この星の格闘技を追いかける

【on this day in】8月06日──2005年

06 08 05【写真】トタン屋根&扇風機、体感気温は40度以上、練習を見ているだけにフラフラし、実際に足を挫いたのがモンテイロ・あかでみーだった(C)MMAPLANET

Monteiro Academy
@ブラジル・アマゾナス州マナウス、モンテイロ・アカデミー
「暑い、この4日間ほどでもう何度『異常だ』という言葉を口にしたか……。そんな暑い夏といえば、これも10年前のブラジルを思い出さずにはいられない。8月のブラジルは冬だ。現にクリチバなどは、厚手のフリースを持っていった覚えがある。そのクリチバからブラジリア経由で下り立ったマナウスでは、猛暑という言葉すらなまっちょろく感じられるほどのモーレツな日差しが空港を出た直後から脳天を突き刺してきた。気温38度、乾期だというのに湿度は80パーセント以上、そんなマナウスで訪れたASLE、パウロ・コエーリョ、モンテイロ、ノヴァウニオン・マナウスという錚々たる柔術アカデミーは全て冷房など完備されていなかった。初日の夜に訪れたASLE。まるでサウナのようなアカデミー内で練習が始まると、エゲツナイ熱気に包まれ、おそらくは水道水、あるいは井戸水から汲んできたと思われる――コップに注がれた生ぬるい水でノドを潤してしまった。『もう、どうにでもなれ』、『腹を下すことを請わっていると、生き残れない』なんて本気で想い、冷静な判断などできなくなるほど、マナウスの柔術アカデミーは暑かった。『リオで口にできないほど味の強いアサイやガラナ、そして巨大魚ピラクルーを食べるぞッ!!』などと意気込んでいた黒い目をしたサムライもどきは、結局チャイニーズ・レストランに入り、卵スープを口にしただけでマナウス初日を終えた。翌日からは幾分と持ち直すことはできたが、あんな過酷な環境でトレーニングを続けられただけでも、ホナウド・ジャカレ、ビビアーノ・フェルナンデスに代表されるアマゾンのファイターには天賦の才が備わっているのだと思うしかなかった。ブラジル北部のファイターたちの強さの源をフラフラになって知ることができたアマゾンの3日間だった」

on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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