この星の格闘技を追いかける

【Special】三崎和雄の挑戦とHALEOのビジョン。「格闘技や武道を通じ、武士道教育をしていく」

Kazuo Misaki【写真】リングやケージでの姿でメッセージを送ってきた三崎和雄。立場を変え、コミュニケーションツールも変化しても、格闘技の良さを訴え続けている (C) Bodyplus International

現役時代は、数々の名勝負を見せ続けてきた漢・三崎和雄。格闘技を通して、後世に受け継がれる人としての有り方を伝えるため、MMAファンの間ではお馴染みとなっているサプリメントのブランド、HALEOのディレクターに就任した。立場を変え、今も戦い続けている彼にインタビューを試みた。
<デービット・ホルトンCEOインタビュー、Part.01はコチラから>
<デービット・ホルトンCEOインタビュー、Part.02はコチラから>

――現在はHALEOのディレクターという仕事に就かれている三崎和雄さんですが、もともとHALEOとの出会いを教えていただけますか。

「デービット社長とは、私のトレーナーの紹介で2006年頃に知り合いました。初めてお会いしたときにいろいろな話を聞いているうちに、私は彼の人間性に引き込まれていきました。私は彼からまだまだたくさんの事を学び、彼と同じ時間を共有したいと強く思いました。その後はスポンサーと選手という関係を越え心から信頼しあえる存在になっていきました」

――2012年3月のポール・デイリー戦を最後に現役生活を退きましたが、改めてその理由をお教えください。

「一番の理由は怪我ですが、その後の人生を考えて、大きな決断だったように思います」

――現在の職務を遂行するうえで、現役時代と今では伝達方法も変化したということありますか。

「もちろん、モノゴトの伝え方は変わりましたね。現役時代は自らの体で表現をしていましたが、今はリングの上からメッセージを伝える事はできません。現役時代にリングの上や、リングに上がるまでに学んだ事や、経験を生かし、次世代に継承していきたいと思っています」

――では、あれだけリングやケージで激しい試合をしてきた三崎さんは、この社会の格闘技の存在理由をどのように考えていますか。

「私が格闘技を始めた当初は世界チャンピオンになりたいと強く思うばかりでしたが、試合を重ねていくうちに格闘技は強さだけでなく、強烈なメッセージ性を持っていると感じるようになりました。格闘家は己を鍛え抜き、戦い続ける姿こそが武士道そのものなのです。現代社会に失われつつある、人間にもっとも大切な要素を再現しているのです。その姿(※試合)を見る事で、武士道が受け継がれ繁栄していくのだと願っています」

――三崎さんにとって、武士道とはどのようなモノなのですか。

「武士道とは日本の良き時代に生まれた日本人の生き方、賢く謙虚に生き、人を敬い助け合う心を持つ。私が考える武士道は『自らが痛みを知る事で、人に優しくなれる』と考えています」

――MMAは北米中心になり世界中に広まりました。三崎さんは日本人選手が世界のトップレベルで戦うには何が必要だと考えていますか。

「日本人には武士道精神という素晴らしい武器が備わっています。他に必要なものは、世界レベルに匹敵した環境作りとチーム作り、仲間作りです。もっとも大切なものはチームです。チームといっても、ただ一緒に練習をする仲間ではありません。お互いを高め合い、同じ目標を持ち、信頼し合えるチームが必要です」

――三崎さんの考えるチームで練習することで、日本人選手でも世界の舞台にチャンピオンになれると考えていますか。

「チャンピオンを作ろうと考えるのではなく、周りと比較せず、自分が設定した目標を一つずつ達成していくことが大切だと思います。そのためには確実に目標を達成するためのプランが重要になります。世界の舞台で日本人チャンピオンが生まれることで、様々な影響を与えることになります。

現代社会が急速に発展していくスピードに我々人類は、追いついていないように思います。しかし、チャンピオンに選ばれた人間こそが、社会にもっとも大切なものを気付かせてくれるのではないでしょうか。本来の人間らしい、優しくエコな生活環境を取り戻してくれると願っています。そのためにも選手だけではなく、社会や若い世代、子供達にも目を向けて、格闘技や武道を通じ、武士道教育をしていく事が大切だと思います」

――壮大な話ですね。

「私たちHALEOの創造するビジョンは目先のものではなく、世代に残していくための計画です。今の子供達が、将来の日本や世界を支え、更にその子供達が、次世代に受け継いでいけるような、環境づくりを目指していきたいと考えています」

――そのビジョンを実現するための最大の課題は何ですか?

「同じ志を持った人間と同じ方向を向いて『挑戦』を続ける事です」

PR
PR

関連記事

Movie