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【UFC183】リーチで劣るニック・ディアスはアンデウソン・シウバ相手に自分を貫くことができるか

Anderson Silva vs Nick Diaz【写真】ミドル級でのアンデウソン×ニック・ディアス。計量時にニックがこの写真のような肉体でないことは確かだ(C)MMAPLANET

31日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスMGMグランドガーデン・アリーナでUFC 183「Silva vs Diaz」が開催される。メインではイベントタイトルにある通りアンデウソン・シウバとニック・ディアスのミドル級戦が組まれている。

PPVイベントで世界タイトルがヘッドラインとならないのは、2013年6月のUFC 161(メインはラシャド・エヴァンズ×ダン・ヘンダーソン戦)以来、1年7ヶ月振りのこと。スーパーボウル・ウィークエンドのビッグショーは世界王者以上のカリスマ性を持ち、生ける伝説というべき両者に任せられた。アンデウソンは7年間の無敗時代を2013年7月に終え、再起を図ったクリス・ワイドマンとの再戦で左スネを骨折、13カ月振りの復帰戦となる。

一方のニックも2013年3月にGSPに敗れて以来、実に1年10カ月振りの実戦がこのスーパーファイトだ。アンデウソンが10度のUFC世界ミドル級王座防衛により、リビングレジェンド的な地位に昇りつめたのに対し、ニックは旧WECとストライクフォースでウェルター級の頂点に立ったものの、オクタゴンでは暫定世界王座を含めベルトを巻けていない。それでも、その悪童キャラでファンの高い支持を得て、世界チャンピオン以上の知名度と話題性を誇る存在となっている。

アンデウソンの負傷からの復帰というトピックスも含め、話題性が十分なマッチアップだ。が、ニックのミドル級でのパフォーマンスはハッキリいって未知数。これまでもフランク・シャムロックと179ポンド、スコット・スミスと180ポンドで戦いともに勝利を収めているものの──今回は185ポンド、しかも体重を落としてくるアンデウソンが相手となる。

通常体重をセーブし、過度の減量&リカバリーを控えるケースも増えつつあるMMAにあっても、減量して試合に挑むのは当然。減量とリカバリーを経て、最も動ける状態でケージに入るために日常生活でも節制を強いられるのが現代MMAだ。そんな現代MMAの有り方に常に否定的な態度を取るニックだけに、ミドル級での試合も興味深いという見方も成り立つ。「ポイントは関係ない」、「戦いたいといっているのに、ケージのなかをぐるぐる回るだけで戦っていない」など、距離と間合い、スコアリングのMMAに嫌悪感を持ち、打ち勝ち、極めて勝利することを信条としてきた。

とはいっても、この信条を対戦相手に求めるのは、あまりにも都合の良い話だ。公称190センチに及ぶリーチがあるからこそ、彼は殴り合いに来る相手を待ち受け、打ち勝つことができる。ライト級やウェルター級で戦う限り、彼のリーチは絶対的なアドバンテージを持っていた。そして、『テイクダウンはダメージを与えない』という理論もまた、スクランブルMMAでなく、ガードからの極めが強いニックのスタイルを肯定する要素となっている。

現代MMAでなく、マーシャルアーツ好みのニックだが、計算かどうかは別にして、それこそが彼が勝つ見込みが高くなる方法論であることは間違いない。ただし、アンデウソンはリーチで7センチ以上、ニックを上回る。つまり、格闘好みのニックのアドバンテージがなくなるというわけだ。加えてアンデウソンには蹴りがある。前戦の反省を踏まえ、力任せでなく、基本に立ち返って丁寧なローを使って、ニックの前足=右足を削ることが大いに考えられる。ウェルター級で戦ってきた時のアドバンテージのない状況で、ニック・ディアスがどのような『戦い』、そして『MMA』を見せるのか、まずはそこに注目したい。

■UFC183 対戦カード

<ミドル級/5分5R>
アンデウソン・シウバ(ブラジル/1位)
ニック・ディアス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
タイロン・ウッドリー(米国/3位)
ケルヴィン・ガステラム(米国/7位)

<ライト級/5分3R>
ジョー・ローゾン(米国)
アル・イアキンタ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ターレス・レイチ(ブラジル)
ティム・ボッシュ(米国/14位)

<ウェルター級/5分3R>
ジョーダン・メイン(カナダ/13位)
チアゴ・アウベス(ブラジル)

<女子バンタム級/5分3R>
ミーシャ・テイト(米国/2位)
サラ・マクマン(米国/3位)

<ミドル級/5分3R>
エド・ハーマン(米国)
デレック・ブルンソン(米国)

<フライ級/5分3R>
イアン・マッコール(米国/3位)
ジョン・リネケル(ブラジル/6位)

<ミドル級/5分3R>
ハファエル・ナタウ(ブラジル)
トム・ワトソン(英国)

<フェザー級/5分3R>
ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)
ジミー・ヘッテス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヒカルドソン・モレイラ(ブラジル)
イルデマウ・アルカンタラ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
チアゴ・サントス(ブラジル)
アンディ・アンツ(米国)

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