この星の格闘技を追いかける

【on this day in】2月25日──2012年

25 02 12【写真】土曜日の夕方、2月のさいたまスーパーアリーナの公開計量にどれだけ人が来るのか──楽観視の『ら』の字も僕のなかにはなかった(C)MMAPLANET

UFC144 Public Weigh-in
@埼玉県さいたま市、さいたまスーパーアリーナ
「この前夜、今やすっかり有名人になったアリエル・ヘルワニ君やキュートでもタトゥーがアメリカンな女流カメラマンのエスター・リンちゃん、その旦那様でスチールでなくビデオ・カメラマンのKCら各国のMMAメディアと、下北沢の某所で夕食会を開いた。巨匠、長尾迪さんの呼びかけで集まった──上記3名と僕ら日本人2人、英国と豪州のカメラマン──5カ国7名で日本食に舌鼓を打っている最中、『明日の計量、どれぐらい人が集まる?』と尋ねられた。真冬の土曜日、場所はさいたま。僕は『ズッファは日本が分かっていない。俺だって仕事じゃなかったら、2日続けてさいたまスーパーアリーナに行かない。人なんて来ないよ』と断言した。開けてビックリ、計量会場は超満員、その熱気に僕に握手を求めてきた日本大会限定スタッフ(※旧戦極スタッフ)の瞳は潤んでいた。アリエルからは『もう、マナブの言うことは信じない』と笑われてしまった。会場には韓国やグアム、そして香港やシンガポールから旧知の格闘技関係者もやってきていた。翌日、試合前にジョー・シルバが『いつも通り、招待券を4枚用意してもらったけど、友人はいないし、ルミナかエンセンに渡してもらえないかな』なんて急に言われ、会場の熱も相まってジワッと来た。なんだか、色んなことがあって濾過され、純粋に日本に残った格闘技ファン、関係者の良さが集結したイベントのように感じられた。第2試合、2万人近いファンの声援がオクタゴンに向かう水垣偉弥に送られた時、泣き虫が本領発揮する1年前に、僕の涙腺は緩んでしまっていた。『もうUFCをプッシュする必要はない。それはもう、こんなオッチャンじゃなくて、若い世代の子の仕事だ』と心底思った。君らが『世界と歩むんだ』、と……」

on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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