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【UFC178】名勝負必至。エディ・アルバレス、オクタゴン初陣はドナルド・セラーニと

Alvarez vs Cerrone【写真】試合前からファイト・オブ・ザ・ナイト候補、その期待をすかすような戦いが見られたとしても、興味はつきないエディ・アルバレス×ドナルド・セラーニ戦だ(C)GONG KAKUTOGI

27日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで開催されるUFC178「Johnson vs Cariaso」。水垣偉弥×ドミニク・クルーズが対戦する同大会は、メインのUFC世界フライ級選手権試合デメトリウス・ジョンソン×クリス・カリアソ以上に注目されているカードがある。ライト級、エディ・アルバレス×ドナルド・セラーニだ。

東部の人材育成プロモーション=リアリティ・ファイティングのウェルター級王者から、MFCウェルター級王者→ボードッグ世界ウェルター級王者を経て、Bellatorで世界ライト級を王座を獲得。日本ではDREAMライト級GPでヨアキム・ハンセンや川尻達也と名勝負を繰り広げてきたアルバレス。Dynamite!!2008ではヒールフックで敗れた青木真也に対し、ベラトール王座を失った後に同プロモーションで対戦、2分14秒でTKOでリベンジを果たしている。

非UFCファイター最強と目されるアルバレスは、ベラトール在籍時からUFC転出を試み、法廷闘争にも陥った。その後、昨年11月にマイケル・チャンドラーからベラトール世界ライト級のベルトを取り返し、オクタゴンで戦うことに言及しなくなった時期もあったが、ビヨン・レブニーからスコット・コーカーにベラトールの舵取りが変わると、一気にUFCとの契約がまとまった。

待望のUFC初陣を迎えるアルバレス、その対戦相手セラーニは現在4連勝中で全試合フィニッシュしており、最高に波に乗っている。先に挙げたDREAM、チャンドラー2連戦と歴史に残る名勝負を幾度となく戦ってきたアルバレスと、UFCとWECで通算8度のファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得しているセラーニ、両者が拳を交えるのだから、誰もがエキサイティングな試合を求める。そんななか、アルバレスにとっては非UFC最強ファイターの力がオクタゴンでどこまでか通じるかを試される一面も持っている。UFC以外で好成績を残してきたファイターには、つねに「UFCだったら」と疑問符が付いて回ってきた。UFCはいうまでもなく世界最高峰、各階級とも選手の質&量とも他を圧倒している。

よって、「UFCならどうなる???」という見方をされ、疑問が現実になったケースも少なくない。反面、当大会にも出場するティム・ケネディを始めとする、ジャカレ・ソウザ、ルーク・ロックホールドという元STRIKEFORCEミドル級勢、アンソニー・ペティス、ベンソン・ヘンダーソン、ダニー・カスティーリョというWECライト級勢など、周囲の疑いの眼を驚きに変えオクタゴンで活躍してきた。

ベラトール組でいえば、ヘクター・ロンバードがミドル級王者からUFCに転身、1勝2敗からウェルター級に転向し、その後は2連勝中だ。UFCと他イベントの違いは、対戦相手の力量の差。ここは誰もが認めるところだろう。UFCで3勝を挙げるのと、他で3勝を挙げるのは違いがある。ただし、それはあくまでも相対評価であって、MMAファイターの強さは直接対決でしか測れないともいえる。両者ともバチバチの打ち合いから、レンジを考えジャブを多用しつつ、一発を持つファイターに成長してきた。序盤は様子見の展開になる可能性もあるが、セラーニ、アルバレスとともに相手の攻撃を被弾した時に、下がらず前に出る気持ちの強さが乱打戦を引き起こす。

その乱打戦になる前に相手を仕留めることが増えてきたセラーニを相手に、アルバレスは打撃とテイクダウンの融合というスマートな戦いを続けることができるか。試合内容によっては、王座挑戦権が転がり込んでくる一戦は、一瞬たりとも目が離せない(最大)15分間となる。

■UFC178「Johnson vs Cariaso」対戦カード

<UFC世界フライ級世界選手権/5分5R>
[王者] デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者] クリス・カリアソ(米国)

<ライト級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
エディ・アルバレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国)
コナー・マクレガー(アイルランド)

<ミドル級/5分3R>
ティム・ケネディ(米国)
ヨエル・ロメロ(キューバ)

<女子バンタム級/5分3R>
キャット・ジンガーノ(米国)
アマンダ・ヌネス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ドミニク・クルーズ(米国)
水垣偉弥(日本)

<ライト級/5分3R>
ホルヘ・マスヴィダル(米国)
ジェイムス・クラウス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
パトリック・コーテ(カナダ)
スティーブン・トンプソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・ハワード(米国)
ブライアン・エバーソール(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョン・タック(米国)
ケビン・リー(米国)

<バンタム級/5分3R>
マニー・ガンバーリャン(米国)
コディ・ギブソン(米国)

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