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【Metamoris06】試合直後のジョシュとヒーロンの言葉 「戦いの目的は……」×「ロールしたい」

Metamoris06【写真】従来のコメンテイターのケニー・フロリアンがUFC豪州大会の解説のため、バス・ルッテンがその代役の座に収まり、解説とインタビューを行った (C)SCOTT HIRANO/METAMORIS

9日(土・現地時間)、カリフォルニア州ロサンゼルスで行われたMetamoris06。そのメインでヒーロン・グレイシーが、ジョシュ・バーネットのアンクルロックの前にタップ負けを喫した。

ジョシュの削る抑え込みと、一見受け身でいながら相手を動かしていたヒーロン。しかし、護身の権化といわれも過言でないヒーロンは、足首固めで速攻タップという印象を見る者に残した。その直後に行われた勝者と敗者のインタビューをここに再録したい。

与えて試合を振り返るような時間の猶予がないなかで、彼らがこの敗北についてどのように応えたのか。明らかにミスマッチなインタビュアー、バス・ルッテンのコメントも含め、世紀の組み技対の後に見られた──噛み合っているようで噛み合っていないのか──表裏一体なのか、トークもキャッチと護身だった両者のやり取りは以下の通りだ。

ルッテン ジョシュ、いい試合だったね。今日のゲームプランは? 圧力をかけて呼吸させなくするつもりだったのかい?

ジョシュ もちろんゲームプランはあったけど、一番大切なのは相手のことを見極めることさ。ヒーロンは僕とスタンドで戦った。賞賛に値するよ。今日の試合でアクションが起きたのは、彼がただ座り込んだからじゃなく、僕が色々としなくてはならないような状況を彼が作ったからだよ。僕と押し合ったり、足払いを狙ったりしてね。僕とレスリングで渡り合ったんだ。感謝するよ。

ルッテン トップを取った君は、上から攻めていたがそのうち足狙いに行ったね。その理由は?

ジョシュ チャンスが来たからだよ。パンクラスドージョーでキャッチ(レスリング)の練習をすれば、僕らが他の大部分の選手たちとは違った足関節へのアプローチがあるのが分かるだろう。それだけでなく、エリック・パーソンやマット・ヒュームからも僕は教わっているんだ。でもね、断じて簡単に取るチャンスがもらえたってことじゃないよ。ヒーロンは文字通りのグレイシー柔術の子供だ。それは全ての局面で感じたよ。彼の計算し尽くされた攻撃や防御や仕掛けをね。ヒーロンは本物さ。それほどの相手を軽視するなんてことはできないよ、絶対にね。

ルッテン 本当に素晴らしい試合で王座を守ったね。

ジョシュ この試合はタイトルマッチではなかったけどね。

ルッテン あぁ、それでも……×○▼◇●

ジョシュ でも、とにかくヒーロンは賞賛されるべきだ。こうしてこの舞台で戦ったんだから。多くのヘビー級の選手たちが『ノー、やりたくない』って僕との試合を拒んだんだ。トップの選手たちが、だ。そんな中でヒーロンだけが『よし、僕がやる』って言ったんだ。でも僕はそれに驚いたりはしなかったよ。ヒーロンはそういう男だからね。

ルッテン(両者の傍に歩み寄ってきたヒーロンに対し)こうして試合したのは、やっぱりグレイシーのDNAがそれを求めたからかい?

ヒーロン 戦わない理由がないのさ。みんな僕のことは知っているだろう。僕はいつも学びたいんだよ。今日ジョシュが僕に極めたトーホールド。次は僕は極められたりしないさ。 いや、あと3回くらい極められてしまうかも知れない。でも4度目は極められない。いずれ僕は逃げ方を見つけ出す。そうしたらジョシュも戦い方を変えざるを得なくなるはずさ。実際に体で試してリサーチするんだ。それこそが、マイ・グランドファーザーのエリオ・グレイシーが僕らに教えてくれたことさ。相手と戦えば、学べるってね。

祖父はこんなことも言ったんだ。『誰かにプライベートレッスンをする時は、逆にこっちがお金を払うべきかもしれない。教えたりロールする(「ゴロゴロ転がる」=寝技のスパーリングをする)ことで、本当に多くのことを学べるからだ』ってね。今日の試合は最高のレッスンだった。めったにない経験だよ。相手が僕をあんなふうにコントロールできて、リバースマウンドから僕の体に両足を巻き付けて(そして極めた)。僕はいま、こういう攻撃の存在と威力を知ることができたんだ」

ルッテン ならば将来の再戦という可能性もあるかもしれないね。君に2カ月のトレーニング期間があったらどうなるか。

ヒーロン 僕には、ロールしたくない人間なんて存在しないんだ。誰とでもロールするよ。ただ問題は、このメタモリスでも他のどのイベントでも、4分とか6分とか同じ体勢で動かない試合もあるってことさ。ギを掴んでいたりしてね。もちろん僕もしばらくジョシュの下になっていたけど、少なくともジョシュは常に攻撃態勢にあった。それは、どちらの選手も攻撃態勢にいないまま時間が過ぎてゆくのとは違う。ああいうのは良くないね」

ルッテン 素晴らしい試合だったよ。

ジョシュ 相手から一本を取る気がないなら『なんで試合に出て来るんだ』ってことだよ。特にこのメタモリスの舞台でね。相手を抑えつけて動かないとか。まあそれで2点とか4点とかもらえるのかもしれないし、IBJJFならそれで勝てるのかも知れないけど、そんなのはシットだ。この戦いの目的はポイントを取ることじゃなくて、この場に上がって自分を試して、相手から一本をとることさ。

ヒーロン この戦いは勝ち負け以上のものなんだよ。

ジョシュ そうだね。

ヒーロン 僕らは、世界中の人々のために戦っているんだ。人々の模範として『お、ロールしたいのかい? じゃあやろうぜ!』って態度を見せるためにね。相手が黒帯だろうが、重たかろうが、痩せていようが、背が高かろうが関係ないのさ。僕は1年前から、ジョシュとロールしたかったんだ。僕の道場だろうと彼の道場だろうとね。ジョシュの試合を見て、この男とロールしたいと思っていたんだよ!!

ルッテン オランダでも言うんだよ、『狙って撃たなければ、決して当たることはない』ってね。2 人とも、素晴らしい試合だった。

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