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【ADCC2015】無差別級決勝進出はシモエス破ったカラザンスとホドウフォ下したジョアオ・ホシャ

Joao Gabriel Rocha【写真】無差別級本命と思われた怪物ホドウフォを準決勝でジョアオ・ガブリエル・ホシャが破った (C)GLEIDSON VENGA

8月29日(土・現地時間)から30日(日・同)にかけて、ブラジル・サンパウロにてアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション選手権が行われた。2年に1度、世界最高峰の組業師たちを集めて行われるこの大会。今年もグラップラーの祭典と呼ぶに相応しい強豪たちが集まった。実質上ギ無しグラップリングの世界最強決定戦といえるこの大会、今回は無差別級準決勝2試合の模様を紹介したい。

Claudio Calasans<無差別級準決勝/10分1R 延長5分×2R>
クラウジオ・カラザンス
Def. レフェリー判定
ユーリ・シモエス

階級別ではキーナン・コーネリアスの巧みなポイント稼ぎに敗退した、今年の世界柔術ミドル級王者のカラザンス。無差別級の1回戦では、やはり世界柔術の最重量級王者であるガブリエル・ルーカスをレフェリー判定で下すと、準々決勝でも1回戦、ゲイリー・トノンの足関節を裁いて引き込みのマイナスポイント差で勝ち上がったヴィニー・マガリャエスにレフェリー判定勝ちして準決勝に勝ち上がった。このルールでは、最重量級の世界の強豪に対して、互角以上に渡り合える立ち技の力が活きている。

対するは、上述のコーネリアスを倒して88キロ以下級を見事に制覇したユーリ・シモエス。無差別級1回戦で日本のシュレックこと関根秀樹をレフェリー判定で下すと、2回戦ではあえて下を選んだディーン・リスターの足関節を上から封じて勝ち上がってきた。

試合は、レスリングを得意とする両者だけにスタンドの攻防が続き、延長へ。カラザンスのタックルをがぶったシモエスが逆にカウンターのダブルレッグを仕掛けて倒すが、カラザンスは強烈なスクランブル力をもってすぐに立ち上がる。試合終了寸前、カラザンスはシモエスのタックルに合わせ、スタンディングの10フィンガーギロチンに。自らの腹にシモエスの頭に自らの腹を当てる形で絞め上げるカラザンスに対し、シモエスとしてはここで引き込んだらマイナスポイントが付いてなってしまうだけに、自ら寝て脱出を試みることができない。結局このギロチンが抜けない状態のまま試合終了。

両者ともに勝利をアピールするなかでのレフェリー判定は、最後に印象点を稼いだカラザンスに。88キロ以下級の優勝者を倒したことで、階級別の雪辱を果たしたことになった。なおカラザンスは、1回戦のルーカス戦でもスタンディング10フィンガーギロチンを有効に使ってレフェリーの印象を稼いでおり、立ちレスリング力、スクランブル力、ギロチンという独特の武器の組み合わせが、このADCCルールで勝つために有効であることを示したと言えるだろう。

<無差別級準決勝/10分1R 延長5分×2R>
ジョアオ・ガブリエル・ホシャ
Def. 2-0
ホドウフォ・ヴィエイラ

最重量級で決勝を争った二人が出場しないということもあり、この無差別級で大本命と思われた99キロ以下級優勝者のホドウフォ・ヴィエイラ。予想通りの強さを発揮し、1回戦はベンソン・ヘンダーソン相手に普段は見せないディープハーフガードからのスイープなどを決め、最後はクルスフィックスから三角、そのままキムラという連携で一本勝ち。準々決勝ではラファエル・ロバト・ジュニアからテイクダウンとマウントを奪って完勝、準決勝では、練習仲間のジョアオ・ガブリエル・ホシャとの一戦に臨んだ。

ホシャの方は前回大会の最重量級準優勝、今年の世界柔術でもスーパーヘビー級準優勝の実績を持ち、今大会の最重量級でも優勝候補と見られていたが、準決勝でジャレド・ドップに敗れている。ちなみに両者は13年の世界柔術の無差別級でも対戦し、ヴィエイラが腕十字で一本勝ちしているが、今回は──。

開始後しばらくして引き込んだホシャは、必殺の低いプレッシャーパスを仕掛けようとするヴィエイラに対し、長い手足を利して距離を取り、またベリンボロ系の技で回転バックを狙うなど、ヴィエイラをなかなか中にはいらせない。そしてそのうち素早いベリンボロからヴィエイラの背中に回ることに成功。立ち上がったヴィエイラを崩してグラウンドに持ち込んで上を奪い、なんと2点を先制してみせた。下になったヴィエイラはハーフからの各種のスイープを狙ってゆくが、体格に勝るホシャは長い手足を使ってバランスを保ち、崩れない。結局ホシャが上のポジションをキープしたまま、試合終了。大本命と見られたヴィエイラが、まさかの敗退となった。

シンプルにして最強、ヴィエイラの世界一のプレッシャーパスを、モダン柔術の代名詞技、ベリンボロによるカウンターで切り返してのホシャの見事な勝利。柔術技術の進化は、当然のように重量級の戦いも変えている。

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