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【Interview】BFC敗戦からOFCへ、上田将勝「絶対に諦めない試合を」

Ueda

【写真】BFCではよもやの1試合リリースという苦渋を味わった上田将勝。アジア最強、アジアの国際大会で頂点に立つことに照準を絞り、まずは海外1勝を果たしたいところだ (C) KEITH MILLS

10月6日(土・現地時間)シンガポール・インドアスタジアムで開かれるONE FC06「Rise of Kings」で、バンタム級挑戦者決定戦の意味を持つ8人トーナメント=バンタム級GPに出場する上田将勝。

1月の修斗後楽園大会で堀口恭司を判定で下し、4月にBellator シーズン6バンタム級トーナメントに参戦。しかし、『最後の挑戦』と位置づけた試合でトラビス・マークスに敗れて、僅か1試合でリリースの憂き目にあってしまった。あれから約6カ月、引退も噂された上田が、戦いの場をアジア=OFCに移して、再始動する。そんな彼に話を聞いた。
Text by Takumi Nakamura

――4月のベラトールで敗れて以来、約半年ぶりの試合として、OFCのバンタム級GP参戦が決まりました。どのくらいのタイミングで決まった試合だったのですか?

「話そのものは1カ月半ほど前から聞いていたので、ずっと調整は続けていました。OFCの前にも、対戦相手の怪我で流れたのですが、試合が決まりそうになっていて、個人的には9月から10月に掛けて、試合するつもりでいました」

――最初にOFCからオファーを受けた時はどんな心境でしたか?

「4月にベラトールで負けてリリースされてから、試合が出来ない状況が続いていたので、声をかけてくれる団体が出てきて、すごく嬉しかったです」

――最後の挑戦と位置づけて出場したBFCでは、1試合でリリースされるという結果になり、あの時は試合後どういった心境だったんですか?

「『何してたんだろう…』という気持ちで、準備や対策の部分で自分には足りないものが、たくさんあることに気づかされました。そして、練習環境を変えるきっかけにもなりました」

――試合後にリリースが発表されても、すぐに気持ちは次の試合へと切り替えることが出来たんですか?

「試合直後は、もう辞めようと思いました…。でも少し時間が経つと悔しさがこみあげてきて、とにかくもう1試合は必ずやろうと思うようになったんです」

――すべてを出し切れなかったという悔いや後悔もありましたか?

「とにかく試合後は、体が疲れ果てて『出し切れなかった』という気持ちでした。でもあの試合から、中村“アイアン”浩士選手たちと練習させてもらうようになり、そこで力を出し切れなかったのではなくて、自分の実力不足だということがはっきりと分かりました。だから、もっと練習して強くならねばと思っています」

――練習環境を変えるきっかけという言葉がありましたが、それが中村選手たちとの練習なんですか?

「そうですね。今まではずっとパラエストラの仲間たちと練習していたのですが、4月以降は(中村が所属する)東京イエローマンズに練習に行かせもらうようになりました」

――イエローマンズに練習に行くようになって、どんな発見がありましたか?

「壁際の攻防ですね。中村選手に色々と教えてもらって、自分が知らない技術がたくさんあるんだなと思いました。また力やパワーに関しても、中村選手と僕を比べるとものすごく差があって。改めてこの階級で戦っていく体が出来ていなかったんだと痛感しました。完全に僕の実力不足です」

――修斗で世界タイトルを獲得して、15勝1敗という成績を残していた上田選手でもそこまで感じたのですか?

「修斗でやってきたことを心に持って、自分に自信を持って戦いました。それでも結果が出なかったので、それは自分の実力不足です」

――ベラトールをリリースされた後、色々な選択肢があったと思うのですが、そこで海外のイベントを選んだことには理由があるんですか?

「1月の試合が終わって『海外でやる』と言った以上、海外でやることしか考えていません。それに会社を辞めて、時間に余裕がある今だからこそ、海外でやりたいと決断したわけで……。僕にとっては海外でやらなければ、格闘技をやっている意味がありません」

――それだけ上田選手は海外で戦うことにこだわりがあるんですね。

「はい。会社を辞めた時に最後の挑戦として海外で戦おうと決意したので」

――そこで今回はOFCというアジアのプロモーションで戦うことになりました。それについてはいかがでしょう?

「OFCはアジアで一番大きな大会で、そういった団体に声をかけてもらって、感謝の気持ちで戦いたいと思います。すごくやりがいがある場所だと思うので、GP優勝を目指して頑張りたいです」

――対戦相手のソン・ジョンミンにはどんな印象を持っていますか?

「映像を見た限り、とてもパワーがある選手だなと思います。金網際の攻防や、簡単に下にならない、しっかり上を取ってキープする。その部分を丁寧にやろうと思っています」

――バンタム級GPは次の挑戦者を決める意味合いが強いものですね。優勝者が来年中に王座挑戦をするという話も伝わってきています。

「はい。海外でチャンピオンになりたい。今はそういう気持ちです。しっかり勝ってGPで優勝する、そしてOFCでチャンピオンになる。それしか考えていません」

――今回のOFCには青木真也選手や朴光哲選手も出場して、日本でも注目される大会だと思います。上田選手はどんな試合をしたいですか?

「勝ちたいという気持ちを全面に出して、絶対にあきらめない試合をしたいです」

■ONE FC06「Rise of Kings」対戦カード

<ONE FCライト選手権試合>
ソロパベル・”ゾロ”・モレイラ(ブラジル)
朴光哲(日本)

<ONE FCバンタム級選手権試合>
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
キム・スーチョル(韓国)

<ライト級/5分3R>
青木真也(日本)
アルナウド・ルポン(フランス)

<ミドル級/5分3R>
川村亮(日本)
メルビン・マヌーフ(オランダ)

<バンタム級GP準々決勝/5分3R>
ジェンズ・パルバー(米国)
ヂァオ・ヤンフェイ(中国)

<バンタム級GP準々決勝/5分3R>
上田将勝(日本)
ソン・ミンジュン(韓国)

<バンタムGP準々決勝/5分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
ブルース・ロウ(シンガポール)
ジャニ・スッバ(マレーシア)

<フェザー級/5分3R>
ヌガビディ・ムラディ(インドネシア)
ミッチ・チルソン(米国)

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