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【Kunlun Fight11】ゲーオに勝った男に勝利=エークプラチャー準決勝へ。TOMOYUKIはフーカイに敗れる

TOMOYUKI vs Jiao Fukai【写真】TOMOYUKIは中国のジャオ・フーカイに敗れ、準決勝進出ならず(C)MMA in ASIA

10月5日(日・現地時間)中国はマカオ特別行政区のマカオフォーラムにて開催された「Kunlun Fight 11」。今大会では7月からスタートした70kgの世界トーナメント「Kunlun Fight WORLD MAX」の準々決勝4試合が行われた。

中国で開催されているキックとMMA混合のビッグイベントKunlun Fight(クンルンファイト)。7月27日に中国の河南周口市体育館で開催された「Kunlun Fight07」から世界各国の精鋭16名を集めたトーナメント「Kunlun Fight WORLD MAX」が開幕。階級は70kg、ルールはヒジ・首相撲禁止の3分3R延長1R制で、アンディ・サワーや元ITS’SHOWTIME世界70キロ級王者クリス・ンギンビらも出場選手として名を連ねた。

まさに中国版のK-1 WORLD MAXといえるトーナメントだったが、サワーがモロッコのムスタファ・ハイダに延長判定で敗れ、ンギンビも中国のジャオ・フーカイに敗れるなど、優勝候補本命の2人が1回戦敗退に終わる番狂わせが起こった。

そんな波乱のトーナメント、準々決勝では元ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者エークプラチャー・ミナヨーティンと日本では──ゲーオ・フェアテックスに勝った男──としても知られるディラン・サルバドールが激突。サワーとンギンビが姿を消したトーナメントの優勝候補同士がここで拳を交えた。

【写真】序盤から激しい攻防が見られた一戦。エークプラチャーはサルバドールの飛びヒザを前蹴りで止めるなど、防御のための攻撃も冴え、上手さが目立った(C)Kunlun Fight

【写真】序盤から激しい攻防が見られた一戦。エークプラチャーはサルバドールの飛びヒザを前蹴りで止めるなど、防御のための攻撃も冴え、上手さが目立った(C)Kunlun Fight

サウスポーの両者、開始のゴングが鳴ると左ストレート、左ミドル、左ローで激しく打ち合う展開で幕を開ける。エークプラチャーが左ストレートとヒザ蹴りでボディを攻めれば、サルバドールも左ストレートを伸ばして応戦。エークプラチャーはサルバドールが前に出てくると右ミドルでそれをストップする。

2Rも右ミドルを蹴ってリズムを作るエークプラチャーが、ガードを固めるサルバドールに左ストレートを突き刺す。サルバドールも右フックを当てて前に出るが、エークプラチャーは首相撲を駆使して追撃を阻止。右ミドルを蹴って距離を取りつつ、サルバドールの前進に左ストレートとヒザ蹴りを合わせる。

3R、サルバドールが左ストレートから前に出ていくが、ポイントを取っていると判断しているエークプラチャーはジャブ、前蹴り、右ミドル。距離が詰まると首相撲に捕まえる逃げ切りモードで反撃のチャンスを与えない。そのまま試合終了のゴングを迎え、派手なダウンシーンこそなかったものの、エークプラチャーが堅実な試合運びで準決勝進出を決めた。

1回戦でンギンビを下す金星を挙げたフーカイは日本のTOMOYUKIと対戦。1Rからフーカイはンギンビ戦同様、サウスポーから繰り出すパワフルな左のヒザ蹴り、左ミドル、左ハイキックで前に出ていく。TOMOYUKIも右ストレートからボディブローにつなげてパンチをまとめるが、フーカイは左のヒザ蹴りで迎え撃つ。

2R、左右にステップして左ストレートと左のヒザ蹴りを突き刺すフーカイ。必死にパンチで前に出ていくTOMOYUKIだったが、フーカイは回り込んでの右フックや右の前蹴りやサイドキックも駆使してTOMOYUKIを突き離す。

3R、TOMOYUKIのパンチにフーカイもパンチを返して足を止めて打ち合う。パンチの回転で勝るTOMOYUKIがジャブとボディブローで前に出ると、フーカイも左ストレートで応戦。中盤以降、左右のフックで突進するTOMOYUKIに対して、フーカイはクリンチを使って必死のディフェンス。試合終了のゴングが鳴ると、両者は自陣コーナーに戻り、両手を上げて勝利をアピールする。

判定はフーカイに軍配が挙がり、中国勢として唯一のベスト4進出。またフーカイは11月3日(月・祝)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2014~-65kg初代王座決定トーナメント~」のスーパーファイトで松倉信太郎と対戦することが決まっており、K-1初参戦に向けて弾みをつける結果となった。

その他、1回戦でサワーに勝利したハイダはベラルーシのデニス・ズーエフと対戦し、クリンチと離れ際の打撃を巧みに使い、1Rに左フックでダウンを奪って判定勝利。豪州のヴィクトー・ナビー×ロシアのアルテム・ポシュポリンの一戦は、2R以降、サウスポーのナビーが左ミドルで前に出てポシュポリンを判定で振り切った。

11月16日の決勝大会は中国・内モンゴル自治区呼和浩特市(フホホト市)で開催されることが決定している。そして準決勝の顔合わせはエークプラチャー×ハイダ、フーカイ×ナビーが行われることも決まった。フーカイはK-1から僅か2週間後、そして40日後のKunlun Fightが実に第16回大会と僅か40日で5つのイベントをこなす超過密スケジュールとなっていることに驚かされる。なお、今大会で組まれたMMA戦ではTUF Chinaフェザー級トーナメントのファイナリスト=ヤン・ジェンピンが日本でも試合経験がある韓国のキム・イサクに判定勝利している。

■Kunlun Fight 11 World MAX 2014 試合結果

<Kunlun Fight WORLD MAX/3分3R延長1R>
ジャオ・フーカイ(中国)
Def.
TOMOYUKI(日本)

<Kunlun Fight WORLD MAX/3分3R延長1R>
エークプラチャー・ミナヨーティン(タイ)
Def.
ディラン・サルバドール(フランス)

<Kunlun Fight WORLD MAX/3分3R延長1R>
ムスタファ・ハイダ(モロッコ)
Def.
デニス・ズーエフ(べラルーシ)

<Kunlun Fight WORLD MAX/3分3R延長1R>
ヴィクトー・ナビー(豪州)
Def.
アルテム・ポシュポリン(ロシア)

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