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【OFC09】漆谷康宏、「あれだけ下がられると当たらないです」

2013.06.02

Urushi

【写真】勝利が決定した直後、汗を拭う仕種を見せた漆谷康宏だった―― (C)MMAPLANET

5月31日(金・現地時間)にフィリピン、マニラのSMモール・オブ・エイジア・アリーナで開催されたOFC09「RISE TO POWER」で、地元フィリピンのレイ・ドーヨーゲンを破った漆谷康宏。

UFCリリース後、新天地で挙げた初勝利は予想外に距離を取られる展開のなかで、冷や汗のスプリット判定勝ちを手にした。安堵感のなかにも反省点を挙げ、次に目が向くウルシのインタビューをお届けしたい。

――勝利者コールの際は非常にヒヤヒヤした勝利でした。

「確かに、勝負云々でなく判定ではどう転ぶか分からない状況でしたね。実際、一人目がレイ・ドーヨーゲンに付けて、『エッ?』となりましたし(苦笑)」

――あの瞬間、思わず笑っていましたね。

「もう試合は終わってしまっていたし、僕の力ではどうしようもないですからね。負けたら、負けたでしょうがないし、攻め切ることができなかった自分のせいだと。アウェイなんで、そこはもうしょうがないと思っていました」

――MMAは間合いが勝負になる局面があるとはいえ、ドーヨーゲンの下がり方はその範疇を越えて逃げ続けているように思いました。

「攻撃しながら下がるのでなく、自分が出ると下がっていましたからね。下がり切って、たまにバーンと打ってくる。今のMMAの戦い方ではないですね」

――漆谷選手の攻撃には沸かなくて、ドーヨーゲンのブロックからの上に当たる蹴りに大歓声が起こる。そのような状況で、ああいうスタイルのMMAに勝つにはどうすれば良いのかという部分で、ある意味興味深い試合でした。

「北米MMAで勝つという範疇は越えていますよね。ただ、序盤のハイキックは防御の上からでも少し入りましたね。ヤバいと思いました。それ以外の当たった攻撃も効いたというモノはなかったです。

ジャッジがどう見るかよりも、戦っていてイライラしてしまった方が強いです。自分の攻撃もあれだけ下がられると当たらないですし」

――漆谷選手が、手を振り回して前に出ていく姿はこれまで見たことが無かったです。

「ああしないと、手が無かったです(苦笑)」

――その中で見えた課題というのはありますか。

「テイクダウンですね。ああいう相手にしっかりとポイントとなる攻撃を仕掛けることができていれば、あれだけ下がられることもなかったでしょうし。そこが納得できていないです。

Urishi vs Ray【写真】サウスポー×オーソドックスという点を踏まえて、ケージ中央から仕掛けるニータップのようなテイクダウンを漆谷が身につければ、強力な武器になるだろう(C)MMAPLANET

打撃戦のなかでも、テイクダウンを入れていこうという気持ちだったんです。一度トライして、上手くいかなかったので打撃戦に切り替えてしまったのですが、もっとしつこくやるべきでした。際のヒジとかも、もっとやりたいことがあった試合でした」

――そこが執拗にできなかったというのは?

「半年振りの試合、そして2連敗中という状況ですかね……。後がなかったんで。だからこそ、反省すべき点が多いです」

――先ほど、今のMMAでないという言葉が出たのですが、OFCのフライ級を見るとドーヨーゲンの同門ゲヘ・エウスタキーオ、彼を破ったアンドリュー・レオーネ、そしてイヴォルブMMAのアレックス・シウバと北米MMA流ではないファイターが多いです。

「それはあると思います。自分の戦い方を変えていく必要があるのかもしれないです」

――漆谷選手も狙っていたサッカーボールキックですが、PRIDE時代と違いスクランブル全盛期で、立ち上がることを前提としている選手が、まだピンピンしている時に有効なのかと、試合を見て思ったのですが。

「ソレ、僕も思いました。サッカーボールキックは狙っていたので、練習もしていたんです。長南(亮)との打ち込みの時から、蹴ろうとすると距離ができるので、ガードされて立ち上がられることが続きました。なら、倒したときはしっかりと抑え込んでポイントを取る。サッカーボールキックはダメージを与えたり、疲れた後ですね、使うとすれば。ビックヒットを最初に狙っても、当たらないです」

――その辺りのことも、戦ってみて、そして戦うことを想定して練習してこそ、見えてくるんですね。

「だからさっきも言ったようにUFCで勝つMMAと、OFCで勝つMMAは変わってくるかもしれないですね。ここで戦っていくから、アレンジすべきでしょうが、OFCもレベルが上がってくると、UFCで勝つスタイルが必要になることが絶対に出てくると思うんです。だから、北米で勝つ練習は続けていくべきだと思います」

――今後ですが、今回のフライ級2試合の結果を踏まえると、ゲヘに勝ったレオーネ、柔術家のシウバ、そして2月にドーヨーゲンに勝ったBJ選手が対戦相手候補になると思われます。

「僕は8月も戦いたいんです。でも、BJは……。レオーネはバックをずっと取っていた選手ですよね。距離を取っているところから、詰めて組んで削っていく。結構、面白い試合ができるんじゃないですかね。控え室が同じだったんですが、正直、打撃は全然だったんです。実際に試合でも、打撃は効かされていたし。テイクダウンも勢いでなく、レスリング系のテクニシャンなので、自分としては戦いやすいです」

――ともあれ、次戦に繋がる新天地での一勝、おめでとうございました。

「ギリギリでしたけどね(笑)。良かったです。今回の反省点を次回に生かしたいです」

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