この星の格闘技を追いかける

【on this day in】2月14日──2013年

14 02 13
【写真】この顔、どう見ても王座防衛を果たしたチャンピオンの顔じゃない(C)KEITH MILLS

Bellator89
@ノースカロライナ州シャーロット、ボージャングル・コロシアム
「当時のベラトール世界バンタム級王者エドゥアルド・ダンタス──ドゥドゥが自らの持つ世界王座の初防衛に成功した。前年8月にリオデジャネイロで行われた修斗ブラジルの大会で凱旋マッチを行い、タイソン・ナンにまさかのKO負けを喫して以来の実戦復帰。半年振りの試合で2R3分01秒KO勝ちしたにも関わらず、彼の表情には笑顔はおろか晴れやかさの欠片も見られない。ばかりか、殆ど泣き顔を見せている。理由は相手がマルコ・ロウロだったから。『ドゥドゥが初めてアカデミーにやってきたことのことを覚えている。まだ10代の子供だった』──挑戦者のロウロが試合前に発した言葉だ。そうドゥドゥとロウロはノヴァウニオンの同門だった。実際、試合前にはドゥドゥはリオデジャネイロで、ロウロはNYCのシャオリンの下で練習を積んでいたが、それでなくてもノヴァの結束力の強さは有名だ。アンドレ・ペデネイラスを総帥とし、海外でアカデミーを開いた者もブラジルに残っている者も非常にタイトな関係を築いている。ベラトールは当時トーナメント制を敷いており、先輩のロウロがトーナメントに優勝してドゥドゥに挑むこととなった。ダナ・ホワイトはよくMMAは個人戦だと口にしているが、果たして本当に個人戦だろうか。確かにケージの中では複数でチームを組んで戦うことはない。ただし、一人でケージに入るまでにチームが彼を支え、プッシュして送り出す。そこにはかけがいのない仲間が存在している。この悲しげな勝者の顔を見るにつけ、同門対決なんてすべきじゃないと心底思う」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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