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【RFC10】「寝技は問題ない。もちろん立ち技も」ヴィシール・コロッサ

Vuyisile Colossa

【写真】ワールドクラスの打撃にEPIC MMAクラブで身につけた組み技がミックスされ、恐るべき強さを見せるようになったヴィシール・コロッサ。今週末にナム・ウィチョルと対戦する。インタビューはUFC MACAOの会見が香港で行なわれた際に収録された (C) MMAPLANET

24 日(土・現地時間)、韓国はプサンのBEXCOオーデトリアムで開かれるROAD FC10「FINAL4」。日本から久米鷹介も出場するRFCライト級王座決定トーナメント準決勝で、香港在住の南アフリカ人ファイター、ヴィシール・コロッサがナム・ウィチョルと対戦する。

以前はキックボクサーがそのままケージの中に入るという印象が強かったコロッサだが、トーナメント初戦ではテイクダウンディフェンスからヒザ蹴り、そしてパンチの間合いで勝負できるようになった。組み技への対処方法が上がったことで、打撃の威力は数倍増しといっても過言でないスーパーフィジルカル・ストライカーにトーナメント準決勝について尋ねた。

――香港在住のコロッサ選手ですが、お隣マカオにUFCがやってきました。

「素晴らしいことだよ。中国南部のMMA界にとっては、特に歓迎すべきイベントだよ。香港では正直、それほどMMAの認知度が高いとはいえないけど、その分、海外からやってくる人も多く、そういう人々の中でMMAは浸透している。香港在住の人々には、MMAとは何かを理解してもらうことが先決だと思うよ。マーシャルアーツには精通していても、コンバット・スポーツはあまり馴染みがないからね。

でも、全てのアジアの国々から足を運びやすいマカオでUFCが開催されることで、日本も含めMMAに注目が集まるんじゃないだろうかと思っている」

――ところで、コロッサ選手は24日のRFC10でナム・ウィチョル戦が決まっています。

「前回の試合で戦ったキム・ソクホも良い選手だったけど、打撃では負ける気はしなかった。自分でも良いパフォーマンスだったと思う。ただ、レフェリーのストップが異様の遅かったことは残念だった。ファイターにとって、安全面が一番大切なんだから、レフェリーもそうだけど、コーナーマンもそういうことを今一度、頭に入れてほしいね。まぁ、いずれにせよ勝負に勝ったのは僕だから、良かったけどね(笑)」

――ナム・ウィチョルとは昨年12月に戦い、判定負けを喫しています。

「前の試合の時の僕と、今の僕では全てが違う。僕は確かに負けたけど、今はあの時の自分とは違うという一点において、前の試合のようにならないと断言できる。ナム・ウィチョルは韓国のベストファイターの一人だ。そして、前回は彼が勝った。彼のことは尊敬しているけど、前のような試合にならないことを願って猛練習している。まぁ試合が始まってみないことには、どうなるかは分からないけど、どんな状況になっても対応できるようにトレーニングをするだけだ」

――既にナム・ウィチョルとは対戦したことがあることを踏まえると、他に2人の対戦候補もおり、準決勝の対戦相手を選ぶことができれば、誰と戦いたかったですか。

「トーナメント戦が自分の思い通りになるなんてことは少ないからね。ただし、誰と戦っても大丈夫なように仕上げるのがファイターの職務だ。ナム・ウィチョルでもタカスケ・クメでも、決められた相手と戦うだけなんだ。ナム・ウィチョルと戦うことはリマッチになるので、自分にとっては好都合だよ。その一方で、クメのグラウンドは最高に強いし、彼と戦うのも楽しみだった。誰と戦うかは、俺が決めることじゃない。ファイターは決められた相手と戦う。だからファイターなんだ」

――久米選手は対戦相手がイ・ヨンジェに代わり、コロッサ選手とナム・ウィチョル戦と比較すると、イージーな試合になりそうです。

「まぁ、戦いに公平なんてことはない。それにイージーファイトになるかどうも、戦ってみなければ分からない。ラッキーパンチで試合が終わることもある。ただ、戦うことだ。クメの試合がイージーファイトになろうが、ハードな試合になろうが、それは僕の関与することでもない。そして、トーナメント戦は始まってみないと、どうなるかなんて誰にも分からないよ」

