82キロ級に出て優勝したんだ。勝ち抜くのは大変だった。賭けみたいモノだったけど、当時は別に平気だった。

Frodo  vs Marlon Sandro【写真】マルロン・サンドロの潜り狙いを鉄槌で切り返すフロド。組み技でもノヴァウニオンの強豪を相手に一歩も引かず、パーツ・パーツでは非常に完成度が高い。

コンバットサンボ時代に必要だった技術をMMAに生かすために、MMAの技術をたくさん学んだ。そしてレスリングをやっていた時は右手が前の構えだったけど、今は左手前の打撃でいうところのオーソドックスにスタンスも変えたんだ」

――コンバットサンボで優勝したり、ベラトールのトーナメントを制したことで、ダゲスタンでは相当な人気を誇ると聞いているけど、そこの部分は?

「1日に20人ぐらいから、一緒に写真を撮ってほしいと頼まれるよ。でも、米国と違いサインを欲しがるファンはほとんどいないんだよ(笑)」

――なるほど。最近、グレッグ・ジャクソンのところでも練習するようになったのは?

「準々決勝前はダゲスタンで準備し、3週間前にハンティントン・ビーチのHBアルティメット・ジムで調整をした。準決勝前からグレッグ・ジャクソンのところで練習させてもらったんだ。とても頼りになるスパーリング・パートナーが多いから、本当にタメになったよ」

――コンバットサンボの世界大会に勝つことと、ベラトールのトーナメントを優勝したことと、どちらが名誉なことなんだろうか。

「僕にとっては完全にベラトールだよ。ベラトールは大きくて、国際的なプロモーションだ。ファイトマネーも高い。これまで戦ってきたM-1グローバルとは規模が違う。ダゲスタンだけでなく、世界に名を広めることができる。M-1時代なんて全く無名だったけど、今は世界中から多くのメッセージを受け取ることができる。

だから、ベラトール、米国やカナダで戦うことを楽しんでいるよ。ケージで戦うのも楽しいし、凄く良い待遇をしてもらっているから、何一つ不満はない。そんな状況を与えてくれたマネージャーのアレクセイ・ジャルナコフに感謝している」

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