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【WSOF16】王者トキーニョがフィッチに宝刀ヒールを極める方程式とは

Toquinho vs Fitch【写真】トキーニョがヒールを極めるには、フィッチのグライディングを凌ぐ必要がある (C)MMAPLANET & WSOF

13日(土・現地時間)、カリフォルニア州サクラメントのマクレラン・カンファレンスセンターでWSOF16「Palhares vs Fitch」が行われる。お騒がせプロモーションWSOFの2014年掉尾を飾る大会は、小規模会場での開催となるもののカード的には世界戦が2試合組まれた豪華なモノだ。

メインは大会名にある通りホウジマール・トキーニョ×ジョン・フィッチのWSOF世界ウェルター級選手権試合、元UFCファイター同士の世界戦だ。今年3月にスティーブ・カールをヒールフックで下し、王座戴冠を果たしたトキーニョは9カ月ぶりのデカゴン登場となる。一方、フィッチは、7月のデニス・ホールマン戦以来の試合でWSOFでの戦績2勝1敗だ。しかし、このホールマン戦はフィッチが体重を落とせずミドル級で戦ったもの。戦績とバリューの前に階級制が一部・形骸化している米国MMA界にあって、最も顕著な実情を幾度となくWSOFは露呈している。

10月のWSOF15では、世界挑戦前の試合で体重を守れなかったメルビン・ギラードがライト級タイトル戦でも体重を落とせずキャッチウェイトのノンタイトル戦で王者ジャスティン・ゲイジーと戦った。9月のWSOF13でも世界戦出場予定のジョシュ・ヒルの代役でノンタイトル戦140ポンド契約でマルロン・モラエスと対戦するはずの──体重超過常連のコディ・ボーリンガーは、予備計量で7ポンドもリミットを上回っており結局フェザー級よりも重い147ポンドで両者は対戦するハメに陥った。

よりイコールコンディションで技量を競い合うための階級制が、かなり捻じ曲げられている今日、果たしてフィッチは体重をしっかりと落としてトキーニョ戦に臨むことができるのか。そんな見方をされてしまうのが、今のWSOFである。大前提として、両者が体重を落とし、世界戦を戦った場合フィッチ優勢という見方は動かしがたい。

伝家の宝刀ヒールフック、特に内ヒールで対戦相手をクラッシュするトキーニョだが、手堅い試合をさせれば天下一品のフィッチが、足を取られる隙をそうやすやすと与えるとは考え難い。これまでUFCとWSOFというメジャーな舞台では6試合をヒールで一本勝ちしているトキーニョ。それ以前のキャリアでもヒールで3勝を挙げている。うち、1Rで試合を終わらせたのが、7試合。2Rが2試合、3Rに縺れ込んだ試合でのフィニッシュはない。

つまりトキーニョの必殺技=ヒールは、試合開始直後の汗を掻いていない、体力ゲージも100を指している時に極まる技であって、相手のペースで戦った試合で逆転技にはなりえないのである。そして古くはダン・ヘンダーソン戦のように打撃の圧で負け、テイクダウンを取られるとジリ貧のファイトになったケースの再現をフィッチは狙ってくるだろう。レスリングの猛者、そして柔術との融合によりバックコントロールとスクランブルを繰り返すことで、最初の5分を乗り越えるとトキーニョの宝刀はかなり錆びついて使い物にならなくなってくる。

本来トキーニョはヒールに頼らなくても、普通に柔術が戦える選手。バックからRNCと腕十字のコンビネーションなどは一流の切れを持っている。とにかく、これまでのトキーニョのように熱くなりすぎて、常にエンジン全開で戦っていれば、今のMMAを戦い抜くことは難しい。ヘクター・ロンバード戦のTKO負け以降、打撃の交換に関しても苦手意識をさらに持つようになった嫌いもあるが、トキーニョがフィッチにヒールを極めるのであれば、まずはフィッチのオーバーハンドからのダブルレッグをスプロールすること。気持ちを落ち着かせ、一つのチャンスに全ての力を使うのでなく、いくつもチャンスを待てる、作れるという精神状態で戦えば、ヒールばかりか他のサブミッションによって王座初防衛も可能だ。そんな肉体的資質を持ちながら、精神的な資質が欠如してきたのがこれまでのトキーニョ。果たしてフィッチ戦ではどのような試合運びを見せることができるのか。今後のMMAキャリアを左右する大切な王座初防衛戦となる。

■ WSOF16対戦カード

<WSOF世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] ホウジマール・トキーニョ(ブラジル)
[挑戦者] ジョン・フィッチ(米国)

<WSOF世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] リック・グレン(米国)
[挑戦者] ランス・パーマー(米国)

<バンタム級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ガブリエル・ソロリオ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブレンソン・ハンセン(米国)
ジョシュ・バーコヴィック(米国)

<ライト級/5分3R>
ルイス・ゴンザレス(米国)
ジャスティン・ブコールズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
デイブ・ハッカバ(米国)
JR・ルーゴ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジャスティン・ベースマン(米国)
デビッド・ミッチェル(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マルチン・サノ(米国)
ドミニク・ウォーターズ(米国)

<ライト級/5分3R>
デビッド・ダグラス(米国)
シンジェン・スミス(米国)

<フェザー級/5分3R>
エリック・サンチェス(米国)
ドレイ・ミッチェル(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・パウエル(米国)
クリス・アヴィラ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョセフ・モラレス(米国)
クリスチャン・エスピノーサ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジャスティン・ダーラム(米国)
ディラン・ブレイクスリー(米国)

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