この星の格闘技を追いかける

【on this day in】10月12日──2012年

12 10 12【写真】センスの塊、センス以外の部分を磨く時間は少なくなっている(C)MMAPLANET

Mikihito Yamagami
@埼玉県富士見市、総合格闘技道場STF
「『格闘技には全く興味がなくて、19歳にSTFに入ったのも体が動かしたかっただけで』。ごくごく普通に丁寧な受け答えをしている青年の様子を見て、『アッ、この子はモテるな。友達多くて、大人との接し方を皮膚感覚で理解している。でも、違う一面があるな』と感じた。そんな彼の様子を横で眺めている師匠に関しては『このオッサン、喰えないな』と直感した(笑)。3年前の今日──まだ3年だけど、もう3年というのが実感だ──山上幹臣と初めて話した。PRIDE時代からPRIDE以外の格闘技を伝える、国内より海外で稼げる時代が来る、結論がUFCだったため、国内の関係者から誹りを受けるほど北米をプッシュした。そして、この8カ月前にズッファ体制のUFCが日本大会を開き、雑誌で世界の最高峰を押すという自分の役割は終えたと思った。だから──これからはその場に行く選手を推す。最高峰は若い記者が追えば良い、と。まぁ、色んな事情もあって北米押しの時のように自分の仕事を全うできていないけど、そういう気持ちで今もいる。で、山上だ。日本MMA界のトップの海外流出が圧倒的な質量を誇る様になり、空席を埋めるようになった若い世代のことを自分は見て来なかった。だから、この取材の2週間ほど前にしっかりと打撃が使える彼の試合を見て、驚いた。インタビューをしたいと心の底から思った。格闘技を知らなかった山上は、頂の高さも分かっていなかった。その鼻っ柱の強さが、記者心をくすぐった。そして、格闘技の本当のしんどさと楽しさを知ってほしいと思った。この日、『27歳までにUFCに行けなかったら辞めようと思っています』と言っていた山上は、もう28歳になった。格闘技のしんどさは味わった。そして、実生活との狭間にいる。彼を支える、そして彼にとって最も大切な人の想いを鑑みることなく、本当に失礼を承知でコイツにだけは言いたい。本当のしんどさを知ったのだから、一回でも本当に格闘技やってきて良かったと思う経験、最後に──(最後でなくてもエェけど)、経験してほしい。せめて、経験しようとトライしようやって」

on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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