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【UFN57】ジョゼ・アルドとメンデスの異次元レベルに割って入るのは、エドガーかスワンソンか??

Frankie Edgar【写真】UFC179で異次元のファイトを見せた王者ジョゼ・アルドとチャド・メンデス。フランキー・エドガーは両者の驚異的なレベルにあるファイターと思えるのだが、スワンソン戦で確認したい (C)MMAPLANET

22 日(土・現地時間)、テキサス州オースチンのフランク・アーウィン・センターでUFC Fight Night 57「Edgar vs Swanson」が開催される。メインはイベント名にあるようにフランキー・エドガー×カブ・スワンソンのフェザー級の一戦だ。

10月のUFC179で世界王者ジョゼ・アルドが、ナンバーワンコンテンダーのチャド・メンデスを返り討ちにしたが、両者の凄まじい攻防の連続に世界最高峰UFCフェザー級戦線にあって2人のレベルは異次元という見方もなされた。そんなフェザー級の頂点に関して、コナー・マクレガーが1月にデニス・シバーを下せば、挑むことになるという話も一部で出ている。他方、エドガー×スワンソンの勝者こそ実力的に次期チャレンジャーになるべきという見方も少なくない。

一度はアルドに敗れているエドガー、シャーウス・オリヴェイラ戦とTUFフィナーレでレジェンドのBJ・ペンを破った試合だけでは、アイルランドのUFC人気を引っ張るマクレガーの話題性に対抗できないかもしれない。ただし、スワンソンに勝てば──やはり実績で一歩も二歩も先を行き、世界戦の勝敗により興味が持てるように思えるのだが……。スワンソンはそれだけの強豪だ。現在6勝中で、うちKO勝ちは4試合。対戦相手もシバー、オリヴェイラ、ロス・ピアソンらで、先のジェレミー・スティーブンス戦では5Rも経験している。

もちろん、これだけの戦績を持つスワンソンだけに、彼がここで元世界ライト級王者に勝利すれば、挑戦権が回って来ても何らおかしな話ではない。そんな実力者対決──、スワンソンとすればいつものようにスーパーアグレッシブな試合を仕掛けることはまず間違いない。一発、一発の打撃をフルパワー、フルスピードで放つスワンソンは、このところサウスポーにスイッチしてからの左ミドルにも磨きを掛けている。腹を効かせて、顔面への攻撃、あるいはテイクダウンにつなげて強烈な勢いのパウンドを落とす。

スワンソンのパワー&スピードを支えているのが、スタミナと軸の強さといえるだろう。全力、そして全速で攻撃するのだから、当然疲れる。体はやや流れ気味になり、パンチも踏み込みよりも頭が前に出て、やや大振りになりがちだ。ただし、ここから体が伸び切らない。そして、ハンドスピードも殆ど落ちていない。あの姿勢のどこで壁を作っているのか、大振りのパンチも流れないで対戦相手の顔面を撃ち抜いている。試合が終盤になっても、スワンソンのように蹴りやテイクダウンを織り交ぜ、技を散らすことができるファイターはそうはいない。

ただし、スピードという部分で、エドガーはスワンソンに遅れを取ることはない。パワーに関しても、よりスピードと間合い、そしてタイミングを重視しているということで、一階級上で頂点を立った彼に不足があるわけでは決してない。コアが強く、姿勢が乱れながらも威力のあるパンチを放つことができるスワンソンにしても、その姿勢の乱れがテイクダウンを奪われる要因になることは多いに考えられる。

寝技で下になってもスワンソンはスクランブル、あるいは一瞬の関節技という強みを持つ。エドガーはスタンドでの軽快な動きとは違い、グラウンドになると一転、重厚なトップコントロールとトランジッションを見せるようになる。立ち技では戸惑いを与え、寝技では削っていく。一発のある打撃を多発できるスワンソンだが、動きの大きさをつかれ、エドガーの巧妙さとその陰に隠れた力強さ、そして要所を譲らないファイトに押し切られる可能性は低くない。

ファイター=カブ・スワンソンが、スーパーアスリートのエドガーに勝利するには一発を当てた時に倒しに行くのではなく、極めに行くこと。例えダウンを喫しても、パウンドを逃れ逆転の一発につなげるエドガーのタフさは誰もが知っているところだ。ならば、体を固定しサブミッション。そうなればスワンソンの世界挑戦はよい現実味を帯びてくるだろう。

そんな世界二強に割って入るメインの他にも卓越したスウェイの技術を持つボビー・グリーンと、重いローが武器のエジソン・バルボーサの1戦、さらに恐怖のトップコントロールを駆使するジャレッド・ロショルトがUFC4連勝を賭けた試合など、見どころタップリの今大会。FOXスポーツ&エンターテイメントで23日(日)正午からライブ中継され、当日午後7時からリピート放送される。

■ UFN57対戦カード

<フェザー級/5分5R>
フランク・エドガー(米国/3位)
カブ・スワンソン(米国/2位)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン(米国/7位)
エジソン・バルボーサ(ブラジル/11位)

<フライ級/5分3R>
ブラッド・ピケット(英国/11位)
チコ・カムス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャレッド・ロショルト(米国)
アレクセイ・オレイニク(ロシア)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国/2位)
ダスティン・オーティズ(米国/13位)

<ライト級/5分3R>
マット・ワイマン(米国)
アイザック・ヴァリフラッグ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ルスラン・マゴメドフ(ロシア)
ジョシュ・コープランド(米国)

<ミドル級/5分3R>
ルーク・バーネット(英国)
ロジャー・ナヴァエス(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイムス・ヴィック(米国)
ニック・ハイン(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
イーブス・エドワーズ(米国)
アクバル・アレオラ(メキシコ)

<女子ストロー級/5分3R>
ペイジ・ヴァンザント(米国)
ケイリン・カーラン(ハワイ)

<フェザー級/5分3R>
フワン・プイグ(メキシコ)
チェ・ドゥホ(韓国)

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