この星の格闘技を追いかける

【on this day in】12月20日──2003年

12 20 03【写真】日本のトップに君臨していた桜井マッハ速人と プロデビューから2年、キャリア6連勝中だった岡見勇信のスパーリング。岡見が細い!!(C)MMAPLANET

修斗オフィシャルジム・和術慧舟會合同練習
@東京都中央区、総合スポーツセンター柔道場
「きっかけは修斗、サステインの坂本一弘さんが病床の身にあった慧舟會の久保豊喜社長を見舞ったことにあった。修斗のプロモーターとWKのトップという関係で腹の探り合いを何年も繰り返してきた2人だが、格闘人としては選手を強くしたいという共通項を持つ。そこで出た話題が、いかに選手を強くするか。そんな2人の話から、修斗オフィシャルジムと慧舟會の合同練習会が開かれた。今や、ジムの壁など全く見られないプロ練習が当然になり、逆に所属ジム内だけで練習するトップ選手など見られなくなった。そして、出場するプロモーションで選手の色分けがされるということもなくなった。当時は違う。修斗は自らの世界観で構成されたヒエラルキーが存在しており、慧舟會からはそんな修斗に出場する選手だけでなく、修斗と犬猿の仲にあったパンクラスや他のイベントに出場する選手も属していた。両陣営の共通項は実力者を世に送り出している点にあった。11年前の時点で両者揃って『外国人に勝てなくなりつつある』状況を憂慮していた。よって最大のライバルが一緒に汗を流す機会が非公開で設けられた。マッハ、宇野薫、光岡、草さん、鶴屋さん、塩澤正人、隆多君、教祖、勝田哲夫、若きの日の大沢、リオン、K太郎、そして岡見勇信が、久保さんや坂本さん、若林さん、そして守山さんに見守られながら──異様に緊張感のある──静まり返った柔道場でスパーリングを繰り返した。あれだけの人数がいて、私語の一つもない柔道場が忘れられない。競争心を煽る大人、いや人を育てる立場にある大人同士が競い合うことも、今のMMA界にも必要なんじゃないだろうか。そして、真っ当な世の中を創るには、前を歩く人を追い出したり、陥れたりするのではなく、追い抜かないといけない……と改めてあの日を思い出して思う」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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