この星の格闘技を追いかける

【WJJC 2015】世界柔術決勝リポート<04>ミドル級=カラザンス優勝、Mヘビー級優勝でロは3階級制覇

Lo【写真】怪物ロ。薬物検査の結果、あるいはアンチドーピング路線にはないADCCの影響を受けて虫食い状態の中重量級で強さを見せつけた(C)MMAPLANET

5月28日(木・現地時間)より31日(日・同)にて、カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア州立大ロングビーチ校内ピラミッドで、IBJJF主催World Jiu-Jitsu Championship=世界柔術選手権が行われた。今年の競技柔術世界一を決めるこの大会、第4 回はミドル級&ミディアムヘビー決勝の模様を振り返りたい。

Middle Final<ミドル級決勝/10分1R>
クラウジオ・カラザンス(ブラジル/アトス)
Def. by 8-2
ヴィトー・オリヴェイラ(ブラジル/GFチーム)

前年度覇者レアンドロ・ロが階級を上げたことにより、混戦模様となったこの階級。本命は前回準優勝のオターヴィオ・ソウザと、先月のアブダビ・ワールド・プロにてキーナン・コーネリアスを倒してロとも紙一重の勝負を繰り広げるなど、本年度絶好調のヴィクトー・エスティマのバッハ・コンビかと思われた。

しかし、蓋を開けてみれば準決勝でソウザはヴィトー・オリヴェイラの背負い投げでポイントを奪われ、またエスティマはカラザンスに競り負けて両者とも3位に甘んじることに。決勝はオリヴェイラとカラザンス、どちらが勝っても初優勝の両者によって争われた。

柔道ベースの立ち技の強さに定評のある両者が足を飛ばし合うが、序盤にカラザンスが跳び付き三角一閃。オリヴェリラは慌てず体重をかけて頭を抜くが、カラザンスは下から50/50を作ることに成功し、さっそくスイープを決めて2点先制してみせた。

ここから試合は50/50が抜けないまま、重厚な(言い換えれば動きに乏しい)シーソー戦が続いてゆく。残り2分半、カラザンスが上になり6-4でリードしている時点でレフェリーが試合を止める。両者に3度目のペナルティかと思いきや、ペナルティを受けたのはオリヴェイラのみ。これで8-4と差が開き、オリヴェイラはシーソーで最後に上になっても勝てない状況に追い込まれてしまった。

終盤になって、試合はスタンドに戻ることに。オリヴェイラは必死に足を飛ばして攻めてゆくが、幼少時から柔道を経験しているカラザンスは崩れない。世界一への望みを賭けて、最後に引き込んでの攻撃を試みたオリヴェイラだったが、カラザンスはこれも完封。念願の初の世界王者に輝いたのだった。

Mid Heavy Final<ミディアムヘビー級決勝/10分1R>
レアンドロ・ロ(ブラジル/シセロ・コスタ)
Def. by 7-0
タルシス・フンフェリーズ(ブラジル/アリアンシ)

12年にライト級、13&14年はミドル級を制したロが、今年はさらに階級を上げて登場。順当に決勝まで勝ち上がった。対するは2010年の世界王者にして、久々に世界の頂点の争いに加わって来たベテランのタルシス・フンフェリーズだ。

引き込んだロは、片襟片袖ガードから、フンフェリーズの両足カカトを掴んで後ろに倒して先制。クローズドガードを開いた瞬間に仕掛けるクラシカルな技術を、現代柔術に見事に応用してみせた。下になったフンフェリーズはロのラペルを引き出してワームガードを作るが、このガードの対策は昨年キーナン・コーネリアスとの一連の戦いでお手のもののロは、意に介さずプレッシャーをかけ、やがて掴まれているラペルを押し下げて足を抜き解除に成功する。

その後もハンフェリーズはラペルを取るが、ロは気にせず左右に煽ってパスガードに成功。サイドを取られてもラペルにこだわり離さないフンフェリーズに対して、さらにロはニーインザベリーを決めて点差を広げた。残り3分のところでやっとラペルのグリップを離して下のポジションから脱出したフンフェリーズだが、時すでに遅し。その後はロが引き込んで鉄壁のオープンガードで最後までポイントを許さずに勝利した。

これでロは世界4連覇にして3階級制覇。昨年この階級を制したフィリッピ・ペナが禁止薬物使用で出場停止、準優勝のアンドレ・ガウヴァオンも8月のADCCを念頭に置いて欠場という状況では頭二つ抜けていたようだ。果たして来年はこの階級でこれらの強豪と戦うのか、あるいはさらに階級を上げて4階級制覇を狙うのか、注目される。また、ベテランのフンフェリーズの復帰と活躍は喜ばしい限りだが、この決勝戦に関しては最新技術にこだわったことで勝機を小さくしてしまったという印象が残った。

PR
PR

関連記事

Arzalet

Road FC43

Movie