【RFC11】久米に望まれるナム・ウィチョル戦の秘策は、薄塩戦法
【写真】7カ月間のトーナメント、この間の成長が問われるライト級王座決定戦。要注目の久米鷹介×ナム・ウィチョルの一戦だ(C)MMAPLANET
13日（土・現地時間）にいよいよ開催が迫ってきたROAD FC11。ソウルのオリンピック・ホールで開催される同大会のメインは、RFCライト級T決勝＝ライト級王座決定戦、ナム・ウィチョル×久米鷹介の一戦だ。
昨年9月に準々決勝、11月に準決勝が行われてから、ややスパンが空いた形になったトーナメント・ファイナルがついに行われる。ナム・ウィチョルは韓国ライト級ナンバーワンファイターで、久米は修斗&パンクラスでキャリアを重ね、ドメスティック・ビッグイベント出場組のなかでLFCを主戦場としている安藤晃司と並ぶ実力の持ち主と目されている。
久米も安藤も国内ではなく、アジア経由でメジャーリーグ出場を果たすことを目標としており、国内でのビッグネームとの対戦がないだけに、負ければ終り――に近い厳しいアジアの環境で結果を残してきた。久米は名古屋のALIVE所属、言わずと知れた日沖発の後輩で、最近の日本人の風潮では珍しいハイバーリカバリーを行なう大型のライト級選手だ。
昨年4月の米国修行の際は、フランキー・エドガーのボクシングコーチであるマーク・ヘンリーが彼のボクシング技術を絶賛し、エドガーのキャンプに来られないかと声を掛けたほどの腕前の持ち主。加えてテイクダウンからトップという攻めばかりから、ラバーガードからのリバーサルも得意としているオールラウンダーだ。
キャリア15勝1敗4分の戦績を残す久米は、過去9試合で連続一本勝ちをしている。一方、ナム・ウィチョルは久米と数字を並び替えたような14勝4敗1分というレコードの持ち主で、韓国人相手には無敗。Bellator MMAシーズン7ライト級ウィナーのデイブ・ジャンセン、LFC時代のエイドリアン・パン、ジャダンバ・ナラントンガラグらに敗北を喫しているが、ハクラン・ディアズに勝利したこともあり、間違いなくアジアのライト級トップファイターの一人といえる。
ナム・ウィチョルは自らよりフィジカルの優れたファイターに遅れを取る傾向にあったが、準決勝のヴィシール・コロッサ戦を見る限り、その辺りの課題は十分に克服しつつある。打撃にいった場合は腰が軽くなることもあるが、際の攻防で最後は上を取るしぶとさが強みといえる。久米としては序盤のラッシュでペースを乱されないことが、何よりも大切になってくる。ラッシュを見究め、パンチを見せておいてテイクダウンから、トップコントロールという展開に持ち込めば、試合は久米のペースになる。
ただし、グラウンドに持ち込んだとしても、立ち力に優れているナム・ウィチョルのこと。一度や二度はスタンドに戻られることを想定し、焦りは禁物で戦いたい。さらに周囲や外野は連続一本勝ちを話題にしがちだが、一本勝ちは削った上の結果でしかない。まずは削ること。いわゆる塩漬けファイトはRFCではブレイクが入りやすいが、倒して抑え込む展開を続けることで勝機は広がってくる。重要なのはテイクダウン後に無暗に動かず、ナム・ウィチョルの動きに反応してパウンドやサブミッションにつなげる――ぐらいの気持ちで戦うこと。いわば薄塩戦法と呼ぶべきくらいのスタイルで、大一番に臨んでほしいものだ。
■RFC11対戦カード
＜RFCライト級T決勝／5分3R＞
ナム・ウィチョル（韓国）
久米鷹介（日本）
＜フェザー級／5分3R＞
ヨアキム・ハンセン（ノルウェー）
ソ・ドゥウォン（韓国）
＜ライトヘビー級／5分3R＞
ティエリー・ソクジュ（カメルーン）
ウィ・スンベ（韓国）
＜ミドル級／5分3R＞
ミノワマン（日本）
ソン・ヘソク（韓国）
＜ウェルター級／5分3R＞
ルイス・ラモス（ブラジル）
チャ・ジョンファン（韓国）
＜ライト級／5分3R＞
ムラット・ハズガン（トルコ）
イ・ヒョンソク（韓国）
■Young Guns07対戦カード
＜RFCバンタム級T準決勝／5分3R＞
第5試合の勝者
第4試合の勝者
＜RFCバンタム級T準決勝／5分3R＞
第3試合の勝者
第2試合の勝者
＜RFCバンタム級T準々決勝／5分3R＞
イ・ユンジュン（韓国）
キム・ホジュン（韓国）
＜RFCバンタム級T準々決勝／5分3R＞
アラン・ヨシヒロ（日本）
ソン・ミンジョン（韓国）
＜RFCバンタム級T準々決勝／5分3R＞
クァク・ミョンシク（韓国）
ホン・ジュンギ（韓国）
＜RFCバンタム級T準々決勝／5分2R＞
佐藤将光（日本）
ムン・ジェフン（韓国）
＜RFCバンタム級T補欠戦／5分2R＞
イ・ギルウ（韓国）
キム・ソンジェ（韓国）
