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【UFC180】豪腕ハントに有効なのは、コルデイロ譲りのヒザか?  高地対策で一歩リードのヴェウドゥム

Werdum vs Hunt【写真】何が起こるか分からないという部分に、高地という要素も加わるヴェウドゥム×ハントの暫定王座決定戦だ(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、メキシコ・キシコシティのアレナ・シウダ・デ・メヒコでUFC180「Werdum vs Hunt」が開催される。メインは大会名にあるようにファブリシオ・ヴェウドゥムとマーク・ハントの間で争われるUFC世界ヘビー級暫定王座決定戦だ。

当初、TUFラテンアメリカ・コーチ対決を兼ねた世界ヘビー級選手権試合=王者ケイン・ヴェラスケス×挑戦者ヴェウドゥムが組まれていたが、ヴェラスケスの負傷欠場によりハント出場と暫定王座決定戦が行われることとなった。

9月の日本大会で圧倒的なパンチ力を見せつけただけでなく、そのパンチがMMAの理に合い、また組技を防ぐという部分でも成長した姿を見せたハント。あのパンチが当たれば、UFCヘビー級に属するどのファイターからもKO勝ちできるはずだ。ただ、MMAは打撃のみの格闘技ではない。これまでステファン・シュトルーフや前回のロイ・ネルソンの寝技を防いできたハントだが、ヴェウドゥムの寝技は立ち技でいえばハントのパンチ級、UFCヘビー級ファイターの誰をも仕留めることができるレベルにある。

そのヴェウドゥムがUFCヘビー級タイトル戦線で活躍できるようになったのは、卓越した寝技力ではなく打撃の成長があったからこそ、だ。Strikeforce時代にエメリヤーエンコ・ヒョードルから一本勝ちをした試合、アリスター・オーフレイムにジリ貧の判定負けを喫した試合、いずれも打撃戦を避けての結果だった。

対して、オクタゴンに戦場を移すとロイ・ネルソン戦、マイク・ルソー戦で打撃を攻撃面に生かして戦えるよう成長の跡を見せたヴェウドゥム。アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとの寝技戦を制したTUF BR02コーチ対決を経て、今年4月のトラヴィス・ブラウン戦ではUFC切ってのハードパンチャーを相手にパンチを被弾しつつも中間距離で戦い、打撃戦でも真っ向勝負を仕掛け大差の判定勝ちを収めている。

おかしな表現だが、ブラウン相手に打たせずに勝つよりも、打たれて勝った事実は大きい。ヴェウドゥムはアリスターを倒した強打者のパンチを被弾しても、打撃戦を続け、逃げでなく自分のタイミングでテイクダウンを取り続けた。前蹴りで距離を取り、左ミドルを蹴り込むなど足技を織り交ぜることができる点も大きい。

そんな打撃戦をハントと対峙しても、ヴェウドゥムが用いることができるのか。ここがまず焦点になる。打撃で対等に戦えることで、この試合もブラウン戦同様にテイクダウンに持ち込むことが可能となる。打撃を逃げて距離をとり、下がっているようだと、ハントもまた総合力が上がっており、テイクダウンを奪うことは極めて困難になる。ただし、中間距離も接近戦もハントの射程距離内、相手のフィールドで戦うことを意味している。加えて、もっとも危険な拳の持ち主は、打撃の防御能力も半端なく高い。そんなハントを相手にした場合、ヴェウドゥムが活路を見出すのは超接近か。ハントは他のUFCファイターに見られないショルダーブロックとウェービングを駆使してディフェンスをする。かなり頭が下がり、上体も乱れる。ただ、それだけにパンチを当てることは難しい。

そこで打撃の師ハファエル・コルデイロが得意としていた、斜めに突き上げるヒザ蹴りが効果を発揮する。パンチを放つように片方の手を伸ばし壁をつくり、真正面でなくワキを狙う。体を振るハントにクリーンヒットはしなくても距離は潰せるだろう。そこから組んでテイクダウン、あるいは首相撲からヒザを入れ、肩を抜いてダブルに移行という手段も取れる。

いずれにせよ、前に出る気持ちは欠かせない。もう一点、記しておくべきはやはり開催地メキシコシティの高度だ。標高2200メートルでの大会開催はUFCにとって初めて。これまでデンバーの1600メートルが最高で、一気に600メートルも高地記録を塗り替えることになる。一般的な平地と比較すると、75パーセントほどしかない酸素がないメキシコシティでは、車や飛行機のエンジンの吹上が悪いなどという影響が実社会でも見られる。確実に出場選手のスタミナに影響が出てくるだろう。そしてヴェウドゥムはメキシコに長期滞在し、さらに高所でトレーニングを積んできたが、10月21日に出場が正式決定したハントには、そんな猶予はなかった。

長期勝負を持ち込み、足を使いながらスタミナのロスを待つという選択肢もあるヴェウドゥムだが、消極的に映らない程度に収めていないとハントは戦いやすくなり、スタミナも維持できる。とにかく一発を当てる必要があるハントと、それを掻い潜ることで勝機が見いだせるヴェウドゥムの世界王座決定戦だ。

■ UFC181対戦カード

<UFC世界ヘビー級暫定王座決定戦/5分5R>
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル/1位)
マーク・ハント(ニュージーランド/4位)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・エレンバーガー(米国/7位)
ケルヴィン・ガステラム(米国/11位)

<フェザー級/5分3R>
リカルド・ラマス(米国/4位)
デニス・ベルムデス(米国/7位)

<ウェルター級/5分3R>
アウグスト・モンターニョ(メキシコ)
クリス・ヒースリー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
エドガー・ガルシア(メキシコ)
ヘクター・アビーナ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカ・アイ(米国/6位)
レスリー・スミス(米国/13位)

<TUF Latin Americaフェザー級決勝/5分3R>
ジャイー・ロドリゲス(メキシコ)
レオナルド・モラレス(ニカラグア)

<TUF Latin Americaバンタム級決勝/5分3R>
アレハンドロ・ペレス(メキシコ)
ホセ・キニョネス(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ベニテス(メキシコ)
ウンベルト・ブラウン(パナマ)

<バンタム級/5分3R>
エンリケ・ブリオネス(メキシコ)
ギド・カネッティ(アルゼンチン)

<バンタム級/5分3R>
マルコ・ベルトラン(メキシコ)
マルロン・ヴェラ(エクアドル)

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