――前回のキム・ソクホ戦を見て驚きました。昨年9月にシンガポールのOFCで戦った時のコロッサ選手はキックボクサーがMMAに挑戦しているように見えましたが、先日の試合で打撃を得意とするMMAファイターという風に印象が変わりました。

「OFCに出ていたころは、MMAは試合前の2週間ほど集中して練習していただけで、普段はキックのトレーニングを行っていたんだ。基本、ムエタイの試合出場の方がずっと多かったから、試合のなかでもキックの良さを見せようと心掛けていた。それが、今ではMMAのトレーニング中心の日々を送っている。グラウンドにフォーカスを当てているし、MMAでより戦いやすくなっているんだ」

――EPIC MMAクラブではホドリゴ・メデイロスに柔術を習っているのですか。

「そうだよ。柔術、MMAをホドリゴ・メデイロス、マイク・パワーズ、マーカス・キコらに習っている。ワールド・クラスの指導者に囲まれて、僕の組技は確実に上達している。実は2週間前に青帯になったばかりなんだ(笑)。本当に充実したトレーニングを積むことができている。だから寝技の展開にも自信を持っている。ナム・ウィチョルがグラウンドに持ち込みたいなら、持ち込めばいい。

皆、知らないだろうけど、もう柔術を初めて5年になるんだ。寝技の展開になると、立ち技の方がチャンスも多いのでスタンドに戻ろうと心掛けてきた。でも、今は別に寝技になってもチョークや関節技でタップを奪うことができる。寝技で戦うことは、全く苦でないよ。ガードワークも問題ないし、もちろん立ち技の打撃戦だって全く問題ない」

Collosa vs Kim Soeok-Mo【写真】寝技に自信がついたコロッサだが、恐るべきはその分思い切りが良くなった打撃にあることは間違いない(C)MMAPLANET

――なるほど、それは非常に楽しみですね。ところでまだトーナメントの準決勝戦が控えている状態ですが、今後、RFCライト級王座決定トーナメントを経て、どのようなキャリアを積もうと考えていますか。

「RFCライト級チャンピオンになった暁には、UFCで戦える機会がないかを模索するよ。MMAファイターとして、評価を受けるということは、つまりはそういうことだと思う。そして、UFCと共に南アフリカで戦う機会を得ることができれば、最高だ。

多くのファイターが、南アフリカまで行って戦うことを嫌がることは分かっている。でも、現地の様子を分かってもらえれば、如何に南アフリカには将来有望の若いファイターが埋もれているか知ってもらえると思うんだ。RFC後は、UFCで戦いたい。他のファイターが進んでいるステップアップと同じ。特別なことがしたいわけじゃない」

■RFC10対戦カード

<RFCミドル級選手権試合/5分3R>
[王者]大山峻護(日本)
[挑戦者]イ・ウンス(韓国)

<97.5キロ契約/5分3R>
ジェフ・モンソン(米国)
カン・ドングク(韓国)

<ライト級T準決勝/5分3R>
ナム・ウィチョル(韓国)
ヴィシール・コロッサ(南アフリカ)

<ライト級T準決勝/5分3R>
久米鷹介(日本)
イ・ヨンジェ(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ユク・ジンス(韓国)
大脇要(日本)

<ミドル級/5分3R>
イ・ドルヒ(韓国)
パク・ジョンギョ(韓国)

<ミドル級/5分2R>
ソン・ヘソク(韓国)
パク・イルチョル(韓国)

<フェザー級/5分2R>
ジョン・ヨンサム(韓国)
ホ・ユン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
ムン・ジェフン(韓国)
キム・ソンジェ(韓国)

<フェザー級/5分2R>
ジョン・ミンジュ(韓国)
ホン・ソンホ(韓国)

<バンタム級/5分2R>
ハン・イムン(韓国)
チョン・ジュンヒ(韓国)

<バンタム級/5分2R>
アラン・ヨシヒロ(日本)
キム・ヒョンソン(韓国)

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