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【UFC153】柔術マジシャン&柔術セレブ、リオデジャネイロ凱旋

2012.10.12

Mino

【写真】リオでの試合は昨年8月以来、14カ月振り。今やアンデウソン・シウバと並び、一般誌の表紙を飾り、TVコマーシャルにも出演する人気を誇るミノタウロ・ノゲイラ (C) MMAPLANET

リオデジャネイロのバッハデチジューカ地区HSBCアリーナで、13日(土・現地時間)に開催されるUFC153 「Silva vs Bonnar」。今大会ではアンデウソン・シウバと並ぶブラジルのヒーロー、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが約10カ月ぶりの試合に臨む。

昨年12月のフランク・ミア戦ではアームロックで右腕を骨折し、42戦目にして初めてタップを奪われたミノタウロは、デイブ・ハーマンとの再起戦に挑む。その印象的なファイトとは裏腹に、2007年のUFCデビュー戦でヒース・ヒーリングに勝利したあとは白星と黒星を交互に繰り返しているミノタウロ。

主戦場をオクタゴンに移してからも、PRIDE後期に確立させたボクシング+柔術でフィニッシュを狙うスタイルで戦い続け、かつての強さを感じさせる場面こそ少なくなったが、常にエキサイティングな試合でファンを魅了している。対戦相手のハーマンもUFC戦績こそ1勝2敗だが、そのすべてがKOもしくはTKO決着と試合のインパクトという部分で印象に残る選手だ。

両者のファイトスタイルを比較すると、ミノタウロが、洗練されたパンチから試合を組み立てサブミッションでゴールを目指すのに対し、ハーマンはパンチで打ち合い、打ち勝てれば勝利し、打ち負ければ敗れる――そんな自身の強打とタフさを前面に押し出した戦い方だ。完成度という意味ではミノタウロが、あらゆる面でハーマンを上回るだろう。

しかしKO、一本勝ちが望まれる中で、ミノタウロが攻め急いで動きが雑になってしまうと、ハーマンの一発に試合をひっくり返される危険性がある。そんな不気味な怖さがあるハーマンが相手だけに、ミノタウロにとっては自らの積極性がマイナスに働くことが不安材料となる復帰戦だ。

またリック・ストーリーを相手にウェルター級転向2戦目に挑む柔術セレブ=デミアン・マイアにも注目したい。階級転向の初戦となった7月のキム・ドンヒョン戦は、開始直後のテイクダウンの攻防でドンヒョンが負傷するという結末に終わり、マイアのウェルター級での戦いぶりは未知数のままだ。

Maia【写真】何気に好カードが多い、今大会。デミアン・マイアはウェルター級で試金石となるリック・ストーリー戦に臨む (C) MMAPLANET

ウェルター級転向前の数試合を見ると、一本勝ちを狙うグラップリング色の強いスタイルから、左ストレートのプレッシャーをかけて前に出ていくスタイルに変わりつつあったマイアだけに、階級を下げてフィジカルでも優位に立てる場面を作ることが出来れば、それは大きなプラスになる。

対するストーリーはチアゴ・アウベスやジョニー・ヘンドリックスに勝った実績が光る。特にコレといった武器を持つ選手ではないが、サウスポーからの左ストレート、タイミングを測ってのテイクダウン、トップキープなど、今のUFCの戦い方において、リスクの少ない戦い方で堅実に試合を進めるタイプだ。

いわゆるアベレージタイプのストーリーだからこそマイアの実力が測定される試合であり、結果はもちろんのこと、新しいスタイルで活路を見出すのか、それとも最終的にはグラップリング技術に頼った攻防になるのか。「マイアならGSPでも、コンディットでも極めることができる」――そんなリアルな幻想を抱かせるファイターだけに、タイトル戦線を見据えた場合、上に挙げた部分も試されるといえるだろう。

■UFC153対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
アンデウソン・シウバ(ブラジル)
ステファン・ボナー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル)
デイブ・ハーマン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
グローバー・テイシェイラ(ブラジル)
ファビオ・マルドナド(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
エリック・シウバ(ブラジル)
ジョン・フィッチ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィル・デイビス(米国)
ヴァルネル・プラド(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
デミアン・マイア(ブラジル)
リック・ストーリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ホニ・ジェイソン(ブラジル)
サム・シシリア(米国)

<ライト級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド(ブラジル)
グレイソン・チバウ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)
ジョーイ・ガンビーノ(米国)

<ウェルター/5分3R>
セルジオ・モラエス(ブラジル)
ヘネ・フォルチ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
クリス・カモージー(米国)
ルイス・カーニ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
クリスチアーノ・マルセーロ(ブラジル)
ラザ・マハディ(スウェーデン)

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